営業業務エクセレンスを提供する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- プロセス改善とは何かを説明する。
- 効率の良いプロセスと悪いプロセスを区別する。
- プロセス改善を営業の生産性に結びつける。
営業業務チームは、プロセスの変更を特定して促進する方法と、承諾を得て採用を実現するためにさまざまなチームと連携する方法の両方において、効率化の達人になることを目指しています。このモジュールでは、これをどのように実現していくのかについて説明します。
プロセス改善とは?
プロセス改善とは、ビジネスにおける既存のプロセスを特定して簡素化するためのベストプラクティスとステップのセットです。目標は生産性を向上させることです。つまり、収益の増加、効率性の向上、チームの満足度の向上、またはこの 3 つのうちでいずれかの組み合わせを達成するということです。
プロセス改善は次の 5 つのステップで構成されています。
- 問題や課題を診断する。
- それに対処するためのツールが必要かどうかを特定する。
- 新しいプロセスを提案する。
- ユーザーのサブセットでテストする。
- より大きなチームにロールアウトする。
上記のステップは単純でわかりやすいステップと言えるでしょう。ですが、各ステップ内では、営業業務担当者は特定のスキルとベストプラクティスのセットを使用して、効率化を図ります。
ケーススタディ: 成長中の Get Cloudy Consulting
次の例では、上記のステップが実際にどのように展開されるのかを紹介します。
Get Cloudy Consulting は、あらゆる業界の企業にデジタルトランスフォーメーションを提供することに注力しているコンサルティング会社です。Get Cloudy Consulting はグローバルに拡大しているため、自らもデジタルトランスフォーメーションを行っています。同社には既存の商談予約プロセスがありますが、営業業務部門はそのプロセスが非効率的であると認識しています。
営業業務部門は、商談予約プロセスを開発するためにあるのではなく、存在する非効率性を特定するためにあることを忘れないでください。診断フェーズ (1) では、営業業務部門は営業チームのメンバーが何に不満を持っているのか、またどのような関連作業を手作業で行っているのかを把握します。
営業業務部門は、多くのチームメンバーとジョブシャドウイングと面談を行い、次の 3 つの問題点を特定しました。
- 営業チームと財務チームは、CRM、Salesforce、コンサルティング業務の提供を追跡するスプレッドシートの間で画面をいちいち切り替えている (画面を切り替える余計な手間がかかっている)。商談の規模が大きくなり、内容も複雑になってきているため、この切り替えに以前よりも時間がかかるようになっている。
- その結果、システム間でデータをクリーンに保つことも難しくなっており、ついには、顧客からの問い合わせや契約に関する質問への応対方法にも影響が出ている。
- 現在のプロセスが正常に機能しているという確信が持てない (士気が下がる可能性がある)。
次のステップは、プロセスを改善するための計画を決定することです。これには、「Sales Ops Processes and Technology (営業業務のプロセスとテクノロジー)」で学習したツールのいずれかを採用することが含まれる場合もあります (2)。ここでは、営業業務部門はコンサルティング業務の追跡と自動化には、正式なエンタープライズリソースプランニング (ERP) システムが不可欠であると判断しました。営業業務部門は、IT 部門と協力して、Salesforce 上に新しいアプリケーションを構築するのが適切か、それともすぐに使用できる ERP を購入した方が合理的なのかを検討します。事態は急速に進展しているため、営業業務部門は、MuleSoft で公開されている API を使用してカスタマイズ可能かつ簡単に統合できる市販の ERP を選択しました。
計画が決まったら、営業業務部門は新しいシステムとプロセスを営業チームと財務チームの少人数のメンバーでテストします。このメンバーはプレビューを行い、フィードバックを提供します (4)。最後に、営業業務部門は新しいプロセスを確立し、両方のチームに提示して最終的な賛同を得ます。
このステップを実行する最善の方法については、次の単元で詳しく説明します。
ここで注意すべき点は、プロセスの改善はチームから要求されることもありますが、営業業務担当者がこうした分野を独自に特定する方が多いということです。
危険信号
良いプロセスと悪いプロセスの違いは何でしょうか? プロセスの更新が必要かどうかを評価する際には、いくつかの危険信号を見極める必要があります。
- 手作業 — 人による入力であり、エラーが発生する可能性が最も高い。
- 回避 — ユーザーがプロセスのステップをスキップ、回避、妨害、または無視する。
- 信頼の欠如 — ユーザーがデータの正当性に疑問を持ち、修正の必要性を感じることがある。
全体的な見直しが必要な場合もありますが、多くの場合、微調整や単一のステップに起因する非効率な部分に焦点を当てることで、プロセスを改善できます。
プロセスとツールを営業計画に取り入れる
では、どのようにすれば営業チームがより多くの収益を上げることができるのでしょうか?
プロセスを改善することにより、次の 3 つの方法で営業活動が改善され、ひいては収益向上につながります。
- 手作業や管理タスクに費やす時間が減ると、販売活動に費やす時間が増える。
- 営業が適切なリソースを適切なタイミングでアクセスできると、購入者の体験がよりパーソナライズされて取引開始率が増加する。
- 営業タスクが自動化されると、営業業務チームは営業プロセスの最適化と上記の利点のサポートにより多くの時間を費やすことができる。
今後の展開
営業業務チームが機能的であることの主な利点は、効率的なセールスプロセスを構築し、採用し、実行できることです。次の単元では、マーケティング、財務、営業のニーズによって、営業業務部門がプロセス変更を提示する方法にどのような影響があり、どのような利点がもたらされるのかを見ていきます。