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企業文化の基盤を学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 企業文化を定義する。
  • 健全な営業文化の要素を説明する。

企業文化とは一体何か?

Deloitte が複数の業界の従業員と経営陣を対象に行った調査では、経営陣の 94% と従業員の 88% が、特徴のある職場文化がビジネスの成功に重要であると感じていることが明らかになりました。

このように文化の構築が理にかなっていることは立証されていますが、このビジネスでいうところの「文化」とは一体何を意味するのでしょうか? また、卓越した職場文化を築くにはどうしたらよいのでしょうか?

まずは、基本的な定義から始めましょう。

文化とは、ビジョンステートメント、信念、目標、トレーニング、ポリシー、行動規範に裏打ちされた企業の個性です。こういったすべての要素は、従業員同士の交流、顧客との関わり、日々の業務での好不調への対処、公私両面の成長のガイドとなります。

健全な営業文化とは、担当がサポートを受けて各自の目標を達成でき、従業員が幸福で、生産性が高く、意欲的である文化です。

ホワイトボードのそばに立っているか椅子に座って、ブレインストーミングの共同セッションに参加している 4 人の同僚のグループ。

健全な企業文化が重要な理由

企業文化がビジネスの成長、助け合い、継続的な改善を基盤としている場合、従業員はより積極的に関わり、一般的に幸福度が高くなります。幸福な従業員は、全体の士気を高めるだけでなく、生産性も向上させます。実際、Bain による調査では、幸福な従業員は不満を持つ従業員に比べ、生産性が約 125% 高いことがわかっています。

健全な企業文化を培うことには、他の利点もあります。以下に、文化の主要な構成要素 (従業員のエンゲージメント、満足度、ビジョン) に結び付くものをいくつか紹介します。

  • 定着率: エンゲージメントの高いビジネスユニットでは、離職率が 59% 低くなる (Gallup)。
  • 収益: 仕事に満足していると答えた営業担当の売上は、他の担当に比べて 37% 多い (MDM Analytics).
  • 評判: 目的指向とビジョン指向の従業員は、目的指向またはビジョン指向でない従業員に比べ、勤務先のプロモーターとして行動する可能性が 47% 高い (Center for Human Capital Innovation)。

つまり、従業員は自分の業務に価値を見出し、励まされ、意欲をかき立てられ、成長の機会があり、懸命な働きと献身に対する報酬を受けることができれば、目標を超えるためにあらゆる努力をするようになります。

ネガティブな企業文化はこれとは逆の効果を招き、離職率の増加、従業員パフォーマンスの不振、顧客満足度の低下につながります。 

明らかに、健全な文化ではプラスの影響がもたらされます。とはいえ、何がこれを可能にしているのでしょうか? それでは、健全な企業文化の諸要素をさらに詳しく見ていきましょう。

健全で生産性の高い文化の主要な要素

強固な文化は、単なる当てずっぽうで創造できるものではありません。重要なのは、企業が健全で生産的な営業文化の要素を定義し、それを成功の促進に活用することです。Salesforce では、これまでの経験をもとに、健全な営業文化の要素に優先順位を付けています。

  • データに基づく意思決定
  • コラボレーションと率直なコミュニケーション
  • 継続的な改善
  • 共感
  • 顧客中心主義
  • 健全な競争

では、1 つずつ詳しく見ていきましょう。

データに基づく意思決定

過去数年間に実施された複数の調査では、共通のテーマが指摘されています。パフォーマンス上位の営業チームは、データを利用して最良の商談を見つけ、迅速に成立させています。リアルタイムの顧客データと AI 駆動のインサイトを使用することで、営業チームは履歴情報を確認し、絶好の商談を特定できます。その結果、より多くの商談をより迅速に成立できるようになり、会社の収益が向上するだけでなく、定期的に「商談成功」を体験するエンゲージメントの高い担当を育てることもできます。

