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売上予測を始める

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 売上予測とは何か、パイプラインとどう違うのかを説明する。
  • 売上予測の主な関係者を挙げ、プロセスのベストプラクティスを特定する。

売上予測とは?

ビジネス経営に携わっている方ならば、どのくらいの収入が見込めるか見当がつくものと思われます。1 つまたは複数のスプレッドシートで数値を追跡しているかもしれません。ただし、売上予測はプロセスであるため、静的なスプレッドシートでは計り知れないことが多々あります。販売状況の追跡はビジネスを把握するための手段で、商談の分析、目標に対する売上高の測定、商談が営業サイクルを進行したときの調整、営業担当へのコーチングなどを行います。 

ビジネスの把握の詳細に進む前に、売上予測が全般的なパイプラインとどのように異なるのか明確にしておきましょう。 

  • パイプラインは、営業チームが取り組んでいる進行中のすべての商談で、営業サイクルのどのフェーズかは問いません。ビジネスは商品やサービスの商談を生み出すことで存続していきます。
  • 売上予測は、成立した商談と一定期間内 (1 か月、1 四半期、 1 年、カスタム期間など) に成立することが期待されるパイプライン内の商談に基づく収益の推定値です。

全体を表すパイプラインがなければ、売り込む相手も売上予測も存在しません。実際どのくらいの収益が見込まれるかに的を絞った売上予測は、ビジネス判断で重要な役割を果たします。売上予測に自信があれば、採用や予算など、さまざまな判断の指針にすることができます。

ご想像のとおり、このモジュールでは信頼のおける売上予測を提示できるようにします。Salesforce で売上予測を行っているお客様は、売上予測の精度が 28% 向上し、商談の迅速な成立を実感しています。Sales Cloud で使用可能な売上予測機能には必要なツールが装備され、リアルタイムのデータを操作できます。Salesforce の柔軟性と高度な機能を活用すれば、ビジネスの売上予測をカスタマイズし、成立率を分析して、課題を特定し、営業チーム全体のトレンドを確認できます。更に、AI を駆使して将来に対する詳細なインサイトを得ることもできます。

適切なツールを導入すれば、売上予測を生成できるわけではありません。確実な予測を行うためには人材とプロセスも必要です。では、売上予測を構成する要素を見ていきましょう。

売上予測に関与する人々とロール

ビジネスごとに独自のセールス所有者が存在しますが、会社の規模、構造、業界によってそれぞれ異なるものと思われます。以下のロールは、一般に営業チームの売上予測プロセスに関与する人々の例です。

ロール 

説明

主な基準

営業担当

一般従業員で、通常は商談所有者です。営業担当は、売上予測期間に商談からどのくらいの収益が見込まれると思うかを各自のマネージャーに伝えます。場合によっては、営業担当が各自の達成予測値を決めることがあります。

本人の達成予測、売上予測登録、積み上げ集計 

営業マネージャー/売上予測マネージャー

営業担当グループの売上予測を所有するマネージャーです。営業担当から商談に関する情報を収集し、売上予測を調整して、極めて正確な売上予測値を営業リーダーに報告します。

  • チーム、商品品目、テリトリー別に積み上げ集計された売上予測の金額または数量
  • 売上予測の精度
  • チームの目標達成率

営業エグゼクティブ

数人の営業マネージャーを統率するリーダーで、通常は特定の商品、サービス、テリトリーを担当します。営業ロールや財務の上級 VP などがこのロールに該当し、広範に及ぶ数値を考慮して、ビジネス全体の売上予測を分析します。

ビジネス全体の売上予測収益や売上予測数量

他のグループや業務ロールも営業チームによる売上予測を活用します。商品開発やマーケティングの担当者は、現在、過去、未来の売上予測値を参考に、商品の実現可能性を判断したり、会社のソリューションに対する関心を高めたりします。人事担当も売上予測を利用して、採用活動計画を立てます。正確な売上予測はビジネス全体の重要な指標になります。 

売上予測プロセスのベストプラクティス

正確な売上予測に関与する人々や必要とする人々がわかりました。ところで、プロセスはどうでしょうか? データを最新の状態に保つこと、定期的に見直すこと、パフォーマンスを分析することはすべて売上予測プロセスを成功させるための要素です。 

土台を築く

売上予測計画を立てるときはまず、目的の市場に対応するために会社がどのように組織化されているか、各グループが知りたいことは何かを検討します。

  • 営業チームがどのように編成されているか判断します。地域別、商品別、業種別、それ以外かを確認します。会社がどのように組織化されているかがわかれば、各部署の人々に売上予測を行うために必要な情報があるかどうかを確認しやすくなります。
  • 自分が何を知りたいのか認識します。ビジネス目標を明確にし、売上予測を行うときに収集するメトリクスを定義します。たとえば、収益、利益率、販売個数、あるいはその組み合わせを予測するのか、ビジネスに固有の他のメトリクスを予測するのかを検討します。必要とする情報を得るためのデータが Salesforce に存在することを確認します。
  • データを最新の状態に保ちます。売上予測の良し悪しは、取り込むデータによって決まります。Salesforce のデータを最新の状態に維持するためのガイドラインを定め、厳格に適用します。また、営業チームの全員が、商談を営業サイクルの次のフェーズに進めるための条件を認識できるようにします。たとえば、商談を達成予測とし、成立の可能性が高いとみなすためには、社内の承認を取り付け、価格設定契約を交わしていることを条件にします。商談に対するある営業担当の自信の程度が、別の担当者とは異なることがあります。直感を頼るのもよいですが、直感を唯一の指針にして売上予測を歪めることがないようにします。

確認の頻度を定義する

毎週、全レベルの営業マネージャーがチームや現在の販売状況に関する各自の知識に基づいて、売上予測を確認して分析し、調整を行います。売上予測に Salesforce を使用している場合は、すべてのデータが 1 か所に集約されているため、全員が同じデータセットを使用して判断を下すことになります。各レベルの確認プロセスにおいて、そのマネージャーが把握している過去のパフォーマンスや現在の販売要因に基づいて売上予測値が調整されます。調整により、達成のためにチームがすべきことが明確になりますが、商談金額が変わることはありません。必要に応じて、特定の商談を変更できます。

売上予測の週次確認スケジュールの例

頻繁に測定して分析する

当てにならない天気予報と同様に、当てにならない売上予測によって計画が台無しになることがあります! ですから、売上予測の経時的な精度とトレンドを分析することが重要です。

売上予測が正確な場合は、コーチングが必要な状況や計画の変更が必要な状況に関する貴重なインサイトを得ることができます。また、商品の需要が予測不能な状況に直面したことが判明し、短期的あるいは長期的な変更が必要になることがあるかもしれません。あるいは、事態が好転して売上が予測を上回り、需要が増大する可能性もあります! いずれにせよ、売上予測から今後何が起こるかを予見することができます。 

次は、各自のビジネスプロセスに合わせて Salesforce を設定し、営業チームが売上予測を行えるようにする方法を見ていきます。

リソース

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