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プロンプトテンプレートを確認して修正し、保存する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • プロンプトの応答の正確度を高め、有害性を抑える方法を復習する。
  • プロンプトの応答を確認して修正する方法を検討する。

プロンプトをプレビューする

Flex プロンプトテンプレートのドラフトを作成した Linda は、そのテストに進みます。プロンプトテンプレートワークスペースには、プロセスをサポートする次の主要セクションがあります。

  • Prompt (プロンプト): プロンプトテンプレートの作成、リソースの追加、指示の定義を行います。
  • Resolved Prompt (解決済みプロンプト): 特定のレコードでプロンプトとリソースがどのように解決されているかを参照できます。マスクされたデータがここに表示され、差し込み項目リソースには関連付けられた CRM 項目値が表示されます。フローリソースについては出力が表示されます。
  • Response (応答): 解決済みプロンプトに基づき LLM で生成された出力を確認できます。サイドパネルには、[Template Settings (テンプレート設定)] と [Preview Settings (設定をプレビュー)] が含まれ、ユーザーに応じて結果が調整されます。テンプレート設定には、使用可能な LLM とその制限、応答の表示方法のリストが含まれます。

Flex プロンプトテンプレートを使用して、3 つ以上の入力を定義すると、[Preview Settings (設定をプレビュー)] に [Input (入力)] というセクションが表示されます。

[Configuration (設定)] パネル内の [Test Records (テストレコード)] タブに表示されている取引先、納入商品、取引先責任者情報の Flex 入力

プロンプトビルダーでは、プロンプトの作成、テストに関するエンドツーエンドのプロセスがユーザーに示されます。テンプレートを修正して、プレビューを生成し直すたびに、Einstein によって解決済みプロンプトと LLM 応答が更新されます。必要に応じてプロンプトの微調整を繰り返し、効果的で安全な出力が得られるようにします。

テンプレートを修正して、プレビューを生成し直すたびに、Einstein が更新されたプロンプトの解決と応答を表示します。効果的で安全なプロンプトと応答が得られるまで、このプロセスを繰り返します。

[Preview (プレビュー)] に表示されている 2 つのセクション

Linda は [Response (応答)] セクションを使用して LLM からの応答を参照します。応答をすぐに表示して、テンプレートに調整が必要かどうか判断できます。

Linda は、前の単元で使用したセールスメールプロンプトテンプレートをテストしたいと考えています。では、[Response (応答)] にどのように表示されるか見てみましょう。以下は、単元 2 の Linda のセールスメールプロンプトです。

あなたは {!$Input:Sender.Name} という名前で、{!$Input:Sender.CompanyName}{!$Input:Sender.Title} です。あなたの見込み客は {!$Input:Recipient.Name} で、{!$Input:Recipient.Title} です。{!$Input:Recipient.MailingCity} に所在します。

メールでは、見込み客を Cloud Kicks の新旧のお客様の交流会で、近日発売予定の商品を先行発表するイベントに招待します。このメールは 70 語以内でなければなりません。イベントに参加する潜在的なメリットを見込み客に説明し、詳しい情報が必要な場合にはイベントまたはオンラインで直接話したい旨を伝えます。

メールに、{!$Apex:ContactEvents.Prompt} というイベント情報を追加します。

生成された応答を確認する

Linda は、自分のプロンプトテンプレートのテストに使用するオブジェクトを選択できます。そこで、受信者レコード ([Andy Smith - Lead (Andy Smith - リード)]) を選択して、[Save & Preview (保存 & プレビュー)] をクリックします。すると、「解決済み」のプロンプトテンプレート、つまり、差し込み項目が選択したレコードのデータに置き換えられたプロンプトが表示されます。

あなたは Linda Rosenberg という名前で、Cloud Kicks の Salesforce システム管理者です。あなたの見込み客は Andy Smith で、営業マネージャーです。トロントに所在します。

メールでは、見込み客を Cloud Kicks の新旧のお客様の交流会で、近日発売予定の商品を先行発表するイベントに招待します。このメールは 70 語以内でなければなりません。イベントに参加する潜在的なメリットを見込み客に説明し、詳しい情報が必要な場合にはイベントまたはオンラインで直接話したい旨を伝えます。

指示:

"""

メールに次のイベント情報を追加します。

イベント名: Floating on Clouds: トロント

説明: Cloud Kicks がカスタムシューズのとっておきの集いにご招待します。画期的なデザインから足の形に合わせたフィッティングまで、この VIP イベントではスタイルとパフォーマンスの両方を追求します。

