リスク管理の優先

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • リスク管理を定義する。
  • リスク管理の効果を説明する。

常に先を見越す

会社は大型商談を成立させたところで、あなたはソリューションの詳細な検討を開始しようとしています。素晴らしい! その熱意は買いますが、少し立ち止まりましょう。この新しいプロジェクトの成功に影響を与えそうなことをすべて考慮しましたか? つまり、すべてのリスクを検討しましたか? 

リスク管理は、プロジェクトリスクを識別、評価、対処するプロセスです。リスクが発生するかどうかは不確実であるため、これは先を見越して行います。もし発生しても、準備ができていれば安心です。次のように考えます。

  • リスクとは、プロジェクトの成功を制限し、妨害さえするおそれのあるものです。カスタム機能の不具合からチームメンバーの離脱まであらゆることが考えられます。
  • リスクが発生すると、それは問題になります。
  • 準備していないと、問題が積み上がっていき、プロジェクトの遅れや、中止にまでつながりかねません。

つまり、チームが成立させたばかりの素晴らしい新案件が完全な失敗に終わります。収益はなく、評判は損なわれ、今後の案件も危うくなります。もちろん、これは最悪のケースのシナリオかもしれません。惨憺たる状況にならないこともあります。特に、プロジェクトにリスク管理を取り入れている Salesforce パートナーの場合はそう言えます。

このモジュールでは、このテーマを取り上げ、プロジェクトリスクを巧みに管理するために使用可能な戦略、プロセス、ツールを学習します。

サンドウィッチの教訓

リスク管理について説明するために、食品を例に挙げましょう。あなたは友人と地元のカフェにランチを取りに行きました。人気のある SuperTasty チーズサンドウィッチを注文しましたが、SuperTasty チーズが在庫切れになっていました。何か他のものにしようとしますが、チーズのないランチになり、がっかりしました。チーズサンドウィッチを提供するカフェは、まったく異なるビジネスの世界のように思えますが、きわめて似ている点があります。 

チーズサンドウィッチ

カフェで在庫切れが起きるのは当然のことです。同じように、プロジェクトの期間中に問題が発生するのも当然のことです。適切に管理されたリスク管理プロセスがあれば、企業は適切な期待事項を設定し、サンドウィッチでも技術的なソリューションでも、顧客が期待するものを提供できるようになります。

リスク管理とは、すべてのリスクを明らかにして完全に排除することでしょうか? 違います。リスク管理の目標は、リスクが問題に変わる可能性を前もって小さくし、実際に問題が発生したときには、その悪影響を最小限に抑えることです。 

カフェが先回りして必要な量の 2 倍のチーズを仕入れたとします。リスク管理において、それは適切でしょうか? 必ずしもそうとは言えません。それでは悪影響が最小化されません。カフェの支出が予算よりも多くなり、パンの仕入先への支払ができません。 

優れたリスクマネージャは、リスクの低減と全体的な影響のバランスを取って顧客に最適なサービスを提供します。

効果を享受する

リスク管理は、測定可能な効果が期待できるプロセスです。 

信頼。顧客には誠実さと透明性をもって接します。リスクを識別して伝えることで、顧客は、企業が自らの行動を把握していて、実行するプロジェクトに対してよい見通しを維持していると考え、信頼します。 

プロジェクトに関する深い知識。リスク管理によって、プロジェクトの強みと弱みについて幅広い視点を持つことができます。

最終損益の改善。通常、プロジェクトの早い段階で問題が見つかれば、その修正にかかるコストは少なくなります。早期のリスク検出によってプロジェクトコストが削減されます。 

より強固で高度なスキルを持ったチーム。チーム全体が関わることで、全メンバーがリスク管理スキルを身に付け、説明責任の意識を高めることができます。その結果、チームは冷静かつ合理的にリスクに対処できるという自信が共有されるようになります。これにより、現在の作業や今後のプロジェクトに対してより平静に取り組めるようになります。

何よりも重要な効果は、成功する可能性が大きくなることです。