販売計画のライフサイクルを管理する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• 有効な販売計画を変更する。
• 販売計画を更新する。
• 販売計画の値をまとめて変更する。
• 販売計画のライフサイクルについて説明する。

簡単に変更する

週 1 回のミーティングで Vance は Paula からいくつかの変更点を伝えられました。 

• Acme Partner は来月から、全商品の計画数を 10% 増やしたいと考えている。市場が拡大し、商品が収益を上げている。
• Paula はまた、Compactor 8000 の販売価格の引き下げについて Vance と交渉することを望んでいる。この商品は市場に多数の競合他社が存在するため、Rayler Parts は競争力のある価格を提示する必要がある。そのため、販売価格を下げてみて、その売れ行きに応じて最終価格を決めることにする。
• Acme Partner は Rayler Parts が最近 Hammer H500 商品ラインで発売した新しい Hammer H500 Ultra 商品のことを認識している。この商品は元の計画には含まれていないが、Acme は試しに来月から 10 単位を購入したいと考えている。

Vance はマネージャーの Elliott に、契約上の計画数と価格設定の要件について報告します。

有効な計画の複数の値を更新する

Elliott は、価格に関する Acme の要望は長期的に見れば Rayler Parts のビジネスにとって悪い話ではないとし、価格設定に応じられることを Vance に伝えます。Elliott はまた、今後数か月の計画量の増大に Rayler Parts が対応できることを供給マネージャーの Cathy Takahashi に確認を取ります。対象商品には十分な在庫があり、約束した期間内に追加分を製造可能ということです。 

安堵した Elliott は、有効な販売計画を次のように変更するよう Vance に指示します。

• すべてのスケジュールを対象に、全商品の計画数の値を変更する。
• 最後の 2 回のスケジュールを対象に、Compactor 8000 の販売価格を $6,500 から $6,200 に変更する。

ここで Vance には 2 つの選択肢があります。個別のセルの値を更新するか、複数の行や列にまたがるセルの値をまとめて更新するかのいずれかです。この 2 つは目的が異なるため、この両方を実行することにします。

• 複数のセルの値を一定の方法で変更する場合は、一括更新を実行します。
• 複数のセルを異なる方法で更新する必要がある場合は、個別に編集します。

Vance はまず、すべてのスケジュールを対象に、全商品の計画数を 10% 増やすことにします。

1. [Acme Partner Purchases (Acme Partner 購入)] 販売計画レコードページの [計画期間] タブで、[一括更新] をクリックします。
2. [商品] で、[すべての商品] を選択します。
3. [スケジュール] で、[すべてのスケジュール] を選択します。
4. [指標] で、[計画数] を選択します。
5. [アクション] で、[次の単位で増やす] を選択します。
6. [値] に 10 と入力します。
7. [% として適用] チェックボックスをオンにします。
8. [Save (保存)] をクリックします。

Vance はここで一旦手を止め、いくつかの優れた機能を確認します。[詳細] タブに戻ると、状況が自動的に [UnderRevision] になっています。次に [計画期間] タブで、グリッド内の編集済みのセルの をクリックすると、変更値との差や有効なバージョンの値が表示されます。更新されたすべてのセルに が表示されます。このアイコンは、そのセルの指標値が変更されたことを示すインジケーターです。更新に数分かかることがあり、アイコンを表示するためにページを更新しなければならないこともあります。

Manufacturing Cloud では、販売計画が改定中でも実績数が計算されます。最新の値を取得するために、[実績を再計算] をいつでもクリックできます。Vance は Acme Partner に販売した最新の実績数を計画に表示することを望んでいるため、販売計画を変更するたびに実績数を再計算します。

 Vance は続いて [一括更新] を使用して、最後の 2 回のスケジュールの Compactor 9000 の販売価格を変更します。選択する値は次のとおりです。

1. 商品: Compactor 8000
2. スケジュール: 現在のスケジュールを選択。
3. 指標: 販売価格
4. アクション: 次の単位で減らす
5. 値: 300

次に、Paula と議論したその他の要件に注意を向けます。その方法を見ていきましょう。

有効な販売計画を編集する

Vance は販売計画のスケジュール数を更新し、Hammer H500 Ultra 商品を販売計画に追加する必要があります。そんなことができるのか、と彼は思っています。というのも、以前、販売計画の管理に使用していたレガシー ERP システムでは計画が有効になって稼働開始した後には商品を追加または更新できなかった経験があるためです。

けれども、Manufacturing Cloud を使用すれば、計画が有効になった後でも Vance は柔軟に商品の追加、編集、または削除でさえ実行できます。彼は次の手順を実行します。

