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営業組織に健全な文化を築く

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • チーム文化を築くための責任を定義する。
  • 健全なチーム文化を築く方法を説明する。

企業文化構築の責任を担うのは誰か?

健全で活気ある企業文化を創造するためには、最高収益責任者 (CRO) や VP から営業マネージャーやチームメンバーに至るまで、すべての人が関わり、尽力する必要があります。言い換えれば、文化の構築はコラボレーションによる作業なのです。 

このコラボレーションにおける責任は、役割によって異なります。文化の構築において誰が何をするのかを概要を次に示します。

  • CRO: 営業チームのビジョンを設定し、パフォーマンスとエンゲージメントの指針となるポリシーの作成をサポートします。
  • VP: CRO のビジョンとポリシー遵守のためのガイドラインを実施するための実行可能な方法を作成します。定期的にマネージャーと面談し、両方の成功度を測定します。
  • 営業マネージャー: CRO と VP が定めたガイドラインとポリシーに従い、ビジョンとポリシーをチームに周知し、チームの士気を測定し、フィードバックを収集する。
  • チームメンバー: ビジョンに従い、ポリシーを理解し、その両方に沿って業務を行います。同僚がビジョンや方針と一致しない方法で関与した場合、マネージャーにフィードバックを提供する。

もちろん、これは概要です。より具体的な方向性は、次のセクションで、健全な企業文化の 6 つの主要な柱をどのように実践していくかについて説明する際に紹介します。 

プロフェッショナルの多様性のあるグループに取り囲まれた「企業文化」と書かれた赤色の楕円。各人から赤色の楕円を指している青色の矢印。

営業文化を活性化する方法

前の単元では、健全な企業文化の 6 つの重要な要素であるデータに基づく意思決定、コラボレーションと率直なコミュニケーション、継続的な改善、共感、顧客中心主義、健全な競争について説明しました。ここでは、これらの要素を企業文化に取り入れる方法について説明します。

データに基づく意思決定

データに基づく意思決定を成功させるには 2 つの重要な要素があります。1 つは意思決定には正確なデータの裏付けが必要であるという認識をチームで共有すること、もう 1 つは営業データを簡単に収集して分析できるツール (CRM など) を実装することです。

この要素の最初の部分は、リーダーが率先して行います。あなたとあなたのチームがセールスプロセスのすべてのフェーズのデータだけでなく、販売後の顧客エンゲージメントに関するデータも追跡することを周知します。このデータには、プロスペクティングレコード、顧客の取引先責任者情報、購入の詳細、パイプライン内のリード、商談の成立率、サービス要請など、顧客や見込み客との関係を構築するために利用可能なあらゆるものが含まれます。このデータを追跡することの重要性は、チームミーティングで繰り返し説明し、パイプラインレビューや 1 対 1 の面談で強調する必要があります。

2 つ目の要素では、営業データを簡単に保存でき、かつ AI 駆動のインサイトを提供できる CRM を見つます。Sales Cloud はこの用途向けに設計されており、直感的なダッシュボード、簡単にアクセスできるリアルタイムのパイプライン更新、収益インテリジェンスメトリクス、Einstein AI エンジンが提供する商談に関するインサイトを利用できます。 

グラフの前に立ち、ラップトップに向かって座っている男性と話している女性。ビジネスニーズについてデータに基づく意思決定を行うために協力している 2 人。

コラボレーションと率直なコミュニケーション

「上げ潮は船をみな持ち上げる」という古いことわざがあります。つまり、率直なコミュニケーションで活性化されるコラボレーションによって、チームは情報を共有し、互いのスキルや知識、経験からメリットを得ることができるということです。

この中心となるのが「透明性」です。Slack のある調査では、「相互接続が進む世界では、透明性が新たな判断基準となる」と指摘されています。課題やソリューションを率直に議論することで、チームは共に能力を向上させることができるのです。

ここでリーダーは模範を示す必要があります。週 1 回のミーティングで、チームメンバーに注目すべき成功例 (商談を迅速に成立させた、クレームを手際よく解決したなど) を話してもらい、各自が考えるその成功の要因について議論します。

