行き詰まった商談の識別
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 営業サイクルで進行していない商談を見つけることが重要な理由を説明する。
- 行き詰まった商談を識別するためのレポートとダッシュボードを作成する。
はじめに
営業チームは、新しいリードを見つけて、迅速に商談を成立させる方法を常に探しています。ところが多くの場合、平均的なセールスパイプラインの約 10 ~ 15% を停滞している商談が占めていることがわかっています。このような停滞している商談は、営業チームのパフォーマンスに悪影響を及ぼします。ただし、数ステップの簡単な手順で、チームがこれらの商談が進行していない理由についてインサイトを得て、商談を再び軌道に乗せることを支援できます。
このモジュールでは、次の操作を実行します。
- 停滞している商談を識別するためのカスタムレポートを作成する。
- 停滞している商談を把握するためのダッシュボードコンポーネントを追加する。
では始めましょう
すでに他の Trailhead バッジを獲得している場合は、個人用の Trailhead Playground を使用することに慣れているでしょう。このモジュールでは、少し違う方法を使用します。
会社の本番組織を使用することをお勧めします。レポートとダッシュボードを作成するだけですので、会社の組織で新しいレポートやダッシュボードコンポーネントを作成するのと同様にここでの手順を実行しても全く問題ありません。レポートは、ユーザーにリリースする準備が整うまでは非公開フォルダーに置いておくことができます。
必要に応じて、無料の Trailhead Playground を使用して手順を実行することもできます。
準備
ステップごとの手順を始める前に、やっておく必要がある重要なことが 1 つあります。 作成するレポートは、商談の [フェーズ滞在期間] という項目を対象としています。この項目は、商談が営業サイクルの現在のフェーズにいる長さを追跡します。多くの会社には、セールスプロセスの一部として、許容できるフェーズ滞在時間についてのルールがあります。フェーズ滞在時間はさまざまです。セールスプロセスが非常に長く複雑な組織もあれば、営業サイクルが合理化されている組織もあります。次のステップに取り組む前に、営業リーダーと協力してビジネスに適したフェーズ滞在期間を決定します。
停滞商談レポートの作成
停滞している商談を識別するために最初に行うのは、カスタムレポートを作成することです。手順は次のとおりです。
-
をクリックしてセールスアプリケーションを選択します。
- ナビゲーションバーの [レポート] をクリックします。
-
[New Report (新規レポート)] をクリックします。
- テキストボックスに
opportunities
(商談) と入力し、レポートタイプ選択ポップアップで [Opportunities (商談)] を選択します。
-
[Continue (続行)] をクリックします。
- レポートプレビューが読み込まれたら、[アウトライン] をクリックします。レポートから不要な列をいくつか削除しましょう。リスト内の次の項目の横にある [x] をクリックして、項目をこのレポートから削除します。
- Owner Role (所有者 ロール)
- Fiscal Period (会計期間)
- Expected Revenue (期待収益)
- Probability (確度)
- Created Date (作成日)
- Lead Source (リードソース)
- Type (種別)
- [フェーズ滞在期間] 項目の新しい列を追加しましょう。[Add column... (列を追加...)] をクリックし、テキストボックスに
duration
(滞在期間) と入力します。[フェーズ滞在期間] を選択してレポートに追加します。
- レポートプレビューペインで、右端までスクロールし、[Stage Duration (フェーズ滞在期間)] 列ヘッダーの横にある をクリックします。[集計] を選択し、[合計] を選択解除します。
- レポートプレビューペインで、[Amount (金額)] 列を見つけて、[Amount (金額)] 列ヘッダーの隣にある をクリックします。[集計] を選択し、[合計] を選択します。
- 次に、[行をグループ化] の下にある [グループを追加] をクリックします。テキストボックスに
owner
(所有者) と入力し、[Opportunity Owner (商談所有者)] を選択して、レポートをグループ化します。
- もう一度、[行をグループ化] の下にある [グループを追加] をクリックして、2 つ目のグループを追加します。テキストボックスに
stage