場所: オンタリオ州トロント

時間: 9/18 2:00 PM

-

イベント名: Floating on Clouds: ヒューストン

説明: 全国で開催される限定イベントに参加すれば、アスリート仕様の限定品をいち早くご確認いただけます。

場所: テキサス州ヒューストン

時間: 7/17 3:00 PM

-

メールの末尾にイベントへの参加の明確な行動要請を提示します。

"""

Linda のテストでは、このテンプレートによって Cloud Kicks が開催する全イベントが返されます。これは想定された動作で、プロンプトテンプレート内で Apex を使用する場合の優れた機能を示しています。Linda が作成した ContactEvents Apex クラスは、Cloud Kicks が近日開催予定のすべてのイベントを返します。このテンプレートは LLM に、データ出力を集約または簡素化するために必要なすべての情報を送信します。

次に、応答を見ると、Linda のプロンプトテンプレートの具体的な指示に基づいて、Einstein が Salesforce データからメールを生成可能であることがわかります。すばらしいですよね。

件名:

「Floating on Clouds: トロント」にご招待!

本文:

Andy Smith 様

貴社の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。お客様の近くで実施するとっておきのイベントにご招待したいと思い、メールを差し上げています。Cloud Kicks では「Floating on Clouds: トロント」という VIP 限定のイベントを開催します。

このイベントでは、皆様にデザインいただいたシューズをそれぞれの足の形に合わせてフィッティングいたします。スタイルとパフォーマンスの融合により、忘れられないひと時になることでしょう。

イベント名: Floating on Clouds: トロント

日付: 9/18 2:00 PM

場所: オンタリオ州トロント

弊社の商品について、あるいは皆様のパフォーマンスがどのくらい向上する可能性があるのかといった点についてご質問があるかと存じます。そこで、今回のイベントでは私どものチームがお客様のすべての質問にお答えできるようにしたいと考えています。

9 月 18 日午後 2 時にオンタリオ州トロントで開催されるこの限定イベントにぜひご参加ください。ご来場を心よりお待ちしております!

ご質問がある場合や詳しい情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。お役に立てれば幸いです。

「Floating on Clouds: トロント」でお会いできることを楽しみにしています!

よろしくお願い申し上げます。

Linda Rosenberg

Salesforce システム管理者

Cloud Kicks

有害性から守る

ここまでは順調ですが、生成 AI を使用して優れたコンテンツを作成する場合、他にも知っておくべきことがあります。大規模言語モデルは、膨大な量のデータでトレーニングされます。このため、モデルは有害な表現を生成するリスクを抱えており、応答に有害な表現が漏出するおそれがあります。このリスクを回避するために、プロンプトテンプレートに制限やガードレールを追加する必要があります。

ここで、応答の正確性と適切性を確保し、有害な表現を回避するためのガードレールを作成する際の 7 つの検討事項を確認します。

プロンプトの応答を生成後の考慮事項

トピック

説明

プロンプトテキストの指示の例 (該当する場合)

トピックの関連性

モデルの応答は、進行中の会話に応じた正しい文法が用いられ、プロンプトの要求全般に直接関連している必要があります。

アクション/目標完了

応答が意図するアクションに沿っているか、プロンプトの目的を達成しているか、プロンプトが求めるすべての事項に対処してユーザーのニーズを満たしているか評価します。

状況に応じた表現/語調の適切性

モデルの出力を評価するときは、応答とユーザー間のやり取りに適した語調や口調であるかどうか検討します。語彙、句読点、口調がエンドユーザーのニーズに適合していることを確認します。

この要約はカジュアルな感じでまとめます。

事実の正確度

モデルの出力を確認するときは、不正確な記述やハルシネーションに注意します。プロンプトのデータが正しく使用され、意図しない詳細が含まれていないことを確認します。

この指示に厳密に従い、指定されていない情報は追加しないでください。

繰り返し

特定のユースケースにおける応答のばらつきの程度を検討し、想定内かどうか評価します。要求に的確に応じるうえで、語彙の反復が許容範囲かどうか検討します。また、複数の応答が同じような内容であったり、同じ用語を使用したりしていても問題ないか判断します。

