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公共セクターソリューションのコンポーネントについて学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 公共セクターソリューションのアーキテクチャの各レイヤーを定義する。
  • レイヤーアーキテクチャの利点を説明する。
  • 業種共通レイヤーのツールとコンポーネントの目的を説明する。

公共セクターソリューションのレイヤーアーキテクチャ

前の単元では、公共セクターソリューションが行政業務に最適なツールである理由を学びました。統合されたシステム、柔軟なツール、そしてすぐに利用できる関連データを備えることで、地域社会に対して迅速かつ正確にサービスを提供することができます。このような高い効率性は、優れたシステムアーキテクチャがあってこそ実現します。

この単元では、行政のあらゆるプロセスやワークフローを効率化するための基盤プラットフォーム、クラウド、および共通レイヤーのコンポーネントを見ていきます。

Salesforce Platform と基盤クラウド

公共セクターソリューションは、Salesforce Platform、Service Cloud、Sales Cloud、Experience Cloud の上に構築されています。この強固な基盤は、データ管理、ケース対応、市民エンゲージメントの枠組みを提供します。

Salesforce Platform、Service Cloud、Sales Cloud、Experience Cloud、公共セクターソリューションのデータモデル、業種共通レイヤーのコンポーネントは、すべて公共セクターソリューションのアーキテクチャに含まれています。

Salesforce Platform は公共セクターソリューションの基盤であり、すべての機関データにとって一元化された情報源として機能します。この柔軟な枠組みにより、連携、統合、データ管理が簡素化され、市民の体験が改善されます。このプラットフォームは公共セクターに最適であり、多くの地域住民と関わる政府機関にとっても理想的です。機関の職員は、これを活用して緊密に連携し、サービスを提供して、あらゆる課題を解決しています。

また重要な点として、Salesforce は厳格なデータセキュリティ基準に準拠しています。そのため、データ保護法や規制に従って市民の情報を保護しながら、ソリューションを迅速に導入および拡張することができます。

Note

公共セクターソリューションにおけるセキュリティとプライバシーについて詳しく知りたい場合は、Salesforce ヘルプ記事の「公共セクターソリューションのコンプライアンスの理解」「公共セクターソリューションのセキュリティ」を参照してください。

公共セクターソリューションのアーキテクチャにおけるもう 1 つの柱は Service Cloud で、リレーション管理やケース管理に特化した機能を備えています。地域住民の全体像を把握することで、市民との重要なやり取りを追跡し、必要とされるサービスを調整することができます。公共セクターソリューションには、アカウント、ケース、サービスリクエストを管理するための Sales Cloud オブジェクトも含まれています。

Experience Cloud を使用すると、市民向けの公開ポータルを構築することができます。このサイトを訪れた市民は、重要な情報にアクセスできるだけでなく、給付の申込、許可の再認定、苦情の提出といったさまざまなアクションを実行できます。公共セクターソリューションには、デジタルプラットフォームの立ち上げを支援する複数の Experience Cloud サイトテンプレートが含まれています。

公共セクターソリューションのデータモデル

公共セクターソリューションには、標準の Salesforce オブジェクトに加えて行政データを保存するために設計された専用オブジェクトを含む包括的なデータモデルが用意されています。

公共セクターソリューションのアーキテクチャ図における公共セクターソリューションのデータモデル。

公共セクターソリューションのデータモデルの多くのオブジェクトは、特定のアプリケーションによって使用されます。これらについては後ほど学習します。たとえば、ライセンスや許可の規制フレームワークを構築するには、規制機関、認可タイプ、コンプライアンスを測定して適用するためのコードを設定します。社会的プログラムを管理する場合は、ケアプランテンプレートに含めるためのプログラム、給付、目標を作成します。また、このデータモデルを使用して、苦情、訪問、検査、調査、その他の重要なレコードを追跡することもできます。

公共セクターソリューションのデータモデルは Data 360 のオブジェクトと密接に対応しているため、Data 360 と Agentforce の両方を効果的に活用しやすくなっています。

これで、公共セクターソリューションのデータモデルを使用してどのような情報を保存できるのかというイメージが掴めたことと思います。次は、プラットフォームとデータモデルを実際に活用する役割を果たす業種共通レイヤーです。

業種共通レイヤー

公共セクターソリューションのデータモデルオブジェクトに加えて、このアーキテクチャにはすべての業種向けクラウドで使用される共通のツールやコンポーネントがあります。

公共セクターソリューションのアーキテクチャ図における業種共通レイヤー。

これらの業種共通レイヤーの機能は、機関の日常業務を簡素化するのに役立ちます。機関のニーズに応じて、これらのコンポーネントをすべて使用することも、一部だけを使用することもできます。

