非営利団体の Salesforce 使用方法
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 非営利団体が Salesforce ソリューションをどのように使用するか、一般的なユースケースを説明する。
- 非営利団体のユースケースを検討する。
Salesforce で効果を促進
一般企業と同様に、非営利団体にも規模の大小があります。ミッションや活動も多様であり、世界中に存在します。それでも突き詰めれば、すべての非営利団体には 1 つの共通点があります。世界をより良い場所にするというミッションです。
とはいえ、世界を変えることは容易ではありません。 非営利団体は、私たちが世界や社会、地域で直面している最も厳しい問題のいくつかを解決しようと取り組んでいます。プログラム管理、資金調達、賛助者エンゲージメントなど主要な業務を Salesforce を使用して推進している組織が増えています。
プログラム管理
非営利団体はプログラムを通じてミッションを遂行します。そのミッションは非常に多様で、ホームレス向けシェルターの管理、職業訓練の提供、診療所の運営、展覧会の開催、問題を抱えた生徒と指導者とのマッチング、海岸清掃の主催、その他にもまだ沢山あります。
多くの場合、非営利団体はスプレッドシートと手動のワークフロー、承認、レポートを利用しているため、情報がサイロ化され、プログラム遂行という重要な活動に遅れが出ることがあります。非営利団体向けの Salesforce を使用すれば、組織はこのすべてを Salesforce 内で管理し、活動、賛助者、効果を包括的に把握できます。
たとえば、ホームレスの人々へのサービスを提供する組織があり、複数のシェルターを運営しながら、食事の支援、メンタルヘルスケア、職業訓練を実施しているとします。この組織は、クライアントについて、学歴、職歴、メンタルヘルス既往歴、投薬など、多くの慎重に扱うべき情報を追跡しています。
Salesforce は、クライアントに関連する情報の収集、追跡、部門間での共有に適したソリューションです。機密データへのアクセスを、認証されたユーザーに限定できます。リーダーは、サービスを提供しているクライアントの数、最も利用されているサービス、個人的な目標 (教育の終了、就職、依存症の治療など) に向けたクライアントの進行状況を把握できます。
Salesforce を使用すれば、組織はシェルターの空きベッド数をリアルタイムで監視することもできるため、ベッドが空いているのに利用を断ることはなくなります。非営利団体がそのミッションをより効果的かつ効率的に遂行するうえで、Salesforce が役立つ方法は無限にあります。
資金調達
ほとんどの非営利団体は、何らかの資金調達を行っています。提供するサービスの料金をクライアントに請求できないからです。環境グループが保護活動の費用を母なる地球に請求することはできません! 同様に、ホームレスの人々には通常、シェルターの滞在費用を払う余裕がありません。代わりに、非営利団体は個人、企業、基金からの支援という形で資金を調達して、活動費用に充てています。では、Salesforce を資金調達に使用している非営利団体の実例を見てみましょう。
Adim Adim (「一歩ずつ」) は、トルコに本拠を置く非営利団体です。彼らは、慈善目的の寄付に参加するトルコ市民を増やす手段としてチャリティランを主催しています。従来、慈善目的の寄付のうち、個人支援者からの寄付はわずか 10% ほどであるため、それを変えようとしています。
それまでの多くの非営利団体と同様に、Adim Adim も最初はスプレッドシートを使用してデータを管理していました。スプレッドシートとピボットテーブルで追跡および更新しなければならないデータは、あっという間に 65,000 行になりました。これでは、ミッションを拡大することは事実上不可能です。
そこで Adim Adim は、Salesforce を実装してランナー、支援者、非営利パートナーに関するデータを一元化しました。さらに、オンラインで寄付を受け付け、寄付を受けるとリアルタイムで表示されるアプリケーションを Salesforce 上に作成しました。このアプリケーションでは、ランキング表、バッジ、表彰も提供して、ランナーがトレーニングや資金集めをしながらモチベーションを維持できるようにしました。
Adim Adim では、Salesforce を使用したことで 2016 年にチャリティランナー数が 212%、支援者数が 183%、資金調達総額が 127% 増加しました。それ以降も、ランナー数と寄付は毎年平均 30% ずつ伸びています。
賛助者エンゲージメント
プログラムを管理し、活動費用のための資金を調達する過程で、非営利団体は幅広い関係者とエンゲージします。これには、プログラムを通じてサービスを提供するクライアントや、プログラムの費用を支援する個人、企業、基金の支援者が含まれます。
非営利団体の場合、エンゲージメントとして、見込み支援者や賛助者に実際の行動を促すためのさまざまな方法があります。たとえば、ダイレクトメールを使用した支援の依頼や、メールニュースレターによるボランティア募集などがあります。また、ソーシャルメディアで関連する問題についての会話を始めることもあります。
資金を調達し、学費の支払いに支援が必要な低所得層の学生に奨学金を提供している組織があるとします。彼らは、さまざまな分野を学ぶ学生に奨学金を提供しています。その中にはコンピューターサイエンスもあります。
Salesforce を使用すると、組織はデータを使用して支援者を意味のあるセグメントに分けることができます。たとえば、Salesforce でレポートを実行して、テクノロジー業界で働く支援者の大規模なセグメントが明らかになったとします。そうした支援者は、コンピューターサイエンスやその他のテクノロジー関連分野の奨学金への資金提供に関心があるかもしれません。次の資金調達メールキャンペーンでは、メールの内容をこのグループに合わせてパーソナライズし、コンピューターサイエンス専攻の学生向け奨学金ファンドに寄付する支援を含めることができます。
このように、Salesforce は非営利団体のプログラム管理、サービスのための資金調達、主要な賛助者のエンゲージメントに役立つ強力なツールです。
リソース