レポートとダッシュボードについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- レポートとダッシュボードとは何かを説明する。
- レポートとダッシュボードに誰がアクセスできるか特定する。
ビジネスの現況を知る
Salesforce を使用すれば、顧客データ、インタラクション、商談情報を管理できます。つまり、個々のスプレッドシートの情報を探し出したり、数値を手作業で分析しなくても、営業チームやビジネスの現況を把握できます。ビジネスデータがすべて 1 か所に集約されているため、Salesforce のレポートとダッシュボードを使用して損益の詳細を確認したり、リソースの投資先を見極めたりすることができます。
データ主導の判断を下す
直感によるビジネス判断が的を得ていることもあります。他方、データを使用して判断を下せば、常にビジネスにとってスマートな選択を行うことができます。
ここで、データを使用して回答を得ることができる質問例をご紹介します。
- 前四半期の収益はどのくらいか?
- 高額な商談で、営業サイクルで行き詰っているものはないか?
- 商談の平均規模はどのくらいか?
- 各営業チームの様子はどうか?
- 損益はどのように推移しているか?
- 売上を伸ばすにはどこに投資すればよいか?
ビジネスに関して上記以外にもさまざまな質問があるものと思われますが、各自のデータからインサイトや回答を得ることができます。
では、Salesforce のレポートとダッシュボードを使用して、ビジネスの現況を把握して分析する方法を見てみましょう。
レポートに表示される内容
最もシンプルな形態のレポートは、一連の条件を満たすデータをグループ化したものです (取引先や商談のグループなど)。まさに必要とするデータを取得するために、レポートのデータに絞り込み、グループ化、算術処理を実施できます。視覚的に示したほうがわかりやすい場合は、グラフやチャートで表示します。
グラフやチャートからデータをドリルダウンすることも可能です。たとえば、経時的な成立率を示すグラフから、各月の成立商談と不成立商談の内訳を確認できます。このレポートに商談成立までの平均日数や各月の商談成立総額などを追加できます。レポートから個々の商談にドリルダウンして、活動履歴、メモ、その他のドキュメントを確認することも可能です。
ダッシュボードに表示される内容
ダッシュボードには、共通のテーマに関するデータを視覚的に表示できます。たとえば、営業ダッシュボードを作成し、上位の取引先、上位の商談、成立率、営業業績が最も高い取引先種別を説明するメトリクスを使用して、会社の営業成績をチャートやグラフで表示することができます。
情報がすべて 1 か所にまとめられていれば、ビジネスの全体像を簡単に把握し、クリック操作で詳細を確認できます。Salesforce は、ビジネスのあらゆる側面をほぼ無限の組み合わせで検証するために求められる柔軟性を備えています。
レポートとダッシュボードに誰がアクセスできるか
レポートやダッシュボードを作成するときに、誰が表示、管理、編集でき、どのデータを参照可能かを決定します。どのような方法で行うのでしょうか?
レポートとダッシュボードはフォルダーに保存されています。フォルダーに公開、非公開、特定のユーザーと共有、組織全体と共有のいずれかを指定できます。ユーザーにフォルダーへのアクセス権を付与すると、ユーザーがそのフォルダー内のレポートやダッシュボードにアクセスできます。ただし、すべてのデータが参照可能になるわけではありません。さまざまな方法でデータにセキュリティコントロールを追加できます。
レポートの場合: ロールや権限などに基づいて誰がフォルダーの中身にアクセスできるかを管理できます。
ダッシュボードの場合: ダッシュボードごとに実行ユーザーが指定され、このユーザーのセキュリティ設定に基づいてダッシュボードの閲覧者に表示されるデータが決まります。たとえば、システム管理者をダッシュボードの実行ユーザーに選択した場合は、ダッシュボードの閲覧者が多様なデータにアクセスできます。
動的ダッシュボードの場合は常にログインしたユーザーが実行ユーザーになるため、閲覧者には各自のアクセスレベルに応じたダッシュボードデータのみが表示されます。(動的ダッシュボードが使用可能かどうかは、Salesforce のエディションによって異なります。)
各ダッシュボードにデータの最新更新時のタイムスタンプが示されます。ダッシュボードを更新すると最新のデータが表示されます。データを更新した場合は、アクセス権のある各ユーザーのデータが更新されます。
データは、ビジネスの過去、現在、未来のストーリーを伝えます。Salesforce のレポートとダッシュボード機能を業務の指針として活用します。