OmniStudio

Omnistudio は、情報の収集と表示を目的とした再利用可能なインタラクティブユーザー体験を構築するためのノーコードツールです。ドラッグアンドドロップのインターフェースを使用して、公共セクターソリューションの組織や外部ソースのデータと連携する動的なフォームを作成できます。たとえば、機関のポータルで市民が入力するカスタムデジタル申込フォームを作成したり、公的な苦情を受け付ける際にケースワーカーや受入担当者が完了するガイド付きフローを設定したりできます。すばやく導入できるように、公共セクターソリューションには、事業ライセンス申込、給付申込、ガイド付きフローなどを迅速に作成するための複数の Omnistudio テンプレートが用意されています。

アクションプラン

アクションプランは、公共セクターのプロセスで完了すべきタスクのセットを取得し、検査担当者、ケースワーカー、その他の機関職員の作業を効率化します。たとえば、アクションプランを使用して、検査、職員のオンボーディング、給付の対象資格確認のためのタスクを定義して追跡できます。繰り返し利用されるタスクを含むアクションプランテンプレートを設定することで、チェックリストの割り当てをスピードアップできます。

Cosville 市では、コンプライアンスマネージャーが現地検査を整理するために、検査担当者にアクションプランを割り当てています。

アクションプランには、[Assessment Tasks (評価タスク)] と [Signature Tasks (署名 ToDo)] があります。

このアクションプランには、検査終了時にコンプライアンスの確認と署名の取得を行うための個別の評価タスクがあります。

ドキュメント管理ツール

公共セクターソリューションには、ドキュメント管理を簡素化するための複数のツールがあります。ドキュメントチェックリスト項目を使用すると、市民が申込に必要なすべてのファイルを提出しているかどうかを確認できます。さらに、インテリジェントドキュメントの自動化を使用して、市民が提出した書類からのデータを効率的に取り込むことで、手作業によるデータ入力が不要になります。

Omnistudio ドキュメント生成を使用すると、あらかじめ定義されたカスタムテンプレートに基づいてドキュメントを作成できます。このツールを使用して、重要なファイルの設計、統合、調整、自動処理を実現できます。たとえば、Microsoft Word や PowerPoint のファイルを他のデータソースと結合して、カスタムドキュメントを作成することができます。

ビジネスルールエンジンと Decision Explainer

ビジネスルールエンジンには、計算を実行してポリシーの決定を自動化するサービス、コンポーネント、オブジェクトが含まれます。たとえば、給付申込のレビュー担当者は、式セットや決定マトリクスに基づいて、市民がプログラムの対象となるかどうかや、受け取るべき給付額をすばやく判断できます。

Cosville 市の機関では、エネルギー支援プログラムにおける適格な給付額を、市民の申込書の内容に基づいて計算するために式セットを使用しています。

こちらは、条件と計算式を含む式セットの例です。

“”

条件、計算、変数を組み合わせることで、たとえば世帯に子どもや高齢者が含まれているかどうかなどの要因に基づいて給付額を決定できます。

ビジネスルールが生成した結果について、その理由の明確な説明を取得して、必要な人と共有することもできます。たとえば、申込のレビュー担当者は、計算された給付額や手数料に関する決定を市民に表示および共有できます。Decision Explainer は、不正の検出、公正な給付の分配、コンプライアンスの維持にも役立ちます。

サービスの革新

安全でコンプライアンスに準拠したツールを使用して、市民エンゲージメントを強化できます。ID 検証や監査履歴をセキュリティで使用し、エンゲージメントボットでやり取りを追跡てし、アクションランチャーでワークフローにすばやくアクセスできます。さらに、Service Process Studio を使用すると、サービスリクエストを記録して対応を自動化でき、レコードアラートを設定して重要な更新を職員に通知することもできます。

イベントおよびリレーションの対応付け

地域社会に前向きな変化をもたらすには、市民のことをよく理解している必要があります。Actionable Relationship Center を使用すると、世帯内のつながりなど、市民同士がどのように関係しているかを確認できます。ARC グラフを使えば、ケース、給付、ケアプランなどのレコードを視覚的に把握するのも簡単です。イベントやマイルストーンを使用すると、卒業、結婚、子どもの誕生といった市民の重要なライフイベントを記録できます。そしてタイムラインを設定して、それらのイベントを時系列で表示できます。

これらのツールを組み合わせて使用することで、公共セクターソリューションをさらに効果的に活用できます。たとえば、検査に関連する質問を保存する動的調査を作成し、それをアクションプランに追加できます。こうすることで、検査担当者は現地訪問中に完了すべきタスクをすべて簡単に確認できます。

市民との関係性やライフイベントの追跡、本人確認、プログラムの効果の評価、その他多くの便利な機能についての詳細は、ヘルプ記事の「公共セクターソリューションの一般的な機能」を参照してください。

これで、公共セクターソリューションのモジュール式アーキテクチャの利点について理解できました。さまざまな共通レイヤーのコンポーネントがどのように機関の機能を拡張するかを確認したところで、次はアーキテクチャの次のレイヤーである強力な事前作成済みアプリケーションを見ていきましょう。

リソース

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