コラボレーションと率直なコミュニケーション

営業は個人プレーの職種であり、チームエンゲージメントが低いと言われることがありますが、優れた営業チームの原動力となっているのはコラボレーションと率直なコミュニケーションです。McAfee のグローバルセールスオペレーション VP である Pilar Schenk は、チームメンバーの仲間意識とつながりによって、新しい商談やプロジェクトに対する意欲が高まり、重要な情報を共有して互いに学び合う機会が生まれると説明しています。 

このようなコラボレーションには、社内の成長を促し、信頼を確立し、さらなるビジネスの成功につながる、継続的なコミュニケーション、コーチング、建設的なフィードバックが必要です。

継続的な改善

ビジネスの成長は、単により多くの商談を成立させればいいというものではありません。自分自身だけでなく会社全体の改善を重視している、営業チーム内のメンバーが推進するイノベーションが必要です。これには、四半期の目標と計画の見直しはもちろん、プロセスの改善、ツールの変更、会社のビジョンに沿った個人のスキルの向上が含まれます。専門能力開発は、この改善の重要な部分であり、定着率の改善とエンゲージメントの強化につながります。 

Salesforce では、V2MOM というドキュメントで継続的な改善を共有しています。Salesforce では、この Vision (ビジョン)、Values (価値)、Methods (方法)、Obstacles (障害)、Measures (基準) について、全員が独自のバージョンを大まかにまとめ、大きな目標や目標達成に向けた進捗の測定方法などを明示しています。同じプロセスを使用して、会社全体の改善を定義し追跡することは、成長のための明確な指針を設定したい従業員にとって理想的であるだけでなく、会社の意思統一を図る上でも重要です。V2MOM には、トップダウン方式で、会社の価値、ビジョン、ミッションが包括的に反映されています。

共感

共感とは、理解し、つながるための架け橋となるものだと考えてください。そのためには、相手の立場に立ち、その視点から状況を体験することが必要です。これは、同僚との関係にも、営業チームが見込み客やお客様と育む関係にも当てはまります。 

共感が営業に非常に重要なのはなぜでしょうか? Center for Creative Leadership が指摘しているように、共感は人との対話を深め、信頼を構築し、より効果的なコミュニケーションの支えとなります。このようなことはすべて、チームの連携、お客様との関係、しいては商談成立にとって重要です。

顧客中心主義

Salesforce では、お客様を第一に考えています。これには、どのようにしたらお客様を営業の対象にできるかというだけでなく、いかにしてお客様の問題を解決し、より良い (かつ持続可能な) ビジネス成果を生み出すことができるかも含まれます。そのためには、時間をかけて、お客様の苦労、関心、ニーズ、要望を把握する必要があります。結局のところ、営業チームがお客様一人ひとりについてこういった重要なポイントを理解していなければ、お客様の生活を充実させる商品やサービスソリューションを提案することはできないということです。 

お客様を第一に考えることで、お客様の成功があなたの成功になります。商品やサービスを提供することによってお客様の問題を解決すれば、顧客満足度が向上し、収益も増加します。

合計 4 人のグループ。マネージャーが営業コンテストで優勝した同僚に優勝リボンを贈呈している中、その横に立って歓声を上げている同僚。

健全な競争

競争は、営業文化の中心となるものです。 

営業組織では、時に不健全な競争が横行することがあります。アイデアや見込み客を盗んだり、同僚の商談を妨害したり、営業成績の悪い担当を馬鹿にしたりすることは、チームの結束力を弱め、コラボレーションを (不可能ではないにしても) 困難にします。さらに悪いことに、その結果生じた不満や憤りがセールスコールにまでにじみ出て、潜在的な商談に支障をきたす可能性もあります。

一方、健全な競争とは、仲間意識を生み、個人とチームの両方の成功を後押しするものです。さまざまなスキルや能力を対象とした楽しいコンテスト、さまざまな種類の商談「成立」や進捗の指標を示すコールアウト、完了した商談に対するチーム全体からの励ましや祝福などは、すべて健全な競争を促進する方法の一例です。 

ここまで、健全な企業文化の基礎を学習してきました。これで、従業員の幸せと生産性を高め、会社の成功を促進する準備が整いました。

リソース

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