販売プレゼンテーションを作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ソリューションを売り込むための概要ステートメントを作成する。
- ソリューションのファクトについて説明する。
- メリットと適用法について明確に説明する。
ファクト、メリット、適用法を基にソリューションをまとめる
質問モデルを完了することができました。お客様から情報を収集したら、競争力のあるソリューションを提供できるかどうか自信をもって述べることができます。このステップの基礎となるデール・カーネギーの原則は、「演出を工夫する」です。ソリューションを「ドラマチック」に演出し、相手の心に伝わるような方法で情熱を分かち合います。ここでデール・カーネギーのセールスモデルの「作成する」ステップに移行します。
概要ステートメントを作成する
「作成する」に移行するための概要ステートメントを作成します。概要ステートメントでは、あなたがお客様の助けになれることを伝えます。お客様の「理想の状態」と「成果」をわかりやすい言葉で説明し、あなたがお客様に耳を傾けてきたことを示します。
次のような概要ステートメントを作成します。
- 「お話しいただいた内容に基づいて...」というフレーズで始める。
- 簡潔なステートメントにまとめる。
- 具体的な推奨事項を示す。
- 質問プロセスで明らかになったお客様の「理想の状態」と「成果」に言及する。
- 自信に満ちた口調で説得力のある言葉を使う。
例
「お話しいただいた内容に基づいて、製造コストの削減は可能であると確信しています (理想の状態)。機器の安全性において当社の右に出る者はなく、お客様の部門は収益を生み出す事業として認められることになるでしょう (成果)。ここでファクトに目を向けてみましょう。」
「お話しいただいた内容に基づいて、当社のプロセッサーでお客様が求めるスピードを実現できると確信しています (理想の状態)。時間が節約されるため、早めに仕事を切り上げて、家族や友人とくつろぐことができます (成果)。ファクトを詳しく見ていきましょう。」
ファクト、メリット、適用法について説明する
概要ステートメントを述べたら、いよいよソリューションを売り込みます。商品やサービスの価値を実証するために、ソリューションのファクトを挙げ、メリットを明確に説明します。質問プロセスで知り得た情報に基づいて、どのファクトを重視し、どのメリットを強調するか選択します。「ファクト、メリット、適用法」のテクニックを駆使して自らの主張を伝えます。
- ファクト: 具体的で、真実かつ実証可能なステートメントです。ファクトの中にはすんなり受け入れられるものもあれば、実証を要するものもあります。
- メリット: どのお客様もソリューションを活用できることを示す簡潔な説明で、前述のファクトに直接関連している必要があります。
- 適用法: 特定のお客様がソリューションをどのように適用して、メリットを得るかを明確にします。適用法は個人的なものであるため、お客様の状況と深く関わっています。
以下に例を示します。
ファクト、メリット、適用法の例 |
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ファクト: 80 か国以上で同様に事業を展開しているため、すべての拠点でソリューションを調整できます。 メリット: 世界全域で一貫したデリバリーが可能であるとともに、お客様の文化に応じて柔軟に調整できます。 適用法: このため、お客様の海外支店にも対応し、翻訳も実施します。 |
ファクト: 認定を受けた 12 人の技術者が年中無休で対応します。 メリット: そのため、お客様はどのような問題にも迅速に対処できます。 適用法: いつでも 2 時間以内に回答が得られるという、御社のベンダー選択プロセス要件が満たされるため、安心できます。 |
ファクト: 当社は 22 種の投資信託を扱っています。最近の調査によると、市場でも最大の銘柄数を取り揃えているということです。 メリット: そのため、お客様が柔軟性の高いファイナンシャルプランを立てることができます。 適用法: ポートフォリオをいつでも変更できます。たとえば、春先に家族のためにそのボートを購入することが可能になります。 |
留意すべき点は、多くのお客様がオンライン調査を行い、ソリューションのファクトとメリットについてはすでに理解していると思っていることです。ですから、インターネット調査ではわからないソリューションの価値を提示します。説得力のある証拠を示します。証拠で疑念を払拭する方法についての詳細は、「ウィニング・ウィズ・リレーションシップ・セリング」コースを参照してください。
実際に試してみる
「リソース」セクションにリンクが記載されている「Facts, Benefits, and Application Worksheet (ファクト、メリット、適用法ワークシート)」を使用して、競合他社と差別化を図るためにお客様に提案するソリューションの上位 3 つのファクトを決定する練習を行うことができます。
次の単元では、「作成する」から、ソリューションについてお客様に「確認する」フェーズに進みます。