Data 360 のリアルタイム機能を確認する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Data 360 のどの機能がリアルタイムで動作するか説明する。
- そうした機能がリアルタイムのユースケースをどのようにサポートするか説明する。
この単元では、リアルタイムの Data 360 を可能にする各機能を確認します。続いて、Northern Trail Outfitters (NTO) という小売企業が、リアルタイム商品のおすすめを実装するところを見ていきます。
Data 360 のリアルタイム機能
リアルタイム機能は連携して、リアルタイムの顧客データを取り込み、分析して応答します。この各機能で、データモデルオブジェクト (DMO) が使用されます。DMO は、データストリーム、インサイト、その他のソースで作成された属性で構成されるデータのグルーピングです。
機能 | 説明 | 設定方法 |
|---|---|---|
リアルタイムデータグラフ | リアルタイムデータグラフを使用すると、Customer 360 プロファイルなどの顧客データにミリ秒単位でアクセスして更新できます。 データグラフで DMO の正規化されたデータが結合され、データの新しいビューに変換されます。データはあらかじめ計算されて保存されているため、データにミリ秒単位でアクセスして更新することが可能になります。リアルタイムデータグラフは、あらゆるリアルタイムイベントに基づく DMO の変更を反映して継続的に更新され、最新の状態に維持されます。他方、通常のデータグラフはスケジュールに従って更新されます。 ほかのリアルタイム機能を使用するためには、リアルタイムデータグラフが必要です。 | 統合個人 DMO などのプロファイル DMO を使用してリアルタイムデータグラフを作成します。 この機能の設定手順の詳細は、「データグラフの作成」を参照してください。 |
リアルタイムデータ取り込み | アプリケーションまたは Web サイトからユーザーエンゲージメントやイベントをミリ秒単位で Data 360 に取り込みます。 | Web またはモバイルアプリケーションのデータストリームを作成するか、取り込み API を使用してデータストリームを作成します。新しいデータストリームを DMO に対応付け、その DMO をリアルタイムデータグラフに追加します。 この機能の設定手順の詳細は、「Web およびモバイルアプリケーションコネクタ」および「Create an Ingestion API Data Stream (取り込み API データストリームの作成)」を参照してください。 |
リアルタイム ID 解決と照合 | ユーザーをミリ秒単位で統合プロファイルにリンクします。 | 各ルールセットから統合 DMO が作成されます。DMO を使用してリアルタイムデータグラフを作成し、リアルタイム照合を設定します。 この機能の設定手順の詳細は、「Configure Real-Time Matching (リアルタイム照合の設定)」を参照してください。 |
リアルタイム計算済みインサイト | 生涯価値やユーザー訪問履歴などのメトリクスをミリ秒単位で算出します。こうしたメトリクスを使用して、Web サイト、チャットボット、サービスエージェントを介したカスタマーエクスペリエンスをパーソナライズします。 | リアルタイムデータグラフのやり取りデータに基づいて、リアルタイムのインサイトを作成します。 この機能の設定手順の詳細は、「Create a Real-Time Insight Using Builder (ビルダーを使用したリアルタイムインサイトの作成)」を参照してください。 |
リアルタイムセグメント | セグメント属性に基づいてユーザーエンゲージメントを評価し、オーディエンスをミリ秒単位で構築します。 | リアルタイムデータグラフに基づいて、リアルタイムセグメントを作成します。 この機能の設定手順の詳細は、「Create a Real-Time Segment (リアルタイムセグメントの作成)」を参照してください。 |
リアルタイムデータアクション | Flow Builder を使用して、フローにリアルタイムデータアクションを追加し、Data 360 イベントをミリ秒単位でトリガーします。 | カスタムのリアルタイム Data 360 イベントを作成して、フローで使用します。詳細は、「Create a Real-Time Data Action in Data 360 (Data 360 でのリアルタイムデータアクションの作成)」を参照してください。 |
次は、Northern Trail Outfitter のユースケースを通して、こうした機能がどのように連携するのか見ていきましょう。
リアルタイム商品のおすすめを実装する
Northern Trail Outfitters (NTO) は、アウトドア用品やアパレルを扱う小売企業です。NTO では、商品のおすすめが古いため、コンバージョン率が低迷しています。そこで、リアルタイムの Data 360 を使用して商品のおすすめを刷新し、コンバージョン率を高めたいと考えています。以下は、NTO がコマースサイトにリアルタイム商品のおすすめを実装するために実行する手順の概要です。
- Web データストリームを作成して、個人 DMO とエンゲージメント DMO に対応付けます。コマースサイトからプロファイルデータとユーザーエンゲージメントデータが Data 360 に取り込まれます。
- ID 解決ルールセットを作成して実行します。ルールセットで統合個人 DMO が作成されます。
- 統合個人 DMO とエンゲージメント DMO を使用して、リアルタイムデータグラフを作成します。これで、瞬時に顧客プロファイルに照合できます。
- ユーザーの閲覧履歴と購入履歴に関するメトリクスを算出するリアルタイムインサイトを作成します。
- この情報をパーソナライズツールにフィードして、ユーザーが関心を示しそうなリアルタイムの商品のおすすめやプロモーションを生成します。
- NTO のコマースサイトに、リアルタイムのおすすめを表示します。
続いて、NTO はお客様が Web サイトを閲覧中に、パーソナライズされた商品のおすすめをリアルタイムに提示します。次のようになります。
お客様が Web サイトにログインして、青いジャケットをクリックします。このお客様はジャケットをカートに追加しないまま、商品リスティングを離れます。Data 360 によって、NTO のこうしたユーザーエンゲージメントアクションが即座に取り込まれます。NTO はログイン情報を統合プロファイルに照合するという方法で、このお客様を Rachel Rodriguez の統合プロファイルにリアルタイムに結び付けることができます。
インサイトを確認すると、Rachel は NTO で数枚のジャケットを購入したことがあり、ゴールドランクのリピーターであることが判明します。NTO はこの情報をパーソナライズツールにフィードします。パーソナライズツールは、Rachel の対象資格、購入履歴、直近のアクションに基づいて、ジャケットのプロモーションオファーを生成します。
- 対象資格: Rachel はゴールドランクのお客様のため、特定のスタイルのジャケットを割引価格で購入できます。
- 購入履歴: パーソナライズツールは、Rachel の購入履歴に基づいて、おすすめのスタイルを選定します。Rachel は過去にスポーツジャケットを購入しているため、おすすめの商品種別はスポーツジャケットです。
- 直近のアクション: 最後に、パーソナライズツールは Rachel の直近のアクションを考慮します。Rachel は青いジャケットを見ていたため、パーソナライズツールは青いジャケットに絞ります。
パーソナライズツールはこうした要素をすべて考慮して、青いスポーツジャケットをプロモーション割引価格でおすすめします。
サイトに、「この商品は特別 15% オフ、さらに送料無料。ゴールドランクのお客様限定です!」という Rachel へのプロモーションが表示されます。
上記のすべての手順がミリ秒単位で行われます。Rachel は別のジャケットの商品リスティングから離れた瞬間にこのプロモーションを目にします。割引されていることに歓喜し、おすすめのスタイルも気に入ったため、 そのジャケットを購入します!
まとめ
NTO はリアルタイムの Data 360 を使用して、ユーザーのアクションにリアルタイムで対応し、パーソナライズされた応答を示すことができます。この結果、ユーザーエンゲージメント、コンバージョン率、訪問あたりの平均収益が向上します。リアルタイムの Data 360 は、お客様が社内のどのチームとやり取りするときも、そのお客様の直近のアクションを最重要視します。