プログラムの結果、マイルストーン、課題を追加する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 結果とマイルストーンで、収益目標を促進する測定可能な活動をどのように追跡するか説明する。
- プログラムの結果やマイルストーンをサポートする課題のコンテンツを追加する方法を特定する。
結果とマイルストーンを測定する
イネーブルメントプログラムの真の強みは、具体的かつ測定可能な目標を設定できることです。先行の単元の例で結果とマイルストーンの目標を挙げましたが、その具体的かつ測定可能なデータが Salesforce に存在したことを覚えていますか? ここではその実装方法を説明します。
結果とマイルストーン
プログラムには通常、プログラムを進行中に達成すべき重要な事項を追跡するマイルストーンが複数設定されています。プログラムには結果も含まれます。これは追跡する最も重要な活動の最終的な状況で、プログラムの目標収益のメトリクスに対応付けられます。たとえば、プログラムの目標収益のメトリクスが「準備期間」の場合は、結果で指定した期間内の評価済みの商談件数を数えることが考えられます。評価済みの商談件数は、「準備期間」を評価する 1 つの手段であるためです。プログラムの進行過程には、「電話をかける」「メールを送信する」といった商談の評価に向けた漸進的なマイルストーンが含まれます。
プログラムビルダーでは、プログラムに具体的な結果が含まれるかどうかを切り替えることができます。
マイルストーンと同様に、プログラムの結果では組織に定義されている基準を参照します。基準では、ユーザーが実行し、結果の達成条件を満たす具体的な職務に関連した活動を追跡します。基準の定義方法についての詳細は、後ほど説明します。
マイルストーンに使用する基準と結果に使用する基準に機能的な違いはありません。ただし、次の理由から結果と他のマイルストーンを区別しておくことをお勧めします。
- ユーザーがプログラムの期間中すべてのマイルストーンと課題をすべて達成していても、会社の収益目標につながるプログラムの結果を常に意識できるようにするため。結果は大きな目標であり、マイルストーンはそれを追い求める過程だと考えてください。
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プログラムの進行状況を実施中に評価するため (マイルストーンの完了を追跡)、または終了時に評価するため (結果の完了を追跡)。マイルストーン評価は、本質的な理解を深めるためにさらにコーチングや強化が必要かどうかについてインサイトを提供する重要な指標になることがあります。結果評価は、プログラムの終了時にパターンを明らかにする遅行指標となることがあります。
Cloud Kicks の例では、Jose が営業担当の「準備期間」を改善するプログラムを作成しています。プログラムの結果として、Candace のような割り当てられた営業担当には、60 日以内に最初の商談を成立させることが求められます。割り当てられた営業担当が実際にこの結果を達成するかどうかを追跡するため、Jose は結果を基準に関連付ける必要があります。その基準に実際の活動を定義して結果の条件が達成されたかどうかを判定します。
結果が省略可能なのはなぜでしょうか? プログラムでは、最終的な結果に向けて積み上がる漸進的なマイルストーンではなく、複数の等しく重要なマイルストーンが強調されることがあります。このモジュールで結果の重要性については度々説明してきましたが、どのようにプログラムを作成してロールアウトするかはあなた次第です。
基準
プログラムの結果とマイルストーンの完了条件は、ToDo や商談といった Salesforce の特定のオブジェクトに基づきます。たとえば、「電話を 5 件かける」というマイルストーンにすることが考えられます。他方、基準では、電話をかけるときに数えられる ToDo オブジェクトの活動に関する具体的な基準を定義します。
- [Task Subtype (ToDo のサブ種別)] が [Call (電話)] に設定されている。
- [Task Subject (ToDo 件名)] に「電話」という語が必ず含まれている。
- [Task Status (ToDo の状況)] は必ず [Completed (完了)] に設定されている。
イネーブルメント管理者はプログラムビルダーでマイルストーンをプログラムに追加しますが、基準は別途管理します。[Enablement Programs (イネーブルメントプログラム)] ページで [Go to Enablement Measures (イネーブルメント基準に移動)] (1) をクリックするか、アプリケーションランチャー (2) で「Measures」(基準) を検索して、[Enablement Measures (イネーブルメント基準)] ページを開きます。組織の基準を表示して管理できるのはイネーブルメント管理者のみです。
プログラムのテンプレートに、出発点となる事前作成済みの基準がいくつか設定されています。事前作成済みの基準は [Enablement Measures (イネーブルメント基準)] ページから表示できます。基準が事前作成済みかどうかを判断するには、基準の説明を確認すると、基準が Salesforce によって提供されているかどうかがわかります。事前作成済みの基準がない場合は、Salesforce システム管理者に依頼して [Setup (設定)] から作成してもらいます。
また、カスタム基準を作成することも可能です。[New (新規)] をクリックすると、基準で組織のデータをどのように処理するかを定義して保存し、プレビューするためのワークフローにアクセスできます。基準を作成する際は、追跡する活動 (ToDo など) に対応するプライマリオブジェクトを指定しますが、レポートを作成する場合と同じように、関連オブジェクト、項目値、および検索条件ロジックを指定することで、対象のレコードをさらに絞り込むことができます。
複合結果およびマイルストーン
結果やマイルストーンで追跡したい仕事関連のすべての活動が、単一のプライマリオブジェクトで簡単にキャプチャできるわけではありません。いくつかの活動は、2 つのプライマリオブジェクトを追跡して、若干の計算が必要なほど複雑です。あるいは、同じオブジェクトを 2 つの異なる方法で評価する必要がある場合もあります。
