営業チームにインセンティブを設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 外発的なインセンティブと内発的なインセンティブの違いを理解する。
- 一般的なインセンティブとベストプラクティスについて説明する。
すべてにわたって 100% を達成するには、やる気のある営業担当であっても知識以上のものが必要です。そこで役に立つのがインセンティブです。インセンティブとは、人に特定の行動を起こさせるモチベーションを高めるものを言います。
外発的なインセンティブと内発的なインセンティブを使用する
営業組織のインセンティブの大半は、外発的なものの、つまり金銭、物質財のような有形物です。一方、達成感や、会社の文化に溶け込み、会社の目標とつながっているように思えるといった内発的なインセンティブもあります。どちらを使用してインセンティブプランを作成するべきでしょうか? KPI の場合と同じように、どちらも使用するべきです。
人は、内部と外部から同時にモチベーションを得ることができます。それだけでなく、そのような人は強力なパフォーマーとなる可能性が高いと言えます。
適切なインセンティブを見つける
営業リーダーと Sales Ops リーダーは、ビジネスが有意義な成長を遂げることができるようになる適切なインセンティブのバランスをしっかりと見つける必要があります。インセンティブパッケージが低すぎる場合、営業担当はうまくやる気を出してくれません。インセンティブが大きくても KPI が高ければ、営業担当がやる気を低下させてしまう可能性があります。非常に意欲的な個人でさえ、過度に高い目標によって燃え尽きてしまうことがあります。
以下に、インセンティブパッケージに含まれる一般的なインセンティブの例を紹介します。
現金のインセンティブまたはコミッション。業界問わず世界的に認められている営業担当のモチベーション要因です。ソフトウェア会社からハードウェア会社、サービス会社まで、どのような営業チームメンバーにも現金またはコミッション要素のインセンティブプランが用意されています。
物質財、または現金関連の品。有給休暇の追加、家庭用電化製品 (電話、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ)、家庭用品 (コーヒーメーカー、食品サブスクリプション)、費用が無料の旅行など。このようなものはすべて、堅固なインセンティブ構造の一部となり得る外発的報酬です。
社会的な評価。同僚からの称賛は、目標を達成するのと同じくらい満足感を得ることができます。社会的な評価は、商談成立を知らせるベルの音、チーム全体宛てのメールでの表彰、ランキング表などで行えます。協力的で、楽しくもある環境を作り出すと、チームメンバーの内発的な動機付けを強化できます。目標をまだ達成していない人にとって、他者が表彰を受けているのを目にすることが外発的な動機付けになることもあります。
インセンティブを多様化することも大切です。チームの幅広い人にアピールするのに役立つからです。営業担当に備わっている主な特性は同じですが、すべての人を同じように惹き付けるインセンティブはありません。
表彰の他の側面に注意する
大きな成果を上げた人を称賛することで本人の行動を強化できますが、こうした人々のモチベーションを高めることと、成果を上げていない人に恥ずかしい思いをさせてしまうことの微妙なバランスを考慮します。後者は絶対に避けなければなりません。他者が報われているのを目にすることで職場環境が改善し、営業チームのメンバーのやる気が高まるのと同じように、成果が低い人が公の場で恥ずかしい思いをさせられたり罰を与えられたりするのを目にすることは士気を低下させてしまいます。
誰かがあまり成果を上げていないことが明らかになった場合、その事実を巧みに伝え、可能であれば、成功するためのフィードバックや仕組みを提供するのはマネージャーの責任です。Sales Ops は成果が良くないチームメンバーが状況を好転できるようにするために、適切な KPI のセットを特定するサポートを頼まれることがあるかもしれません。
このような関与は、会社、目標、特定の状況によって異なります。とはいえ、最適なのは、どのような場合であれ、次の重要事項を覚えておくことです。
- ランキング表では、上位 5 ~ 10 位までのメンバーのみを表示します。少人数のチームの場合は、3 ~ 5 位までにすることを検討してください。
- 同様に、改善プランを伝える場合は、慎重に行ってください。多くの場合、情報は、影響を受けるチームメンバーとマネージャーのみに伝えるべきです。
最後に一言: 多様化
個人の集団として営業チームを評価することは重要ですが、それぞれにやる気をもたらすものは異なります。1 つのインセンティブが万人受けすることはほとんどありません。KPI とインセンティブのシステムを多様化し、相手の気持ちに寄り添ったマネジメントを行うことで、チームを成功に導くことができます。