(フェーズ) と入力し、[Stage (フェーズ)] を選択して、レポートをグループ化します。
-
[Filters (検索条件)] をクリックします。
-
[Close Date (完了予定日)] をクリックし、[Range (範囲)] 選択リストを [All Time (常時)] に変更します。[Apply (適用)] をクリックします。
次に、[Stage Duration (フェーズ滞在期間)] 項目に関する条件を作成します。この例では、次の表のフェーズ滞在期間のしきい値を使用します。
フェーズ |
フェーズ滞在期間のしきい値 (日数) |
---|---|
評価 |
30 |
ディスカバリー |
45 |
提案/見積 |
15 |
交渉 |
30 |
-
[Add Filter (検索条件を追加)] をクリックします。テキストボックスに
Stage
(フェーズ) と入力し、[Stage (フェーズ)] を選択します。
- [Operator (演算子)]は [Equals (次の文字列と一致する)] のままにして、[値] に [評価] を選択します。[Apply (適用)] をクリックします。
-
[Add Filter (検索条件を追加)] をクリックし、テキストボックスに
Stage
(フェーズ) と入力します。[Stage Duration (フェーズ滞在期間)] を選択します。
- 検索条件の [Operator (演算子)]を [>] に設定し、[値] に「30」と入力します。[Apply (適用)] をクリックします。
- 商談フェーズとしきい値 (上記参照) のそれぞれについて、ステップ 1 ~ 4 を繰り返します。
上記の例では、完了すると次のようになります。
次に、カスタム検索条件ロジックを次のように追加しましょう。
- [Filters (条件)] の横にある をクリックし、[Add Filter Logic (検索条件ロジックを追加)] を選択します。
- [検索条件ロジックを編集] テキストボックスで、デフォルト値の「1 AND 2 AND 3 AND 4 AND 5 AND 6 AND 7 AND 8」を次のように変更します。
(1 AND 2) OR (3 AND 4) OR (5 AND 6)OR (7 AND 8)
-
[Apply (適用)] をクリックします。
-
[Save & Run (保存 & 実行)] をクリックします。
- レポートに
Stuck Opportunities
(停滞商談) という名前を付け、今は非公開レポートフォルダーに保存します。
次に、このレポートにグラフを追加して、営業担当あたりの停滞商談の金額を視覚化しましょう。手順は次のとおりです。
- [Stuck Opportunities (停滞商談)] レポートが開いた状態で、[Edit (編集)] をクリックします。
- [Add Chart (グラフを追加)] をクリックします。
-
をクリックしてグラフのプロパティを開きます。グラフの種類に [積み上げ横棒] を選択します。
- [X 軸] が [金額合計] に設定されていて、[積み上げ基準] が [フェーズ] に設定されていることを確認します。
-
をクリックし、グラフエディターを閉じます。
-
[Save & Run (保存 & 実行)] をクリックします。
このレポートのグラフの例は次のようになります。使用している組織の商談データと設定したフェーズ滞在期間のしきい値に応じて、見た目は異なります。
定義したしきい値に基づくと、450 万ドル分の商談が停滞していることになります。何ということでしょう! 営業チームは対策を取る必要があります。
この基本的なレポートを設定できたら、営業マネージャーと一緒にレビューを行って、意見をもらいます。フェーズのしきい値は適切でしょうか? 不足しているものはないでしょうか? 必要に応じて、フィードバックを取り入れてレポートを調整します。レポートをリリースする準備が整ったら、営業チームがアクセスできるフォルダーにレポートを移動する必要があります。手順は次のとおりです。
- レポートの [Edit (編集)] をクリックし、[Save (保存)] ボタンの横にある をクリックします。[プロパティ] を選択します。
-
[フォルダーを選択] をクリックし、[Stuck Opportunities (停滞商談)] レポートを保存する新しいフォルダーを選択します。 営業チームがアクセスできるフォルダーを選択してください。
-
[Save (保存)] をクリックします。
リソース
Lightning Experience でのレポートの作成 — Salesforce ヘルプ記事
Lightning Experience のレポートおよびダッシュボード (Trailhead モジュール)