1. [Acme Partner Purchases (Acme Partner 購入)] レコードで、[販売計画商品] カードの をクリックします。[商品を追加] をクリックします。
2. 次の商品を探して選択します。
   1. Hammer H500 Ultra
3. [Next (次へ)] をクリックします。
4. リスト価格については、デフォルトで、販売計画に関連付けられた価格表から [リスト] 項目と [販売価格] 項目の両方に入力されます。[販売価格] 列で価格を調整する場合は、項目をクリックし、単位あたりの新しい販売価格に更新します。
   1. Hammer H500 Ultra:$580
5. 各商品の初回合計数量に 60 と入力します (この数量が各回のスケジュールに均等に振り分けられます)。
   
   Paula は各月に 10 単位を希望していて、期間が 6 か月間であるため、Vance は 60 単位の数量を追加します。
6. [Save (保存)] をクリックします。

[計画期間] タブに Hammer H500 Ultra のスケジュールとデータが追加されます。販売計画の状況が [UnderRevision] に変わります。販売計画が [UnderRevision] 状況になると、販売計画のヘッダーに [すべての商品]、[編集されている商品]、[最近追加した商品] の 3 つのビューオプションが表示されます。[編集されている商品] ビューでは、計画が最初に有効化された後にインラインセル編集または一括更新によって値が変更されたすべての商品が表示され、[最近追加した商品] ビューでは、計画が有効化された後に追加された新しい商品のみが表示されます。

この時点で Vance は自分の最新の変更を承認できます。 

1. [詳細] タブの [状況] 項目で、[UnderRevision] を [承認済み] に変更します。
2. [Save (保存)] をクリックします。

承認すると、状況が自動的に [有効] になり、[契約期間] グリッドの値が更新されます。却下した場合は、状況が自動的に [有効] になりますが、編集した値が破棄されます。Vance の場合は、計画が [有効] になり、これで Acme Partner の変更後の要件を満たすことができます。

計画を更新する

Vance の迅速な対応に感心した Acme Partner が、既存の販売計画を更新して 10 か月延長することにしました。

販売計画は、その状況が [有効]、[UnderRevision]、[期限切れ] の場合に更新できます。状況が [ドラフト]、[承認済み]、[キャンセル済み] の場合は計画を更新できません。Cindy は販売計画を有効期限の 240 日前から更新できるように販売期間を設定してあります。そのため、たとえば販売計画が 2020 年 1 月 20 日に有効になり、有効期限が 2021 年 7 月 20 日である場合、取引先マネージャーは 2021 年 1 月 20 日から更新できます。

Acme Partner の販売計画を更新するために、Vance が実行する手順は次のとおりです。

1. 販売計画のヘッダーの をクリックして、[更新] を選択します。
2. 更新先の販売計画の名前を入力します。
3. 月間、四半期、年間の販売計画を更新する場合は、開始日を選択する必要があります。[開始日] に、現行の販売計画の終了日を入力します。空白期間が生じないようにします。
4. [Save (保存)] をクリックして変更内容を保存します。
5. [詳細] タブの [更新情報] セクションに移動します。
6. [更新元の販売計画] をクリックして、元の計画に戻ります。

使用開始から更新まで

Vance が Manufacturing Cloud の販売計画を使用して Acme Partner という取引先にうまく対処したことに Elliott はすっかり感心しています。そこで、会社で販売計画を使用した場合にどのようなことができるかを Rayler Parts の上級アカウントエグゼクティブにも知ってもらいたいと思い、Vance に販売計画のライフサイクルの概要を説明するよう依頼しました。

Vance は販売計画のライフサイクルを表すグラフィックを紹介します。

さらに、各フェーズで追跡可能な値を記した表も提示します。

計画を使用して問題を解決する

Rayler Parts では、販売計画を使用して一般的な問題を解決しています。以前は、長期的な交渉を分断されたシステムやスプレッドシートで管理していました。そのため、Vance やチームが数回のスケジュール後に、予定されていた注文が一気に処理されたことに気づき、販売目標を達成したのかどうかがわからなくなることがありました。製造チームや Vance のような取引先マネージャーは、目標を引き下げるか、十分な在庫があることを祈るしかありませんでした。当てになる正確なデータがなかったためです。 

Manufacturing Cloud の導入により、新規のお客様をターゲットにすべきか、現在の計画を継続すべきかを営業チームが判断できるようになりました。販売計画を使用する Rayler Parts では、パートナーやお客様が契約を遵守しているかどうかを確認し、そのランレートビジネスを効率的に管理できます。 

次は、販売予測が果たす役割について見ていきます。