選択ルールを使用してオプションを制御する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 商品ルールが設定可能なバンドルのオプションにどのように影響するかを説明する。
- 選択種別の商品ルールを作成する。
- オプションに影響する商品アクションレコードを作成する。
- 商品ルールをコピーして別の目的用に編集する。
選択ルールの手助け
これまでは、潜在的な問題を警告することで営業担当のミスを防ぐための商品ルールについて学習しました。ですが、問題を回避するために設定を自動的に変更するようなルールがあったらどうでしょう? それこそが選択種別の商品ルールの狙いです。
以降は単に選択ルールと呼びます。選択ルールは、多くの方法でアクションを実行してバンドルの設定に影響を与えます。
アクション |
結果 |
---|---|
Add (追加) |
オプションのチェックボックスをオンにする。 |
Remove (削除) |
オプションのチェックボックスをオフにする。 |
Disable (無効化) |
オプションのチェックボックスをグレー表示にして選択できないようにする。 |
Enable (有効化) |
オプションのチェックボックスを通常表示にして選択できるようにする。 |
Disable & Remove (無効化して削除) |
オプションのチェックボックスをオフにし、チェックボックスをグレー表示にして選択できないようにする。 |
Enable & Add (有効化して追加) |
オプションのチェックボックスを通常表示にして選択できるようにし、チェックボックスをオンにする。 |
Hide (非表示) |
ページレイアウトからオプションを完全に削除する。 |
Show (表示) |
非表示になっているオプションをページレイアウトに戻す。 |
Hide & Remove (非表示にして削除) |
ページレイアウトからオプションを完全に削除してチェックボックスをオフにする。 |
Show & Add (表示して追加) |
非表示になっているオプションをページレイアウトに戻してチェックボックスをオンにする。 |
適切なアクションを組み合わせることにより、1 つの製品ルールだけで、営業担当を適切に設定されたバンドルにすばやく導くことができ、少なくとも正しい方向に向けたスタートが可能になります。
相反する 2 つの選択ルールを作成する
選択ルールは、これまでに作成したルールと非常によく似ていますが、問題が発生したときにポップアップするメッセージは設定しません。その代わりに、CPQ が実行するアクションを作成します。
選択ルールが役に立つシナリオを見てみましょう。スマート電球、コンセント、電源タップなどが含まれたホームオートメーションキットがあるとします。
ページの下部には、コンセントを選択した購入者に強く勧める電気工事のオプションがあります。コンセントがバンドルに含まれていない場合は、このオプションは選択できないようにする必要があります。これらの要件を満たすためには、以下が必要になります。
- 選択されたコンセントの数を格納するためのサマリー変数
- 選択されたコンセントの数が 0 である場合には電気工事オプションを無効化して削除するためのルール
- コンセントが選択されている場合には電気工事オプションを有効化して追加するためのルール
まず、サマリー変数を作成します。
- ナビゲーションバーで、[Summary Variables (サマリー変数)] をクリックします。
-
[New (新規)] をクリックします。
- [Variable Name (変数名)] に
Outlet Sum
(コンセント合計) と入力します。
- [Target Object (対象オブジェクト)] で [Product Option (商品オプション)] を選択します。
- [Aggregate Function (集計関数)] で choose [Sum (合計)] を選択します。
- [Filter Field (条件項目)] で [Product Code (商品コード)] を選択します。
- [Operator (演算子)] で、[end with (次の値で終了する)] を選択します。
- [Filter Value (検索条件値)] に
OUTLET
(コンセント) と入力します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで両方のルールで使用できるサマリー変数が完成しました。とても便利です。では、電気工事オプションを無効化するための最初のルールを作成しましょう。最初は商品ルールレコードを作成します。
- ナビゲーションバーで、[Product Rules (商品ルール)] をクリックします。
-
[New (新規)] をクリックします。
- [Product Rule Name (商品ルール名)] に
Disable and remove electrical installation
(電気工事オプションを無効化して削除) と入力します。
- [Type (種別)] で [Selection (選択)] を選択します。
- [Scope (範囲)] で [Product (商品)] を選択します。
- [Evaluation Event (評価イベント)] で [Always (常に)] を選択します。
[Always (常に)] を選択するのは、ルールを 2 回 (設定ページが最初に読み込まれたときと編集が行われたときに) 実行するためです。バンドルの選択ルールは保存時には実行せず、[Always (常に)] には保存時は含まれません。
-
[有効] チェックボックスをオンにします。
- [Conditions Met (一致条件)] で [All (すべて)] を選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
次はエラー条件を作成します。サマリー変数の値が 0、つまりコンセントが選択されていない場合にルールを発動させます。
- [Error Condition (エラー条件)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。
- [Tested Variable (テスト対象変数)] で [Outlet Sum (コンセント合計)] を探して選択します。
- [Filter Operator (検索条件の演算子)] で、[equals (次の文字列と一致する)] を選択します。
- [Filter Type (検索条件種別)] で [Value (値)] を選択します。
- [Filter Value (検索条件値)] に
0
と入力します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
エラー条件の作成には慣れたでしょうから、次は新しいことをしましょう。アクションレコードを作成します。アクションレコードでは、ルールが発動したときに CPQ が何をすべきかを指定します。
- [Actions (アクション)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。
- [Type (種別)] で [Disable & Remove (無効化して削除)] を選択します。
このコンボアクションは、オプションのチェックボックスを選択できないようにして、チェックボックスがオンになっている場合はオフにします。
- [Product (商品)] で [Electrical Installation (電気工事)] を探して選択します。
