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プロンプトテンプレートの計画を立てる

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • プロンプトデザインを使用して、効果的なプロンプトテンプレートを作成する。
  • プロンプトテンプレートを使用して、コンテンツ作成プロセスを向上させる。
  • プロンプトデザインプロセスを繰り返して、結果を向上させる方法を挙げる。

新たな始まり

Ursa Major Solar は、家庭用と商業用のソーラービジネスで急成長している新興企業です。パネルや関連ハードウェアの販売、設置、メンテナンスやサポートなどを行っています。ビジネスは好調で、さらなる成長が見込まれています。Ursa Major Solar では、まもなく新しいソーラーパネルクリーニングサービスを立ち上げることになっています。

[stability.ai の DreamStudio で、「ソーラーパネルが設置されている家。2D ベクトルの技法で描画。」というプロンプトに従って AI が生成した画像。]

Ursa Major Solar は、既存の顧客にこのニュースを伝える瞬間を心待ちにしていますが、このキャンペーンのメッセージを画一的なメールではなく、何らかの工夫を凝らしたいと考えています。そこで各顧客に、商品の使用期間や所在地のような CRM データにグラウンディングしてカスタマイズしたメールを届けることを検討します。同時に、メッセージにブランドのボイス & 語調を反映させることも望んでいます。

システム管理者の Lara にとっては、プロンプトテンプレートを使ってみる絶好の機会です。Lara は、既存の顧客を対象とする新しいサービスのメッセージを生成する必要があります。今回は対象が限定的なため、小さな規模で使ってみて、今後より大きな規模でプロンプトテンプレートを効果的に使用する方法を検討することができます。

この単元では、Lara が 1 つ目のプロンプトテンプレートをどのように作成し、その後このテンプレートをどのように改善していくかを見ていきます。

適切な質問をする

最初の単元で学習したとおり、効果的なプロンプトは、適切な出力を作成するために必要な方向性を LLM に示します。ところで、効果的なプロンプトテンプレートとはどのようなものでしょうか? 通常は、次の 4 つの重要な質問の適切な答えを示すものということになります。

誰が関与し、どのように関係しているか?

[主な要素: 参加者、リレーション、データ]

「己のオーディエンスを知る」というのは執筆や講演を生業とする人にはよく知られたフレーズです。通常は、読者や視聴者がどのような人かに応じて、コミュニケーションスタイルを変える必要があるということです。LLM がオーディエンスを知るためには、あなたが伝える必要があります! それだけではありません。ロールプレーで LLM が誰の役割を演じるかも指示する必要があります。この場合、Lara はアカウントエグゼクティブが顧客向けに記述するメッセージの文体にしたいと考えています。こうした当事者を念頭に、次のようなプロンプトテンプレートを書き始めます。

あなたは Ursa Major Solar という会社の {!user.firstname} {!user.lastname} というアカウントエグゼクティブです。{!account.name}{!contact.title} である {!contact.firstname} {!contact.lastname} 宛のメッセージを書いています。この取引先責任者は {!account.creationdate} からあなたの顧客です。

Lara は差し込み項目を含めるという方法で、すでにプロンプトテンプレートを CRM データでグラウンディングしています。これで、LLM が顧客関係の期間に基づいてコンテンツを誘導できます。Lara は、関係者の名前とロールも追加しました。ここで、答えを示すべき 2 つ目の重大な質問が浮上します。

何を達成しようとしているか?

[主な要素: 目標、指示]

Lara がプロンプトテンプレートを作成しているのには理由があります。優れたマーケティングメッセージを生成するためだけではありません。Ursa Major Solar は根底の部分で、この新サービスにサインアップするよう既存の顧客を説得したいと考えています。この根幹的な目標は、LLM が知っておくべき重要な情報です。そこで、Lara は続けてプロンプトテンプレートにこの目標を一般的な言葉で説明します。

あなたは {!contact.firstname} {!contact.lastname} に、{!product.description} と説明されている {!product.name} にサインアップするよう説得しています。

この時点で、目標を達成するための手法についての方向性を示すことが役立つと思われます。通常送信しているメッセージの作成時も、すでにこうした手法を取り入れているかもしれません。この目的で、Lara は次のように記述します。

{!account.location} に所在する組織における {!product.name} のビジネス価値を説明します。

Lara は「説明する」という直接的なコマンドに CRM データを組み合わせて、出力を誘導します。Ursa Major Solar では独自に収集した大量のデータを使用できるため、数種の差し込み項目を設定したこの 1 つ目のテンプレートを出発点とし、CRM データをまったく新しい方法で活用して、LLM に有益なビジネスコンテキストを示すことができます。ここで Lara は次の質問に進むことにします。

どのようなコンテキストか?