文は能動態にし、明確、簡潔、率直な言葉を使い、つなぎ言葉や冗長な言い回しは避けてください。

有害性

ユーザーエクスペリエンスに悪影響を及ぼす可能性がある攻撃的な言葉や無礼な表現、暴言といった潜在的に有害なコンテンツが応答に含まれていないか確認します。

バイアス/倫理

応答が公平性とインクルージョンを促進するものであることを確認します。

応答の言葉遣いに些細なバイアスがかかっていないか検証します。次の事項に該当しないことを確認します。

  • 名前のみに基づいて性的自認を推測する。
  • 障害のある参加者を外す。
  • 人種または社会経済的地位に関する思い込みを述べる。

社会経済的地位、性的指向、宗教、人種、外見、国籍、性自認、障害、年齢は人それぞれ異なりますが、すべての人に平等に対応しなければなりません。十分な情報がない場合は、先入観に基づいて憶測するのではなく、不明のオプションを選択する必要があります。

プロンプトテンプレートの確認時の注意事項を理解したところで、セールスメールプロンプトテンプレートに戻り、ガードレールを含む新バージョンを作成しましょう。

プロンプトテンプレートを保存してバージョン管理する

プロンプトビルダーは、必要に応じてユーザーがプロンプトテンプレートを簡単に変更やバージョン管理できる柔軟性を備えています。プロンプトテンプレートワークスペースに移動し、プロンプトテンプレートを選択して変更します。変更後にもう一度テストする場合は、受信者またはレコードを選択して、[Save & Preview (保存 & プレビュー)] をクリックします。

これで Linda がプロンプトテンプレートを更新して、ガードレールを含めることができます。既存のプロンプトテンプレートを開いた状態で、[Save As (別名で保存)] をクリックします。2 つのオプションがリストされます。

  • Save as a New Version (新しいバージョンとして保存): 同じテンプレート名の同じプロンプトテンプレートへの増分変更にアクセスします。
  • Save as a New Template (新しいテンプレートとして保存): 新しいテンプレート名と API 参照名の新しいプロンプトテンプレートを作成します。

新しいバージョンを作成する Linda は、[Save as a New Version (新しいバージョンとして保存)] を選択します。

プロンプトテンプレートの名前とバージョン 2 が表示されているヘッダー

次のプロンプトテンプレートには、バイアスや有害性のない信頼のおける応答にするために Linda が行った修正が、テキストで示されています。

あなたは {!$Input:Sender.Name} という名前で、{!$Input:Sender.CompanyName}{!$Input:Sender.Title} です。あなたの見込み客は {!$Input:Recipient.Name} で、{!$Input:Recipient.Title} です。{!$Input:Recipient.MailingCity} に所在します。

メールでは、見込み客を Cloud Kicks の新旧のお客様の交流会で、近日発売予定の商品を先行発表するイベントに招待します。このメールは 70 語以内でなければなりません。イベントに参加する潜在的なメリットを見込み客に説明し、詳しい情報が必要な場合にはイベントまたはオンラインで直接話したい旨を伝えます。

社会経済的地位、性的指向、宗教、人種、外見、国籍、性自認、障害、年齢は人それぞれ異なりますが、すべての人に平等に対応しなければなりません。十分な情報がない場合は、先入観に基づいて憶測するのではなく、不明のオプションを選択する必要があります。

指示:

"""

この指示に厳密に従い、指定されていない情報は追加しないでください。

1 文にまとめて能動態にし、明確、簡潔、率直な言葉を使い、つなぎ言葉や冗長な言い回しは避けてください。

この要約はカジュアルな感じでまとめます。

メールで、見込み客をイベントに招待します。このメールは 70 語以内でなければなりません。

メールに、{!$Apex:ContactEvents.Prompt} というイベント情報を追加します。

プロンプトテンプレートを確認して修正した後、[Save (保存)][Activate (有効化)] の順にクリックすれば、テンプレートを使用できます。

メモ

テンプレートの有効なバージョンは、他の機能で使用されるバージョンです。たとえば、ユーザーがメールのドラフトを作成したり、Einstein を使用してレコード項目を生成したりする場合、テンプレートの有効なバージョンが使用されます。

お疲れさまでした。この時点で同僚に、このメールを送信することや、突如として賢くなったレコード項目を使用することを案内できます。このプロセスは必ず「人間参加型」にし、応答を使用する前に自ら確認する各人の責任を周知徹底します。

プロンプトビルダーがあれば、システム管理者もプロンプトテンプレートを定義できるようになります。Customer 360 全体のデータをクリック操作で活用して、パーソナライズされた出力を配信できます。

リソース

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