マーケティング戦略へのリード育成の統合
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ベストプラクティスを使用してリード育成戦略を作成する。
- Account Engagement でリード育成戦略をサポートするコンポーネントを作成する。
概要と用語の説明
信頼を築くこと、貴重なインサイトを共有すること、すぐに対応することは、どのような関係でもすべて大切です。そして、プロスペクトや顧客とコミュニケーションをとる場合もこの 3 つを基本原則にする必要があります。相手の行動に対して関連性の高い有益なメールでリアルタイムに応答する際、相手の独自のビジネスニーズに合わせたコンテンツを送信して相手を一個人として対応すれば、数ある企業の中の 1 つではなく、信頼のできるビジネスパートナーになります。
リード育成は、タイミングを計りながら個々人に反復的にアプローチしていくプロセスです。細かな配慮で顧客を驚かせ、コンテンツで顧客を喜ばせ、考えを述べる前に話を聞くことで顧客を引き込みます。顧客とのビジネスを維持し、ロイヤルティを獲得します。
効果的なリード育成プログラムでは、以下の目標が達成されます。
- 適切なメッセージを適切なタイミングで届ける。
- 時間とリソースを節約する。
- 確固たる顧客関係を構築する。
先に進む前に、リード育成について知っておくべき一般的な用語について説明します。
用語 | 定義 |
---|---|
リード育成 |
マーケティングおよびコミュニケーションのメッセージを通して、ジャーニーのすべてのフェーズで顧客とのリレーションを発展させて維持するためのプロセス。 |
リード管理 |
マーケティングと営業の架け橋であり、リードを特定し、リードを評価し、リードを営業商談として処理するプロセス。 |
Engagement プログラム |
リード育成のためのキャンペーン。 |
Engagement Studio |
リード育成をパーソナライズして自動化するために利用できるリード育成ツール。 |
Account Engagement では、相手の行動や事前設定された間隔に基づいてメールをトリガーすることでリード育成を自動化します。つまり、例外なく、適切なプロスペクトに適切な情報を適切なタイミングで届けることができます。あなたの業界にどのような難題があるとしても、リード育成は有効な戦略です。
適切なタイミングでの適切なメッセージの提供
リード育成では、各メッセージをトリガーする条件を決定するため、常にメッセージが関連性の高いものになります。それぞれの顧客に対する理解が深まるにつれ、マーケティング戦略に新しい情報が反映されていきます。
最も効果的なリード育成キャンペーン (Account Engagement では「Engagement プログラム」とも呼ばれます) では、組み込みのセグメンテーションを含めてダイナミックコンテンツを作成することで、常に的を絞った最新の情報に基づいて顧客とコミュニケーションを取ります。1 対 1 の育成プログラムを通して、プロスペクトや顧客との 1 対 1 のコミュニケーションを心がける必要があります。
また、顧客の言動 (たとえば、顧客が価格ページを表示した場合、イベントの参加登録をした場合、顧客が業界や役職を教えてくれた場合など) に応じた対応をするようにキャンペーンを設定する必要があります。
これはまさに、Acme カンファレンスのタブレット抽選会でビジターがメールアドレスや他の情報を入力したときに備えた Cindy の対応でした。彼女は、プロスペクトを Engagement Studio の Welcome プログラムに自動的に入力するための完了アクションを設定してあったのです。Engagement Studio は、これらのすべての顧客とのやり取りを管理してセグメント化するのに役立ちます。では、適切なメッセージを適切なタイミングで届けるための機能を見ていきましょう。
Engagement Studio
Engagement Studio のプログラムはカスタマイズ可能で、条件付きステップで構成されており、プロスペクトのジャーニーを細かく定義することができます。受信者を選択し、プログラムを作成してプロスペクトのエクスペリエンスに合わせて調整して、プログラムの内容をレポートすることで、営業チームに対して最も有望なリードを行動や評価値に基づいて生成します。Engagement プログラムはいつでも一時停止したり編集したりできます。
では、Engagement プログラムを実際に作成しましょう。
- [Automation (オートメーション)] に移動します。
- [Engagement Studio] を選択します。
- [+Add Engagement Program (+ Engagement プログラムを追加)] をクリックします。
- 名前を入力します。
- フォルダーを選択します。
- 説明 (内部専用) を入力します。
- [Recipients Lists (受信者リスト)] をクリックし、プログラムに含める、あるいはプログラムから除外するリストを選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