[主な要素: 設定、語調とスタイル、言語]

コミュニケーションにはさまざまな手段があり、用途によって使い分けることができます。たとえば、テキストメッセージは通常短文であるのに対し、メールはさまざまな長さにすることができます。ここで Lara は、LLM を極めて効率的に誘導するために、コンテンツを使用する設定を説明します。

1 人の個人宛にメール形式のメッセージを英語で記述します。

Lara はいつも海外のオーディエンスを意識しています。Ursa Major Solar が海外に進出することになったら、Lara が「英語」を差し込み項目に置き換えることができます。

コンテキストによって出力のスタイルも決まります。フォーマルな文体が求められる状況もあれば、会話風の語調が好まれることもあります。Lara は出力から Ursa Major の高揚感が伝わるように、言語的な特質についても説明します。

メッセージでは強意語を使って関心を駆り立てますが、感嘆符の使用は制限します。縮約形を使ったり、受信者を二人称で呼んだり、自然な会話風の言葉を用いたりして、カジュアルな感じを出します。

Lara はスタイルを醸し出すさまざまな言葉を試してみることができます。「あぁ」「えっと」「だから」などの言葉を挟むと出力が口語調になります。テンプレートは後から調整できるため、ここで最後の質問に進むことにします。

どのような制約があるか?

[主な要素: 制限、指示]

ここで極めて重要な点は、LLM に何が許容範囲かを伝えるために一定のガードレールを設けることです。たとえば、情報が不足している場合に、憶測した内容をコンテンツに含めないよう指示します。コンテンツの長さを定義することもお勧めします。Lara はこのために次の指示を追加します。

メッセージは 500 語前後に制限し、完全なデータがない内容に言及したり、そうした回答を生成したりしないでください。

最後に、もう 1 つメタ的な指示があります。プロンプトに、メールメッセージのみを記述し、それ以外のものは記述しないよう指示します。妙な指示だと思うかもしれませんが、これは LLM が単に記述する代わりに、記述というタスクに関する応答を生成しないようにするためです。Lara は最後に次の指示をプロンプトテンプレートに追加します。

顧客に送信するメッセージのみを生成するという上記の指示に厳密に従います。

プロンプトテンプレートが完成しました! Lara は以下の 4 つの重要な質問を検討して、1 つ目のテンプレートを見事に仕上げることができました。

  • 誰が関与し、どのように関係しているか?
  • 何を達成しようとしているか?
  • どのようなコンテキストか?
  • どのような制約があるか?

すべてまとめると、Lara のプロンプトは次のようになります。

あなたは Ursa Major Solar という会社の {!user.firstname} {!user.lastname} というアカウントエグゼクティブです。{!account.name}{!contact.title} である {!contact.firstname} {!contact.lastname} 宛のメッセージを書いています。この取引先責任者は {!account.creationdate} からあなたの顧客です。

あなたは {!contact.firstname} {!contact.lastname} に、{!product.description} と説明されている {!product.name} にサインアップするよう説得しています。{!account.location} に所在する組織における {!product.name} のビジネス価値を説明します。

1 人の個人宛にメール形式のメッセージを英語で記述します。

メッセージでは強意語を使って関心を駆り立てますが、感嘆符の使用は制限します。縮約形を使ったり、受信者を二人称で呼んだり、自然な会話風の言葉を用いたりして、カジュアルな感じを出します。

メッセージは 500 語前後に制限し、完全なデータがない内容に言及したり、そうした回答を生成したりしないでください。

顧客に送信するメッセージのみを生成するという上記の指示に厳密に従います。

Lara の仕事はまだ終わりではありません。Lara はプロンプトデザイナーとして、各自の作業をテストして LLM の出力を確認し、必要に応じて修正する必要があることを心得ています。

