Sales Ops とセールステクノロジーについて理解する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 一般的なセールステクノロジーの特徴を理解する。
- このテクノロジーの評価、実装、採用におけるセールスオペレーションの役割を説明する。
セールスオペレーション (Sales Ops: Sales Operations) が担う責任の多くは、会社のセールステクノロジースタック (テックスタック) に直接関連するものです。セールステックスタックとは、特定の営業チームが使用するすべてのソフトウェアのことです。(マーケティングチームが使用するソフトウェアツールはマーテックスタックと呼ばれます。特定の財務チームが使用するすべてのテクノロジーのコレクションは何というかわかりますか?)
テクノロジーの管理人
重要なテクノロジーを監督する専任の Sales Ops チームがないと、新しいツールのメンテナンスや追加で予期しない結果になることがあります。
- 不明確なプロセス
- 疲弊した IT 部門
- 効率的ではないワークフロー
- サイロ化されたチーム
営業機能やビジネス機能の管理に使用可能なテクノロジーの数は増え続けているため、企業はその採用のガイド役を Sales Ops に任せています。Sales Ops のサポートがあっても、ツールの選定が適切でないと、チームが時間とコストのかかる実装サイクルに忙殺されることになりかねません。
営業チームの日々の業務にこうしたツールを効果的にデプロイできるかどうかは、結局、採用次第です。これについては後ほど詳しく説明します。
一般的なセールステクノロジー
すべての会社がこうしたツールをすべて使用しているわけではありませんが、多くはセールステックスタックの一部として次のツールを組み合わせています。
セールスツール |
目的 |
---|---|
カスタマーリレーション管理 (CRM) |
会社の顧客および見込み客との関係ややりとりを管理するテクノロジー (Salesforce など)。 |
エンタープライズリソースプランニング (ERP) |
ビジネスリソース (現金、原材料、生産能力) とビジネス上のコミットメント (注文や、製造、購買、営業、会計などさまざまな部門の給与など) の状況を追跡します。 |
セールスコンペンセーション |
コミッションとインセンティブプランの会計処理と管理を自動化するテクノロジー。 |
メール追跡 & 記録 |
送信された営業メールごとに活動データをログに記録し、自動的に CRM と同期するツール。 |
電子署名 |
提案書、作業指示書 (SOW)、契約書などのドキュメント署名プロセスを自動化します。 |
サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) |
企業がアプリケーションを開発、実行、管理できるようにする、クラウドコンピューティングサービスのカテゴリ。 |
データ視覚化 |
テキストベースのデータをチャートやグラフなどの視覚表現に変換してパターン、トレンド、相関を把握しやすくします。 |
データ強化 |
未加工データの拡張、精緻化、改良を行うツール。たとえば、データ強化ツールには、数百万社の企業の業種および年間売上データを保有するものがあります。このデータを取引先レコードに追加して、よりスマートなテリトリープランニングをサポートできます。 |
コンテンツ管理システム (CMS) |
Web サイトに公開するデジタルコンテンツをユーザーが作成、管理、変更できるソフトウェア。 |
マーケティングオートメーションソフトウェア* |
メール、ソーシャルメディア、Web サイトアクションなど、マーケティング活動を自動化するテクノロジー。 * これはセールスツールではありませんが、Sales Ops による理解と監督が重要になります。 |
セールステックスタックを管理する
営業チームに必要な機能やプロセスをすべて処理できるツールはありません。したがって、新しいツールを評価するときにまず考慮すべきことは互換性とインテグレーションです。これは口で言うほど簡単ではありません。
「Sales Operations Basics (セールスオペレーションの基本)」モジュールで、営業チームはマーケティング資料を取得する方法を改善する必要がありました。Sales Ops は、営業マネジメント、マーケティング、IT と協力してよりよいコンテンツ管理システム、つまり、すべてのチームが同意し、CRM と統合できるシステムを実装しました。
ツールの実装後、Sales Ops は、営業チームが目的の業績を達成するのに役立つ使用基準を制定します。通常、こうした基準によってデータ品質や営業チームの生産性が向上し、何よりもコミッション支払が正確になります。
拡張できなければ成功できない
目下のシステム変更が何であっても、拡張性がセールスプロセスの成否を左右します。最適なシステムとプロセスは成長に (営業チームがリーンでローカルなグループからマトリックス型のおそらくグローバルな組織へと変わっても) 対応できます。拡張性は 2 つの要因によって決まります。
- プロセスのステップ数
- そのステップが手動か自動か
一般に、営業チームや Sales Ops が手動で行う活動に依存するプロセスの拡張性は高くありません。たとえば、5 人が Salesforce にデータを入力する必要がある場合、理想的ではないにしても、50 人のチームが Salesforce にデータを入力する場合より監督負担は小さくてすみます。
さらに、手動か自動かに関係なく、セールスプロセスのステップ数が多いほど、エラーが発生する確率は高くなります。端的に言うと、営業チームが最もよくサポートされ、実装後に必要となる経時的なメンテナンスが少なくなるのは自動プロセスです。
営業チームのテクノロジー採用に関するヒント
- 新しいツールを採用する理由が、営業面のニーズか、効率化ニーズか、役員からの直接要求かを考慮します。ニーズが常に一致するとは限らず、Sales Ops の責任で調整する必要があります。
- ベンダー選定プロセスには営業チームのメンバーを加えます。大抵は営業リーダーです。
- 主要な機能を変更したり、廃止したりする可能性がある場合は、透明性をもって営業チームに伝え、その正当性を証明する必要があります。
次の単元
セールステックスタックへの理解が深まったところで、次は営業チームとツールとの関係を詳細に見ていきましょう。新しいテクノロジーの社内採用を促進するためのベストプラクティスも共有します。