失敗例でも同じことが可能です。いずれかの従業員から許可を得て、うまくいかなかったプロジェクトを共有し、何が悪かったのかや、どうすれば成功に転じることができたのかをチーム内で話し合います。忘れてならないのは、これは罰ではなく、営業組織全体の従業員を成長させ、サポートするチャンスであるということです。

1 対 1 の面談でも、率直であることが重要です。この面談で、従業員のうまくやっている点についてフィードバックを提供し、改善の余地がある点に関してはコーチングを行います。ただし、一般論に終始せず、従業員一人ひとりが業務の改善に活かすことができる具体的なポイントを伝えます。

また、フィードバックを求めるる際には、個人的に、またはチームミーティングで、チーム全員にフィードバックを提供するように促します。この透明性と説明責任によって、あなた自身も自分の能力向上に努力していることが明確になり、会社の成功があらゆるレベルでの透明性にかかっていることもはっきりとわかるようになります。

机に向かって並んで座り、一緒に専門的なプロジェクトに取り組んでいる女性と男性。

継続的な改善

成長しない従業員がいないと、会社は成長できません。継続的な改善、つまり各自の業務の要となるスキルや能力を磨くことは、営業組織のすべてのレベルに関連し、イノベーションとビジネスの成長の鍵となっています。多くの企業では、これを単に専門能力開発と呼んでいます。

専門能力の開発と強化向けの演習に取り組む方法は複数あり、その多くは無料で利用できます。以下に、営業組織でよく使用されている一般的なものをいくつか紹介します。

  • リーダーと営業スタッフ間におけるメンター/メンティ関係の構築
  • 営業に関するトレンドトピックに関する読書会やグループ学習の実施
  • 特定のスキル強化を希望する従業員向けのカリキュラムに対する費用の補助
  • Trailhead に用意されているような自己学習コースの提供
  • 新しい計画やテクニックを学ぶためのセールスカンファレンスへの参加
  • 最新の営業テクノロジーに関する記事の閲覧または割り当て
  • 営業担当向けの交流会への参加

おそらく最も重要な点は、リーダーが継続的な改善に価値があるという重要なメッセージを繰り返して伝える必要があるということです。チームに対して興味のある専門能力開発の機会を調べるように促し、個々の従業員には 1 対 1 の面談で機会を提案します。

この要素には正当な評価も含まれています。スキルや能力の開発に力を注いでいる従業員を評価し、現金、休暇、その他の有意義な賛辞で報いることで、専門能力開発を重視していることを示します。

従業員はこれに生産性の向上という形で報いてくれるでしょう。HR TechnologistHarvard Business Review によると、雇用されている米国人の 40% が、評価される頻度が増えれば、より仕事にエネルギーを注ぐと答えています。

専門能力開発を示す認定証を掲げている女性。

共感

共感的な考え方を身に付け、共感的なコミュニケーションを促進するために、営業組織の誰もが自分自身に問いかけることのできる質問があります。

従業員と話す場合でも、お客様と話す場合でも、返答や連絡する前に、一呼吸おいて立ち止まる習慣を付けましょう。その際、以下を自問してください。

  • この人の原動力やモチベーションは何か?
  • 相手のストレスレベルはどの程度か?
  • 相手の問題や状況の背景を十分に理解しているか? 理解していない場合、どうすれば全体像を把握して、適切なコミュニケーションを行えるようになるか?
  • この人の気分やコミュニケーションに影響を与える要因は何か? コミュニケーションを組み立てる際に、その要因をどのように考慮したらよいか?
  • 自分がこの人の立場だったら、何を考え、どのようにコミュニケーションするだろうか?

たとえば、営業マネージャーがある担当を毎週オフィスに呼んで 1 対 1 の面談を行ったところ、その担当がイライラしていることに気付いたとします。担当からの返答は短く、マネージャーの質問にも我慢がならないようです。 

優れたマネージャーであれば、一呼吸おいて、どうしたのかと尋ね、担当が少しイライラしているように見えることを伝えることができます。さらに、どうすれば力になることができるかと尋ねれば、その従業員はサポートされていると感じるようになります。

ここで重要なのは、共感とは相手が感じていることを感じることではなく、相手の状況を理解し、相手の立場に立って状況を見ることであるということです。これがうまくできると、より思いやりを持てるようになります。それが信頼につながり、より強く、より長く続く関係を築くことができます。

楽しく建設的な会話をしている女性と男性。

顧客中心主義

結局のところ、幸せなお客様が企業の成功の原動力であるということです。だからこそ、Salesforce は長年、顧客中心のアプローチを重視してきました。では、営業チームにとって、これは実際にはどのようなものでしょうか?

