サービス提供ワークフローと主要なオブジェクトについて詳しく知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• ケースワーカーが適切な提供者を見つけられるように、給付オブジェクトが重要な給付情報をどのように保存するかを説明する。
  
• ケースワーカーが給付割り当て、紹介、給付支払の各オブジェクトを使用してサービス提供を追跡する方法を要約する。
  

給付オブジェクト

「公共部門ソリューションの給付管理データモデル」モジュールで学習したように、公共部門ソリューションには、行政機関が管理する給付に関する情報を保存するためのオブジェクトがあります。この単元では、これらのオブジェクトが提供者管理データモデルにどのように対応付けられ、提供者の検索と紹介をどのように迅速化するのかを学びます。

給付とは、政府またはその他の公共団体が有権者に提供する、金銭的または非金銭的な特定の支援形態を意味します。関連する一連の給付は、給付種別オブジェクトで整理することができます。

給付専門分野オブジェクトは、給付を管理するために必要な専門分野を記録します。ケースワーカーが給付割り当てに適格な提供者を検索して見つけられるように、給付の専門分野を提供者の専門分野に割り当てます。

外部サービスに顧客を紹介する場合、スケジュール調整に時間がかかることがよくあります。提供者は、提供者管理機能を使用して、住民をセッションに登録して進捗状況を追跡するための給付スケジュールオブジェクトと給付セッションオブジェクトを作成し、行政機関に提出できます。これらのオブジェクトは給付支払オブジェクトに接続されます。

提供者は、コードセットを使用して提供するサービスの各バリエーションを定義します。たとえば、在宅看護サービス給付には、それぞれ料金が異なる、週末、平日、24 時間 365 日オンコールサービスなどの分類を表すコードセットを含めることができます。組織でこれらのコードセットを追跡することにより、住民を適切な提供者と結びつけて給付を提供できます。関連するコードセットの集合は、コードセットバンドルオブジェクトでグループ化します。給付項目コードオブジェクトは、紹介を迅速に行うためのコードセットまたはコードセットバンドルに、システム内の給付を対応付けます。

Cosville グリーフカウンセリングセンターでは、児童カウンセリングや思春期カウンセリングなど、提供するサービスの種別を区別するためにコードセットを使用しています。カウンセラーの Ashley は、センターで毎週カウンセリングセッションのスケジュールを管理しています。

これらの給付オブジェクトを含むデータモデルの図を以下に示します。

各給付レコードでは、関連する給付種別、給付専門分野、給付スケジュール、給付項目コードの各オブジェクトを定義できます。

これで、住民、提供者、給付に関する情報を保存するためのすべてのオブジェクトについて学びました。最後の一連のオブジェクトは、給付割り当て、給付、紹介を簡素化します。

給付割り当て、給付、および紹介オブジェクト

このモジュールで学んだオブジェクトを使用してレコードを設定したら、データモデルを実際に使用して、住民を提供者に紹介しましょう。

まず、給付プロセスについて簡単に説明します。住民が特定の給付を申請し、ケースワーカーが詳細を確認して住民の適格性を判断します。ケースワーカーがケアプランを立てる際に、住民が特定の給付を必要としていることが判明することがあります。いずれのシナリオにおいても、ケースワーカーが住民に給付を割り当てると、システムが給付割り当てレコードを作成します。

外部の専門知識を必要とする給付については、ケースワーカーが紹介を作成して、住民と専門提供者を結びつけます。

給付支払オブジェクトは、サービスの提供や個々の支払いなど、さまざまな測定単位を追跡します。また、サービス提供者やケースワーカーは、プロバイダーポータルを通してこのオブジェクトを使用することで、サービスの提供を記録したり、住民の給付セッションへの参加状況を監視したりできます。

ケース、給付、ケアプランの詳細については、Trailhead の「Benefit Management Data Model in Public Sector Solutions (公共セクターソリューションの給付管理データモデル)」モジュールと「Social Program Management Data Model Public Sector Solutions (公共セクターソリューションの社会福祉プログラム管理データモデル)」モジュールを参照してください。

次の表に、給付割り当て、給付支払、および紹介オブジェクトの詳細と例を示します。

さて、これで提供者管理データモデルと各オブジェクトの目的については理解できたと思います。次は、これらのオブジェクトを使用するワークフローを見ていきましょう。

提供者サービス提供ワークフロー

ケースワーカーは、提供者サービス提供ワークフローに従って、住民を外部サービス提供者に紹介します。

まず、ケースワーカーは、提供者の専門分野、提供者名、提供者種別などの関連オブジェクトのデータを使用して、提供者ネットワークを検索します。提供者の検索画面は次のようになっています。

この検索では、ケースワーカーは提供者の専門分野として「住宅およびメンテナンス」を選択しています。検索結果には、その専門分野を得意とするすべての提供者がネットワークからリストアップされます。ケースワーカーは、退役軍人向け住宅、緊急避難所などの条件を使って結果を絞り込むことができます。また、検索条件を使用して、住民の自宅から一定の距離内に施設がある提供者や、特定の曜日にセッションを提供している提供者のみを表示することもできます。

割り当てられた給付に適した提供者を見つけたら、次は住民の情報や依頼されたサービスの詳細を含む紹介を迅速に作成するためのガイド付きフローを開始します。提供者は、提供者ポータルから紹介を確認して、承認または拒否します。承認した場合、提供者は住民を給付セッションに登録して、ポータル内の給付支払で提供を追跡します。ケースワーカーは、支出レコードで最新の情報を確認することで、住民の進捗状況を監視できます。

たとえば、Connor はケアプランの一環として、グリーフカウンセリング給付を Steve に割り当てます。Tishon がこの給付を給付専門分野オブジェクトと関連コードセットオブジェクトに対応付けたため、Connor はどちらかの条件を使用して専門提供者を検索することができます。この給付の提供者として Cosville グリーフカウンセリングセンターが検索結果に表示されたため、Connor は Steve をサービスに接続するための紹介を作成します。

カウンセリングセンターは紹介を検討し、給付を行うために行政機関の承認を要求します。Connor が要求を承認すると、提供者は Steve を既存のカウンセリングセッションに登録するか、新しいスケジュールを作成して機関の承認を得るために送信します。Connor は、提供者ポータルまたは給付支払記録で Steve の進捗状況を追跡することができます。

これで、提供者管理データモデルと関連ワークフローのすべてを理解していただけたことと思います。最後に、すべてのオブジェクトの組み合わせとそれらのリレーションを確認しましょう。

Connor は、Steve が必要としている給付をすぐ提供できるようになった新しい能力に驚いています。これは、他のクライアントを手助けする時間が増え、さらには休憩してコーヒーを飲む余裕まで生まれることを意味しているのです。

このモジュールでは、行政機関が外部組織と強固なリレーションを築き、ケアを促進して、住民の進捗状況を監視するために、提供者管理データモデルがどのように役立つかを学びました。ケースワーカーは、提供者、スタッフ、施設に関するデータすべてに簡単にアクセスできるため、地域住民が必要とするサービス、サポート、支援をマッチングさせて、幸せで健康的な生活を送るための手助けをすることができます。

リソース

• Salesforce ヘルプ: 提供者のサービス提供ワークフロー
• Salesforce ヘルプ: 提供者検索
• Salesforce ヘルプ: 提供者の紹介ガイド付きフロー