Sales Ops のビジネスチャンスについて学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Sales Ops の成功に必要な主要なスキルを挙げる。
- Sales Ops がいかに発展的かつ計画的な役割を担っているかを説明する。
スキルの独自の組み合わせ
Sales Ops プロフェッショナルはハード (テクニカル) スキルとソフト (対人) スキルを独自に組み合わせることができます。
ハードスキル
- データ分析
- 論理的推論
- 一般的な営業システムに関する知識
- システム思考
- 金融数学
ソフトスキル
- 明確なコミュニケーション
- 機密情報に対する思慮
- カスタマーサービス (お客様第一)
- 共感
前述のハードスキルであるシステム思考とは、システムを各部 (一連の関連する手動プロセスか統合ソフトウェアかを問わず) に分解して、分析や改善を行う能力のことを指します。営業チームの規模が拡大し、サードパーティベンダー (Salesforce など) が提供するソフトウェアツールを利用するようになった今、このスキルは非常に重要なものとなっています。ですが、このスキルを特定するのは最も困難なことの 1 つでもあります。このスキルは実際の状況下でテストするのが最も適しているため、Sales Ops の面接で見極めるのは困難です。
システム思考とは異なり、共感というソフトスキル要件は奇妙に感じるかもしれません。ですが、Sales Ops プロフェッショナルが営業、マーケティング、財務の担当者の視点に立って考えることで、ニーズに応じてビジネスの変化をより適切に調整し、業務上の透明性を維持できるようになります。
スキルを実証する
前の単元のイネーブルメントシナリオでは、前向きな変化をもたらすために Sales Ops チームが何を実行するかについて紹介しました。前述のスキルを使用することで、どのように適切な結果が達成されるのかを詳しく見てみましょう。
営業チームは、適切なマーケティングコンテンツを適切なタイミングで見つけることができず、困っていました。そこで、Sales Ops プロフェッショナルは、論理的推論とシステム思考を実践し、現在のシステムを評価しました。営業システムに関する知識も活用して、問題を解決してマーケティングコンテンツを営業活動により適切に結び付ける計画を立てました。
また、営業、イネーブルメント、マーケティングの各チームから賛同を得るときには、推奨事項を明確に伝え、なぜ推奨するシステムが組織にとって有益なのかについてビジネスプランを提供する必要がありました。さらに、共感のスキルを発揮して、このような変革には抵抗があることを理解し、営業チームだけでなく、マーケティングチームにとっての利点を見極め、定量化することにも時間をかけました。これで、営業チームは適切なコンテンツを必要なときに見つけることができ、システムの変更で面倒な業務が増えるのではなく、手順を省くことができるようになります。マーケティングコンテンツはリードと商談に明確に関連付けられ、キャンペーンのレポート作成もはるかに容易になります。さすがですね!
このシナリオは、Sales Ops プロフェッショナルが各自のキャリアを介して使用するすべてのスキルを網羅しているわけではありませんが、この役割がいかにダイナミックで、営業組織以外の人々とどのように連携するのかを示す良い例です。
計画的な役割
Sales Ops は、その対象範囲が広く、生産性とパフォーマンスの両方に影響を与えるため、成熟した営業組織では計画上不可欠な役割を担うようになっています。かつての Sales Ops は小規模で、責任も定まっておらず、手作業や管理業務に大きく依存していました。現在では、この Sales Ops が担う分野は、重点事項が明確に示され、テクノロジーに精通することで進化を遂げています。
現代の営業チームは、販売プロセスの円滑化において Sales Ops に信頼を寄せています。マーケティングチームは、労力をより効果的に収益に結び付けられるように Sales Ops に支えられ、経営陣は、これまで探索されていなかったデータから特別な意味合いのあるインサイトを取得することを任せています。
このような変化は、上記のハードスキルとソフトスキルをバランスよく備えたプロフェッショナルにとって大きなチャンスとなります。Sales Ops の役割が持つ各側面は、根気よく努力することで習得できます。
未来への一手
Sales Ops は今後どうなっていくのでしょうか? 機械学習や人工知能がより一般的になるにつれ、クラウドコンピューティングや営業活動自動化が登場したときと同様に、Sales Ops の役割もますますこういったブレークスルーと連動し合うものになります。Sales Ops は、複雑な学習アルゴリズムに入力されるデータを管理する役割を担い、Salesforce Einstein などの AI ツールの利用に影響を与えるようになっていきます。というのも、AI は、リードのスコアリングを改善したり、履歴データに基づいて価格設定を最適化したり、営業パフォーマンスの微妙な違いを把握したりすることで、営業チームの販売方法を変えつつあるからです。