プログラムの設定を保存したら、ステップを追加して、プロスペクトパスを組み立てます。
あらゆる情報のつながりが拡大している今、顧客のニーズを把握し続けることは困難です。リード育成を自動化することで、Engagement Studio が、事前に設定済みのコンテンツやトリガーを利用して、顧客のニーズを自動的に判別して対応してくれます。
Engagement Studio では、リード育成キャンペーンが自動化され、評価済みリードの営業への引き継ぎなど、サイクルの各フェーズを進行する個々のリードをトラッキングする面倒なプロセスが排除されます。リードのスコアリングや評価機能を使用すれば、メールや Web サイト、その他のコンテンツに対する顧客のアクティビティやエンゲージメントに基づいてスコアを付けることができます。
時間やリソースを節約する
あらゆる情報のつながりが拡大している今、顧客のニーズを把握し続けることは困難です。企業としての情報整理にほんの少しの時間を費やしておけば、将来的には膨大な時間やリソースを節約できます。そのための 3 つの簡単な方法を見てみましょう。
命名規則を決めておく。自分の Account Engagement アカウントをまだ整理していない場合は、時間を作って整理しておくことが重要です。コンテナを再利用したり既存のリストやアセットを参照したりすることになるため、コンテンツを見つけやすくする必要があります。命名規則を決めておくことで、構造が確立され、プログラムにアセットを追加するプロセスが簡素化されるため、アカウントが整理されます。この命名規則はトピック、アセットタイプ、日付、チャネル、プログラム名などに使用できます。すべてのアセットは重要ですが、最初はリスト名から始めることをお勧めします。
セグメンテーションが正確に行われるようにデータをクリーンアップする。命名規則を選択したら、Account Engagement の既存のアセットをすべて更新します。最初にプロスペクトのメールアドレスを再確認し、一致するレコードや同じレコードの重複がないことを念入りに確認します。
項目の差し込み印刷のデフォルト値を設定する。プロスペクト項目が空白であってもすべてのメールに関連情報が表示されるようにするには、項目の差し込み印刷のデフォルト値を設定します。これらの値を設定しておけば、[Your Name] 様のように表示されたメールを送信するといった失態を回避できます。
差し込み項目は、メールを迅速かつ簡単にパーソナライズするための手段です。では、実際に設定して、差し込み項目の例を見てみましょう。
- Account Engagement Lightning アプリケーションで、[Account Engagement Settings (Account Engagement 設定)] | [Object and Field Configuration (オブジェクトと項目の設定)] | [Prospect Fields (プロスペクト項目)] に移動します。
- カスタム項目とデフォルト項目の両方のテーブルが表示されます。テーブルから操作する項目を見つけて [Edit (編集)] をクリックします下の例では、会社名がないレコード用に「your company」(あなたの会社) というデフォルトを作成しています。
- [Set a default mail merge value to be used when this field doesn’t have a value (この項目に値がないときに使用するデフォルトの差し込み印刷の値を設定する)] をオンにします。
- [Default Mail Merge Value (デフォルトの差し込み印刷の値)] に、デフォルト値を入力します。
- [Save default field (デフォルト項目を保存)] をクリックします。
顧客関係の構築
強固な関係は時間をかけてゆっくりと構築されます。リード育成の自動化は、こうした本質を念頭に設計されています。根本的に、リード育成とは、カスタマージャーニーを通して関連性の高いメッセージやメールをリードに送信するための自動プロセスです。
この第一歩は、エンゲージメントの論理的な順序を練ることです。次に、定義したパスに沿ってプロスペクトを進行させる、関連性の高い多様なコンテンツを作成します。たとえば、新しいクライアントを対象とするウェルカムシリーズや、既存のクライアントを対象とするソリューションベースのシリーズを作成します。育成プログラムが成功するかどうかはコンテンツに左右されるため、幅広いコンテンツタイプやトピックを用意しながらも、常に価値の提供を目的とします。
この単元では、顧客との関連性が高く、顧客に合わせて調整されたリード育成戦略を作成する方法を学習しました。また、長く続く信頼関係の構築に役立つカスタマージャーニーのパーソナライズの重要性を学習しました。リード生成とリード育成を組み合わせて、包括的でパーソナライズされた顧客にとって有意義なエクスペリエンスを作成することで、すべての関係者にメリットがもたらされます。これで、リードを生成し、営業チームに渡せるようになるまで育成するための準備ができました。