ミーティング、ピッチの準備、デモ、電話、メールなど、お客様に影響を与えるものはすべて、次の基本的な考慮事項に基づいている必要があります。

  • お客様が求めている成果は何か?
  • お客様のニーズは何か?
  • お客様が直面している問題は何か?
  • お客様は成功と失敗をどのように定義しているのか?
  • お客様はどのようなコミュニケーション方法を希望しているのか?
  • お客様は現在、どのような状況にあるのか?

上記を念頭に置けば、単なる 1 通のメールであっても、お客様のためにすることはすべてお客様の目標に沿うものになるはずです。 

また、お客様を単なるビジネス上の存在ではなく、それ以上の存在であると考えることも重要です。すべてのビジネス関係の背景には、ビジネス上の幾多の浮き沈みを経験してきた 1 人の人間が存在します。特に、コミュニケーションを構成する際には、このことを念頭に置いてください。(共感する姿勢を忘れないでください)。

4 人の人とのビデオ通話に楽しそうに参加している女性。

健全な競争

オリンピック選手は、ビジネスにおける健全な競争を示す理想的なモデルです。銀メダリストの Bob Berland は、2021 年の Salesforce とのインタビューで次のように語っています。「競技スポーツ選手は競うことを好みます。営業も競争の激しい仕事であり、その競争は公認会計士として帳簿の監査をするよりもはるかに激しいものです。客先に出かけて行き、契約を取り、収益を得ます。商談を成立させること、それが勝利です。」

リーダーは、このような競争意識を育みながら、あつれきではなく、成長を促すものにする必要があります。

以下に、これを実現する方法をいくつか紹介します。

  • 四半期に一定数の商談を成立させるなど、具体的な目標を掲げた「目標レース」を開催します。目標を達成した各担当は表彰されます。楽しくて魅力的なものにするには、目に付く場所 (または Web サイト) にレースボードを作り、チームメンバーが自分のアバターを作成します。メンバーが定義された目標を達成すると、アバターをボードに沿って移動させます。特定のマイルストーンに到達したら、賞品がもらえます。他にも次のような楽しいアイデアがあります。
    • 無料の昼食
    • ドレスダウンデー
    • ギフトカード
    • 旅行クーポン券
  • 毎週または毎月の「お祝い」ミーティングを設け、チーム内で高い目標を達成したメンバーを評価します。達成した内容が売上に直接関係する必要はありません。専門能力開発の活動に最も努力した従業員や、チームのソーシャルイベントに最も参加した従業員も称賛の対象にすることができます。毎週、さまざまなミーティングを開催し、次回の「お祝いのカテゴリ」を早めに告知することで、従業員は気分を盛り上げることができます。
  • 少人数のグループを編成し、気軽に楽しめる競争を行います。チームには、四半期中にオンボーディングした顧客数、売上高、成立数などのカテゴリを競ってもらいます。ランキング表で記録を表示し、勝者には現金や賞品を贈呈します。次の四半期には、担当が組織内の他のメンバーと協力することを学べるように、チーム編成を変更します。

上記の方法は、職場で健全な競争を促し、功績に報いるためのほんの一例です。個々のチームメンバーに自己ベストを更新するよう奨励すると同時に、チームのことも応援してください。このような仲間意識自体が、楽しく、健全で、生産性の高い営業文化の構築に役立ちます。 

チームのランキング表の横でハイタッチをしている 2 人の女性 (そのうちの 1 人がランキング表の 1 位)。

これで、コラボレーションと強固な成長型マインドセットの文化を育むために必要となる基本的なツールを理解できました。健全で生産的な文化が構築され、どこにも負けない生産性、高い士気、ビジネスの成功への道を着実に進むことができます。

リソース

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