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収益成果を高めるプランを立てる

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 会社の収益に影響を及ぼす各種のメトリクスを認識する。
  • メトリクスを参考に、イネーブルメントプログラムを調整する方法を説明する。

収益成果に影響を及ぼすメトリクスの種別

営業組織は概して、会社の収益に影響を及ぼす次の具体的なメトリクスの数値の向上に取り組みます。

  • 準備期間
  • 成立率
  • サイクル期間
  • 商談規模

準備期間

前の単元で Cloud Kicks の営業マネージャーである Jose Figueroa が、「準備期間」メトリクスに対処するためにイネーブルメントプログラムを改善する効率的なモデルを考案しました。営業担当の Candace Evans はイネーブルメントのコンテンツに手間取り、期間内に完了できませんでした。コンテンツの不備により、Candace は電話をかけて商談を開始することができず、したがって、Cloud Kicks の収益に直接影響する商談成立という目標に至ることができませんでした。そこで Jose は、具体的なメトリクスを向上させる目的でイネーブルメントプログラムを変更することを提案しました。

ここでは、収益成果に影響を及ぼす他のメトリクスに Jose のモデルをどのように適用できるかを示す例を見ていきます。

成立率

会社のセールスモデルで 15% の成立率 (商談の 15% を成立させる) が期待されているとします。けれども、営業組織は苦戦しており、成立率が 10% に留まっています。成立率を引き上げるにはどうすれば良いでしょうか? あなたは、営業担当が適切な人物と話をしていないのではないかと推察します。例として、小売業に連絡を入れた営業担当が、契約の決定権を有する人物と話をしていない可能性があります。そこで、イネーブルメントプログラムを調整して、営業担当が見込み客の組織図で適切なロールを特定する方法に関するコンテンツに取り組めるようにしたいと考えます。

モデルでこのメトリクスのプログラムを次のとおり定義します。

プログラムの要素

達成すべき目標

達成した成果を Salesforce で測定する方法

成果

営業担当が成立率を 10% から 15% に引き上げる。

現在ある商談で成立率 15% に相当する成立件数を数える (例: 50 件の商談であれば 8 件成立)。

マイルストーン

営業担当が意思決定者とのミーティングを 20 件予約する。

ユーザーが適切なロールの取引先責任者への営業訪問としてスケジュールした行動件数を数える。

課題

営業担当が、意志決定者を特定する方法について説明するコンテンツを完了する。

担当者に関連するコンテンツをすべて完了することを義務付ける。

サイクル期間

営業組織が商談を成立させるのに概ね 75 日前後かかっているとします。けれども、商談の平均規模を踏まえると、目標とする利益率を達成するためには、営業担当が 60 日以内に成立させることが期待されます。営業担当は十分な商談を創出し、十分な商談を成立させていることから、営業担当がパイプラインの中盤の活動をうまく遂行できていないのではないかと推察します。そこで、イネーブルメントプログラムを調整して、営業担当が商談のスピーディな遂行に関するコンテンツに取り組んで適用できるようにしたいと考えます。

サイクル期間を短縮するために、営業担当のイネーブルメントプログラムを調整します。

プログラムの要素

達成すべき目標

達成した成果を Salesforce で測定する方法

成果

営業担当が成立サイクルの平均日数を 75 日から 60 日に短縮する。

60 日以内に成立させた商談件数を数える。

マイルストーン

営業担当が商談成立前のパイプラインの中盤にある活動を改善する。

評価フェーズに要した期間が 30 日未満の商談件数を数える。

課題

営業担当が商談のスピーディな遂行について説明するコンテンツを完了する。

担当者に関連するコンテンツをすべて完了することを義務付ける。

商談規模

営業組織が効率的に業務を行っているが、商談の平均規模が極めて少額なため (5 万ドル未満)、目的とする利益率を達成できない場合はどうすれば良いでしょうか? ここでは、営業担当が頻繁に割引を適用し、商品の価値ではなく価格で競争していると推察します。そこで、イネーブルメントプログラムを調整して、価値ベースの販売 (パイプラインの全段階で見込み客が商品によってもたらされる価値を理解できるようにする) を優先したいと考えます。

このメトリクスを達成するためのモデルは、次のようになります。

プログラムの要素

達成すべき目標

達成した成果を Salesforce で測定する方法

成果

営業担当が商談の平均規模を拡大する。

成立価額が 5 万ドル超の商談を 5 件数える。

マイルストーン

営業担当が価値に基づいて販売する。

価値ベースのスクリプトと文言を使用した通話を数える。

課題

営業担当が価値ベースの販売について説明するコンテンツを完了する。

担当者にトレーニングコースを受講し、関連するコンテンツをすべて完了することを義務付ける。

調整と反復

上記のどの例も、まず改善させたい特定の収益成果に着目しています。そして、営業プログラムを調整して、目標とする成果を達成できるようにし、なぜその調整が行われたのかを営業担当が理解できるようにします。さらに、こうした成果が会社の収益に影響を及ぼすことから、営業担当にとっては成果を達成するモチベーションとなり、あなた自身も実施したプログラムの ROI を実証することができます。

成果、行動変容、コンテンツプランがそれぞれ具体的なメトリクスに関連付けられているため、調整がどのくらいうまくいっているかを確認することができます。営業プログラムの有効性に関するデータを収集でき、さらなる改善が可能になります。成果に想定した改善が見られない場合は、プログラムを繰り返し実施して収集したデータに基づいて原因を解明し、さらなる調整を検討します。

上記の商談規模の例で、営業担当がトレーニングセッションを完了して、習得度チェックにも合格し、割引について言及することなく 10 件の電話をこなしても、平均商談規模が拡大しないかもしれません。そのような場合は、平均商談規模が小さい理由の推察が正しくなかったと考え、別の行動調整を試してみることを検討します。このフレームワークは、結果に応じて対処する柔軟性を備え、ビジネス成果の達成に向けて新しい対策を立て直すためのインサイトを得ることができます。

前の単元では、Cloud Kicks がスプレッドシートを使用して、新任の営業担当に実施した営業プログラムを追跡していたことを説明しました。次の単元では、Jose が Salesforce プラットフォームの機能を活用して、上記のような成果ベースのイネーブルメントプログラムを実装して監視するところを見ていきます。

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