反復的にテストする

生成 AI ツールを使ったことがあれば、プロンプトの作成にはちょっとしたコツがいることをご存じかと思います。プロンプトが一見明快でも、生成されたコンテンツがどこかおかしいと感じることは珍しいことではありません。Lara がプロンプトテンプレートを試してみたところ、適切な結果が得られました。これは Lara が 4 つの重要な質問を入念に検討したためです。

件名: Alpha Solar でソーラーパネルを万全な状態に

Denise 様

貴社の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。Ursa Major Solar のアカウントエグゼクティブとして、長年 Northern Trail Outfitters 様に対応させていただいてきましたが、持続可能性と環境保全管理に対する貴社の取り組みには常日頃から感銘を受けています。本日は、貴社の価値観や目標と合致するサービスをご案内させていただきたくご連絡申し上げました。

この度、「Alpha Solar」という月次サブスクリプションのソーラーパネルクリーニングサービスが登場いたしました。Alpha Solar により、お客様のソーラーパネルが適切な状態で維持されるため、エネルギー変換が最大になり、結果的にエネルギー収量が増大し、電気料金が減少する可能性があります。当社のサービスは、アイオワ州デモインで度々みられる過酷な気象条件でも、お客様のソーラーパネルが万全な状態で維持されることを目的に考案されています。

Alpha Solar が他のソーラーパネルクリーニングサービスと一線を画すのは、品質と信頼性に対する当社の取り組みです。私たちはソーラーパネルを徹底的かつ安全に洗浄するために、最高の器具と洗浄剤のみを使用しています。当社の専門チームは、サイズや複雑性に関係なく、あらゆる種類のソーラーパネルを扱えるよう訓練を受けています。また、お客様の多忙なスケジュールに当社のサービスをスムーズに組み込めるように、柔軟なスケジュールオプションを用意しています。

Alpha Solar にサインアップいただくと、組織の時間やコストの削減につながる数々のメリットを享受できます。たとえば、このサービスで潜在的な問題を早期に検出して対処すれば、高額な修理や交換を回避できます。クリーニングプロセスによってソーラーパネルの寿命が延びるため、この先何年も太陽エネルギーの恩恵を受けることができます。

Alpha Solar が貴社の持続可能性への取り組みの一翼になるものと確信しています。このサービスに関心がある場合は、お気軽にお問い合わせください。お客様の質問にお答えするとともに、お客様独自のニーズに基づいてカスタマイズした見積をご用意いたします。

お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。ご連絡をお待ちしております。

よろしくお願い申し上げます。

Cassiopeia Mars

アカウントエグゼクティブ

Ursa Major Solar

[gpt-3.5-turbo-0301 で生成]

入念に確認した後、Lara は生成されたコンテンツの例を関係者に見せ、意見を募ります。全般的に好評でしたが、最後に行動喚起を追加して欲しいとのことでした。そこで、Lara はテンプレートを更新し、目標の部分に次の指示を追加します。

顧客が {!company.trainingURL__c} で実施される無料の Web セミナーのいずれかに参加することを推奨します。

更新されたテンプレートから生成された新しい出力は、まさに経営陣が望んでいたものでした。さらに、Lara はこのテンプレートのさまざまなバージョンを簡単に作成できるため、出力に対する独自の比較テストを実行できます。Lara がこうしたテストから収集した情報は、次回の大規模なマーケティングキャンペーンでプロンプトテンプレートを作成するときに役立ちます。

「人間参加型」にする

ここで、Lara はアカウントエグゼクティブにテンプレートの使い方を説明します。そして、テンプレートを使用して出力を生成するときは、毎回必ず応答を確認するよう念を押します。これは「人間参加型」といわれるベストプラクティスで、信頼のおける生成 AI には欠かせません。

アカウントエグゼクティブは、応答を関連性が高く、バイアスのないものにすることが自らの役割であることを認識し、顧客ごとに高度にパーソナライズされたメールを使用したメッセージングキャンペーンを開始することに意欲を示しています。

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