この例では、1 つの商品だけを対象にしているため、参照項目を使用します。次の単元では、複数の商品を処理する方法を学習します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これでアクションは完成です。最後のステップは、この商品ルールをホームオートメーションハブバンドルに適用させることです。
- [Configuration Rules (設定ルール)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。
-
[有効] チェックボックスをオンにします。
- [Product (商品)] で [Home Automation Hub (ホームオートメーションハブ)] を探して選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで最初の選択ルールは完成です。ですが、もう 1 つ作成する必要があります。現状では、スマートコンセントを含むようにバンドルを設定しても、電気工事オプションは無効化されたままです。なぜなら、選択ルールは言われたことしかやりませんし、実行が終了してもその結果を元には戻さないからです。そのため、コンセントが選択されたときに電気工事を有効化するためのルールが必要です。
別のルールを最初から作ることもできますが、時間を節約するために、最初のルールをコピーして編集することで、動作を逆にしましょう。
-
[Clone with Related (関連情報と共にコピー)] をクリックします。
この時点ではまだルールはコピーされません。ルールをコピーしたら何が作成されるかを事前にプレビューできます。各セクションは右側の矢印で拡大できます。
-
[Clone (コピー)] をクリックします。
では編集しましょう。
-
[Edit (編集)] をクリックします。
- [Product Rule Name (商品ルール名)] の内容を
Enable and add electrical installation
(電気工事オプションを有効化して追加) に置き換えます。
- [Evaluation Event (評価イベント)] で [Edit (編集)] を選択します。
これを [Always (常に)] のままにした場合、バンドルの保存時に不要な場合でも工事が選択されます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [Error Conditions (エラー条件)] 関連リストで、条件レコードのドロップダウンメニューを展開して [Edit (編集)] をクリックします。
- [Operator (演算子)] で、[>] を選択します。
これにより、コンセントが選択されている場合にルールが発動します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
最後に、電気工事の追加を強く勧めるため、電気工事オプションを有効にしてチェックするように CPQ に指示しましょう。
- [Actions (アクション)] 関連リストで、アクションレコードのドロップダウンメニューを展開して [Edit (編集)] をクリックします。
- [Type (種別)] で [Enable & Add (有効化して追加)] を選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
「コピーして動作を反転」が完了し、ルールの準備ができました。ルールが希望するタイミングで実行されるようにするために、最後にもう 1 つだけやるべきことがあります。バンドルに変更を加えるたびにルールが発動されると、システムにも営業担当にも負荷がかかります。そのため、営業担当がスマートコンセントオプションを編集したときにだけ、ルールの条件が評価されるようにします。それには、3 つのすべてのオプションで [Apply Immediately (すぐに適用)] チェックボックスをオンにします。
- ナビゲーションバーで、[Products (商品)] をクリックし、[All Products (すべての商品)] リストビューを選択します。
-
[Home Automation Hub (ホームオートメーションハブ)] をクリックします。
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[Related (関連)] タブをクリックします。
- [Options (オプション)] 関連リストで、[View All (すべて表示)] をクリックします。
- [Smart US Power Outlet (米国用スマート電源コンセント)] オプションのドロップダウンメニューを展開して、[Edit (編集)] をクリックします。
-
[Apply Immediately (すぐに適用)] チェックボックスをオンにします。
-
[Save (保存)] をクリックします。
- [Smart UK Power Outlet (英国用スマート電源コンセント)] オプションと [Smart EU Power Outlet (EU 用スマート電源コンセント)] オプションに対してもステップ 5 ~ 7 を繰り返します。
これらのルールは時間をかけて作成したのですから、期待通りに機能するようにしましょう。
- ナビゲーションバーで、[Quotes (見積)] をクリックし、[All (すべて)] リストビューを選択します。
-
[Q-00041] をクリックします。
-
[Edit Lines (品目の編集)] をクリックします。
-
[Add Products (商品を追加)] をクリックします。
-
[Home Automation Hub (ホームオートメーションハブ)] チェックボックスをオンにします。
-
[Select (選択)] をクリックします。
すぐに、電気工事オプションのチェックボックスをオンにすることができなくなります。次は、このオプションが有効化できるようになることを確認しましょう。
-
[Smart US Power Outlet (米国用スマート電源コンセント)] のチェックボックスをオンにします。
一瞬画面が暗くなります。これはルールが実行中であることを意味します。すぐに、電気工事オプションのチェックボックスがオンになり、このオプションがグレー表示から通常表示に戻ります。営業担当は、電気工事オプションのチェックボックスをオフにすることもできますが、サービスを提供し忘れる可能性は以前より低くなりました。
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[Smart US Power Outlet (米国用スマート電源コンセント)] のチェックボックスをオフにします。
電気工事オプションが再びグレー表示になり、チェックボックスがオフになります。
お疲れさまでした。最後に、商品ルールを使用して製品を追加する場合に考慮すべき重要な点を述べておきます。まず、営業担当は電気工事オプションが自動的に追加されたことに気づかない場合があります。また、営業担当が電気工事オプションのチェックボックスをオフにしてから、ルールが再び実行されるような操作を行った場合には、オプションが再び追加されます。どちらの場合も、営業担当は意図しないサービスを販売してしまう可能性があります。そのため、選択ルールを使用したバンドルの設定時に予想される事態について、ユーザーをトレーニングしておくのがよいでしょう。
リソース