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収益モデルについて知る

学習の目的 

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 一般的な商談用語を定義する。
  • サブスクリプションとオンプレミスの収益モデルの違いについて説明する。
  • 早期に商談を成立させることが重要な理由を説明する。

価格設定の理論と実践

商談の価格設定は理論と実践であるだけでなく、チームスポーツでもあります。成功する商談は、あなたにもお客様にも有益で、さらにあなたの会社にとっても有意義なものです。このモジュールでは、素晴らしい商談の構築に向けて事前に準備する方法を説明します。 

このモジュールを完了すると、次のことを理解できるようになります。

  • 価格設定へのアプローチ方法。
  • 一般的なツールや調査の概要。
  • 価格設定戦略の選択方法。
  • 提案書の書き方。

商談構築は、壮大な冒険の旅に出るようなものだと考えてください。あなたとあなたのお客様は、成功する商談の構築を一緒に追い求めるパートナーであり、それを実現するためのリソース、ツール、サポートチームなどのグッズを詰めたギアバッグを持っています。

商談用語の理解

まずは、用語です。用語を理解すれば、きっと好きになります。本当ですよ。

商談の価格を設定する場合、次の用語をよく目にすることになります。

用語
意味

年間注文金額 (AOV)

契約の年間金額

年数で除算した見積金額が AOV に相当します。

合計契約金額 (TCV)

契約の価値に相当する合計金額

AOV が $500,000、期間が 2 年であれば、この商談の TCV は $1,000,000 となります。

年間契約金額 (ACV)

前年と比較した契約金額の増減額

顧客の現在の AOV が $500,000 で、$200,000 の商品を追加購入する場合、ACV は $200,000、新しい AOV は $700,000 になります。

収益

企業が獲得し、財務諸表で認識することができる金額

企業は、収益を四半期報告書や年次報告書で金融市場に報告します。

繰延収益

生成される請求書に基づいた、サブスクリプション契約の前払金。これは、サービスを提供すると収益に変わります。

顧客が $500,000 の請求書を全額支払った場合でも、それはサービスの提供が開始されるまで繰延収益となります。

収益モデルの理解

商談の価格を設定する際には、自社の収益モデルを理解する必要もあります。ソフトウェア業界でよく使用されている 2 つの収益モデルであるサブスクリプションとオンプレミスを比較し、それぞれが収益にどのように影響するかを見てみましょう。「サブスクリプション」と「オンプレミス」という用語を初めて聞くという人にとっても、両者の違いは非常にシンプルです。

サブスクリプション: 顧客がサービスとしてのソフトウェアに登録している場合、収益はサービスが提供されると認識されます。つまり、収益はライセンスが有効化された時点で認識されますが、これは契約が締結された日でない場合があります。

オンプレミス: 顧客がソフトウェアを即金で購入する場合、その場でソフトウェアを実行するために必要なライセンスと機器に対する収益は事前に認識されます。

でもちょっと待ってください。「そもそも収益モデルとは何か?」と皆さんは言うでしょう。よくぞ聞いてくれました。基本的には、会社が稼いだお金をどのように支出報告するかということです。ですから、収益モデルを理解することは非常に重要です。 

例として、サブスクリプションモデルとオンプレミスモデルを使用して構造化された $120,000 の 1 年契約を見てみましょう。  

例 A: オンプレミス収益モデル

  • 契約は 12 か月間で $120,000 の価値に相当するため、年間契約額 (ACV) は $120,000 になる。
  • 契約金額は初日に全額支払われる。
  • $120,000 の収益はすべて初日に認識される。
  • 収益は初日にすべて認識されたため、残りの契約期間中に認識される収益は 0 になる。

例 B: サブスクリプション収益モデル

  • 契約は 12 か月間で $120,000 の価値に相当するため、ACV は $120,000 になる。
  • 契約金額は初日に全額支払われる。
  • サービスが提供されるまで、$120,000 の契約の全額が繰延収益とみなされる。
  • 契約が開始されると、$10,000 の収益が契約終了まで毎月認識される。

例 Bでは、サービスが提供されるにつれて、現金が繰延収益から収益に内部的に変化します。顧客が全額を前払いしていても、収益は契約期間全体で配分されます。

サブスクリプションモデルでは、収益は契約期間にわたって配分されます。サブスクリプション収益モデルの非常に優れた側面の 1つは、同じ年に複数の商談を計上した場合に具体的に現れます。新しい商談が開始されるたびに、1 日の総収益が増加します。

複数の商談が同時に進行している場合のサブスクリプション収益モデルのしくみを示すグラフィック。

合計収益は、前倒しでピークを迎えてその後 0 になるのではなく、日々維持されます。これが、サブスクリプション収益モデルのしくみです(このモデルの人気が高いことがおわかりでしょう)。

まとめると、サブスクリプション収益モデルの利点は次のとおりです。

  • 各契約期間にわたって、収益を均等に配分できる。
  • 長期的な収益ストリームが確保できるため、成長が安定化し、予測可能になる。
  • サービスが提供されるまで、$120,000 の契約の全額が繰延収益とみなされる。
  • オンプレミス収益モデルを採用している企業とは異なり、長期的な計画を立てることができる。

サブスクリプションモデルには、収益に影響するもう 1 つの重要な要素、つまり、商談成立のタイミングがあります。詳しく見てみましょう。 

早期の成立、頻繁な成立

四半期末ごろに商談を成立させると、収益目標を達成できないリスクが高まります。早期に成立させると、四半期の早い時期に収益が増え始め、順調に目標を達成できます。

サブスクリプション収益モデルでは、収益は契約の初日に一括で認識されるのではなく、サービスを提供した日を基準にして認識されます。早期に成立させると、四半期やその年の残りの期間にわたってより多くの収益を認識できます。

簡単な例で説明しましょう。たとえば、XYZ 社という新規顧客と、今後 12 か月で $1,200,000 相当の商談を成立させるとします (これが ACV になります)。四半期の早い時期に成立させた場合と早い時期成立させた場合では、どうなるでしょうか?

  • 四半期の 1 か月目の 1 日目に成立する。
  • その四半期の丸々 3 か月分の収益を認識する。
  • 収益は、$100,000 × 3 か月 = $300,000 になる。素晴らしいですね。

これに対して

  • 四半期の 3 か月目の 1 日目まで成立しない。
  • 四半期末前に、1 か月分の契約のみを認識する。
  • 早い時期に成立した場合の $300,000 全額ではなく、この場合は四半期で $100,000 のみとなる。

収益が結果にもたらす影響はとてもシンプルです。

早いタイミングが重要である理由

商談を早期に成立させるごとに、それだけ目標達成に近づくことができます。早く成立させれば、マネージャーもあなたも満足でき、さらに多くの商談を勝ち取ることに集中する時間を確保できます。そうすれば、ビーチでのんびり過ごせる日もより一層近くなります。

これで、収益モデルの概要を把握でき、収益モデルがなぜ企業やあなた個人の成功にとって重要なのかを理解でき、価格設定や商談に関する専門用語を自由に使いこなせるようになってきました。次の単元では、成功する商談の価格設定を追求する中で使用するツールについて詳しく学びます。

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