たとえば、営業担当が合計 100 件の通話記録とミーティングの予約をマイルストーンとして設定したいとします。この場合には以下が必要になります。
- 通話の ToDo オブジェクトを追跡する 1 つの基準
- ミーティングの行動オブジェクトを追跡するもう 1 つの基準
- これら 2 つの基準の結果を加算するための計算ロジック
プログラムビルダーでは、プログラムの結果またはマイルストーンに対して最大 2 つの基準を選択し、それら 2 つの基準値について加算、除算、またはパーセンテージ計算のどれを実行するのかを指定できます。
別の例を示します。前の単元の成立率のシナリオを覚えていますか? このような収益メトリクスは、複合結果または複合マイルストーンで実装できます。1 つの基準で成立した商談を追跡し、別の基準で不成立となった商談を追跡して、前者の基準を後者で除算します。
成立率 = 成立した商談数/不成立となった商談数。
課題
成果ベースのイネーブルメントプログラムでももちろん、従来のイネーブルメントコンテンツを使用できます。実際のところ、会社に既存の動画、PDF、スライドデッキ、ホワイトペーパー、その他のリソースを再利用する可能性が高いものと思われます。イネーブルメント管理者がプログラムビルダーでプログラムに課題を追加したら、各課題の種別やコンテンツを指定できます。
課題種別 |
コンテンツソース |
---|---|
アクション項目 |
課題はオフラインの活動を指定するため、コンテンツは不要です。 |
音声録音 |
オーディオファイルへのリンク。 |
ドキュメント |
PDF、スライドデッキ、ホワイトペーパーなどのファイルへのリンク。 |
フィードバック依頼 |
次のいずれかが必要です。
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レッスン |
単語数、推定学習時間、主要概念を含むリッチテキスト。 |
スケジュール済みイベント |
Web セミナーやカンファレンスなどのイベントへのリンク。 |
Trailhead |
Salesforce が Trailhead に公開しているモジュールへのリンク。 |
動画 |
YouTube、Vidyard、Vimeo でホストされている動画への埋め込みリンク。 |
その他 |
他のリソースへのリンク。 |
デジタルエクスペリエンスのコンテンツ
リンク、動画、またはリッチテキストを使用する課題については、最初に Salesforce のデジタルエクスペリエンスアプリケーションを使用して課題のコンテンツを管理します。Enablement ライセンスには、デジタルエクスペリエンスアプリケーションの「イネーブルメント」というデフォルトのワークスペースが付属し、ここでプログラムに含めるコンテンツを設定します。
イネーブルメントワークスペースでコンテンツを管理するには、ワークスペースの寄稿者リストにあるコンテンツマネージャーロールがユーザーに割り当てられている必要があります。
イネーブルメントワークスペースで、音声録音、ドキュメント、スケジュール済みイベント、その他の課題には [リンク] コンテンツタイプ、レッスンの課題には [リッチテキスト] コンテンツタイプ、動画の課題には [動画] コンテンツタイプを使用します。[画像] コンテンツタイプを使用して、リッチテキストコンテンツで参照する画像を管理します。このデフォルトのイネーブルメントワークスペースは、コンテンツを追加する場合にのみ使用します。
フィードバック要求課題
フィードバック依頼課題種別には少し異なる機能があります。この課題はユーザーがリンクをクリックしたり、コンテンツを読んだりするだけではありません。セールスピッチの録音など、自分の仕事のサンプルを送信すると、同僚や上司からのフィードバックや、AI が生成した Einstein コーチからのフィードバックを受け取ることができます。
同僚や上司からのフィードバックを開始するには、Salesforce のシステム管理者がアンケートを有効にします。Enablement ライセンスには、フィードバック依頼課題に必要な、評価アンケートと呼ばれる特別なアンケート種別が付属しています。デフォルトのディスカバリーコール評価アンケートを確認してください。レビュー担当者が練習のセールスピッチについて営業担当を評価するための質問が用意されています。プログラムの課題では、練習のセールスピッチの録音など、独自の作業へのリンクを送信します。その後、アンケートに回答して、送信済みの作業を評価するレビュー担当者を選択します。送信されたフィードバックはプログラム内で見ることができます。
Einstein コーチを使用するには、別途 Einstein for Sales のライセンスが必要で、Salesforce のシステム管理者が Einstein コーチと Einstein 会話インサイト (ECI) を有効にする必要があります。プログラムの課題では、ビデオ通話をトランスクリプトと一緒に送信するとし、プログラム内で Einstein からのフィードバックをすぐに見ることができます。
プログラムビルダーの課題
デジタルエクスペリエンスコンテンツを保存して公開するか、評価アンケートを有効化すると、プログラムビルダーでプログラムに課題を追加するときにそのコンテンツを検索できます。
フィードバック要求課題では、同僚やマネージャーにフィードバックを求めるか、Einstein コーチを使用してフィードバックを生成するかを選択します。
まだコンテンツの設定やアンケートの作成を行っていなくても、ショートカットを使用してプログラムビルダーから直接作成できます。課題を追加する場合は、[Actions (アクション)] ドロップダウンボタン をクリックして、[New (新規)] を選択します。
Trailhead の課題
Trailhead 課題種別については、Trailhead に公開されているモジュールのみを参照できます。Trailhead の他のコンテンツタイプ (トレイル、Trailmix、プロジェクト、Superbadge) は参照できません。
次の単元では、イネーブルメント管理者がプログラムを公開してユーザーが選択できるようにし、ユーザーのプログラムの進行状況に関するレポートを作成する方法を見ていきます。