Program Management Module の概要
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- PMM の基本的な機能について説明する。
- プログラムやサービスの追跡に使用する各種の PMM オブジェクトについて説明する。
- PMM の使用に関するデータセキュリティを計画する。
Program Management Module の基本
Program Management Module (PMM) はプログラムやサービスをすばやく立ち上げて実施するための基盤になります。
PMM は活動目的を掲げる団体が各自のニーズに合わせて調整できるため、誰にどのようなサービスを実施するかに関係なく、すぐに活動を追跡できます。PMM には、団体のプログラムやサービスを定義し、クライアントをその活動目的領域に結び付け、標準装備のレポートを使用してパフォーマンスを評価したり、支援者や助成金提供団体に取り組みの成果を報告したりするためのツールが用意されています。
PMM はあらゆる Salesforce 環境で機能するように設計され、取引先や取引先責任者などの標準オブジェクトを使用しますが、前の単元で説明したとおり、Nonprofit Success Pack (NPSP) や Student Success Hub と連携させた場合に最大の効果を発揮します。
PMM はまた、Nonprofit Cloud ケース管理など、他のプログラム管理ツールの根本的な要素です。
PMM を機能させるオブジェクトを理解する
PMM には、各自の活動目的を促進する 8 つのカスタムオブジェクトが用意されています。では、各オブジェクトとその使用法を確認していきましょう。
オブジェクト | 実行する内容 |
---|---|
プログラム |
プログラムは PMM の最上位のオブジェクトで、通常は人材育成、住宅供給、読解指導など、活動の主たる領域を表します。プログラムは、PMM の他のすべてを結び付けるオブジェクトです。 |
プログラムエンゲージメント |
プログラムエンゲージメントでは、プログラムとクライアントのリレーションを追跡します。クライアントはサービスを実施する対象で、取引先責任者のこともあれば、団体取引先や世帯取引先、あるいは Salesforce のカスタムオブジェクトである場合もあります。各エンゲージメントで、実施するサービスと、クライアントとプログラムの経時的なつながりに関する詳細を収集します。 |
プログラムコホート |
プログラムコホートでは、一連のプログラムエンゲージメントを追跡します。同じ時期に受講を開始したクライアント全員を対象とする場合や、同じ場所で発生したエンゲージメントをまとめて処理する場合にこのオブジェクトが役立ちます。また、クライアントグループに対するサービス提供をすばやく作成する場合にも利用できます。 |
サービス |
サービスはプログラムを構成する活動で、サービスで活動を測定します。サービスには、講座を開催すること、食事を届けること、地域集会を開くことなど、団体がその活動目的を果たすために行うあらゆることが該当します。通常は 1 つのプログラムに複数のサービスが存在します。各サービスに、指導時間数や配布品目数などの測定単位が必要です。 |
サービス提供 |
サービス提供では、サービスの 1 つのインスタンスと、いつ、どのくらいのサービスが実施されたかを記録します。たとえば、サービス提供で 30 分間のコーチングや、フードバンクの 15 品目などを追跡します。活動の報告時にこうしたデータを使用します。 |
サービススケジュール |
サービススケジュールでは、計画されたサービスを追跡します。サービススケジュールは、個人またはグループに対する 1 回のセッションのこともあれば、定期的なセッションのこともあります。たとえば、6 週間にわたって毎週水曜日の午後 6 ~ 8 時に開催される職業技能講習などです。 |
サービスセッション |
サービスセッションはサービススケジュールの 1 つのインスタンスです。あるサービススケジュールで 6 週間にわたって週に 1 回クラスが行われる場合、クラスごとにサービスセッションレコードが作成されます。このレコードを使用して参加者の出席状況が確認されます。 |
サービス参加者 |
サービス参加者は、クラスに参加予定の個人など、サービススケジュールにサインアップしたクライアントです。参加者がサービスを受けることがわかっているものの、その参加者にどのサービススケジュールが適しているかまだ不明の場合は、サービス参加者を直接サービスオブジェクトにリンクできます。 |
この時点では、上記の説明がよくわからないかもしれませんが、もう少し読み続けてください。基本的な概念をもう 1 つ説明した後で、このすべてがどのようにつながるのかを見ていきます。
プログラムデータをセキュリティ保護する計画を立てる
プログラムデータの追跡に Salesforce を使用することのメリットの 1 つは、セキュリティが確保されることですが、そのためには各人が役割を果たす必要があります。ここで重要な点は、各人がセキュリティ保護の実証済みの手順に従って、各自のデータ (とクライアントや団体) を保護することです。
- 各自の団体で Salesforce を使用する全員が独自のログイン情報を使用し、アカウントを共有しないよう周知徹底します。
- システム管理者は、ロール、プロファイル、権限セットでデータへのアクセスを管理し、チームの各人が必要なデータにのみアクセスできるようにします。PMM にはアクセス管理に役立つ 3 つの権限セットが付属します。付属の権限セットについての詳細は、「リソース」のリンク先のドキュメントを参照してください。
- 機密性の高い情報を取り扱う場合は、システム管理者が項目レベルのセキュリティや共有ルールを使用して、さらに細かく管理できます。
- 匿名を希望するクライアントや匿名にする必要があるクライアントにサービスを実施する場合は、汎用的な取引先責任者レコードや世帯を使用して追跡できます。
データのセキュリティ保護や匿名のクライアントレコードの使用については、Trailblazer Community の「PMM」グループのディスカッションを参照してください。「リソース」にこのグループへのリンクが記載されています。
PMM の基本事項と、PMM を使用してプログラムやサービスを管理する方法がわかったところで、架空の団体を例に挙げ、このすべてがどのように連動するのかを見ていきます。次の単元でこの点を説明します。