Pardot でのプロスペクトとビジターの処理方法について
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Pardot でビジターのアクティビティをどのように追跡するのかを説明する。
- Pardot トラッキングコードにアクセスする。
- Pardot でプロスペクトがどのように作成されるのかを説明する。
クッキーで痕跡をたどる
Pardot でビジターとは、Web サイトを訪問した匿名の人々です。Web サイトを Google 検索で 見つける人もいれば、参照リンクやソーシャル投稿から訪問する人、あるいはブラウザに URL を入力してアクセスする人もいるでしょう。こうしたビジターはサイトを閲覧しながら、リンクをクリックしたり、価格設定ページを表示したり、ホワイトペーパーをダウンロードするなど、さまざまなアクションを実行します。ビジターが (メールアドレスなどの識別情報を入力して) プロスペクトにならない限り、こうした人々に直接マーケティングを行うことや、Pardot の一般的なリードの生成ファネルを進行させることはできません。
幸いにも、『ヘンゼルとグレーテル』というグリム童話のヘンゼルのように、ビジターが閲覧する Web サイトに Pardot トラッキングコードを設定すれば追跡可能な痕跡が残されるため、後々利用することができます。Pardot では、ビジターが初めて Web サイトを訪問した時点でそのブラウザにトラッキングクッキーを追加して、ビジターを変換する以前からそのインタラクションやアクティビティを追跡できます。クッキーとは、Web ブラウザからユーザのコンピューターに送信され保存される少量のデータです。Pardot の場合はクッキーを使用して、Web サイトを閲覧しながらマーケティング資料を操作するユーザのアクティビティを追跡します。このクッキーから、ユーザの閲覧行動の全容が判明します。
以下は、Pardot が設定する 2 つのクッキーです。
- ビジタークッキー: ビジタークッキーは、ビジターの一意の識別子 (visitor_id) と、アカウントの一意の識別子 (サイトに配置されたトラッキングコードから派生) で構成されます。たとえば、「visitor_id12345」という名前のクッキーが「123456789」というビジター値を保存する場合、12345 がアカウントの識別子で、123456789 という文字列全体がビジター ID を表します。クッキーは、こうしたトラッキング値を使用して、サイト上のビジターやプロスペクトのアクティビティを保存します。
- オプトインクッキー: Pardot では「トラッキング拒否」イニシアチブに準拠するために「pi_opt_in」という永続的なクッキーを使用しています。 このクッキーにより、人々が各種のブラウザ追跡からオプトアウトできます。
これらのクッキーはオプトアウトを選択しない限り、ブラウザに留まります。ビジターがプロスペクトに変換されると、これらのクッキーによって各プロスペクトの関心や行動、アクティビティに関する豊富な情報が提供されます。Pardot では、この追跡可能なビジターデータをすべて保管し、各プロスペクトの Pardot レコードに追加して、各人のアクティビティの進行を継続的に監視します。新しい GDPR ガイドラインと、Pardot がどのように役立つかについての情報は、こちらを参照してください。
プロスペクトとは?
プロスペクトについて説明してきましたが、ビジターとプロスペクトの違いがはっきりしていないかもしれません。サイトビジターがメールアドレスを提供すると、Pardot ではそのビジターをプロスペクトと呼びます。メールアドレスはプロスペクトを作成するために必要な情報の 1 つです。Pardot には各プロスペクトのレコードがあり、Salesforce の対応するリードまたは取引先責任者レコードと同期させることができます。Pardot でメールを送信するときは、プロスペクトに送信します。
Pardot でのプロスペクトの作成方法
Pardot ではプロスペクトが数通りの方法で作成されます。ごく一般的な方法は、ビジターが各自のメールアドレスを記入したフォームを登録することですが、次の 3 種類のやり方があります。
- Web ページに埋め込まれた Pardot フォームを登録する
- Pardot フォームハンドラに接続されたサイト上のフォームを登録する
- Pardot ランディングページでホストするフォームを登録する
フォーム、フォームハンドラ、ランディングページについては、このモジュールの後半で詳しく説明します。この時点では、フォーム、フォームハンドラ、ランディングページを登録することで、ビジターがメールアドレスをはじめとする情報を簡単に提供して、特定済みのプロスペクトになれることを理解しておいてください。このプロセスをビジターのプロペクトへのコンバージョンともいいます。
プロスペクト監査
各プロスペクトレコードには監査テーブルが含まれており、プロスペクトのアクションが表示されます。[監査] ページには、プロスペクトが情報を入力したときに Pardot によって取得されたすべてのデータが表示されます。監査は、アクションの名前と、プロスペクトレコードに関して変更された情報で構成されます。監査には、変更の種別とプロスペクトレコードが変更された日付が含まれています。特定の項目名をクリックすることで、その項目と監査に関する追加情報にアクセスできます。項目変更の監査は、30 日間保存されます。
Pardot トラッキングコードの確認場所
「Pardot Lightning アプリケーションの基本」モジュールを修了している場合は、Cloudy Consulting でマーケティングマネージャーを務める Leung Chen をご存知でしょう。Leung は Cloudy Consulting に Pardot を実装する仕事を任されています。
Pardot を実装するうえで Leung がすべき最初の作業の 1 つが、Pardot トラッキングコードを Web サイトに追加することです。これはサイトビジターにクッキーを設定するプロセスの第一歩です。[Pardot キャンペーン] タブは、Pardot Lightning アプリケーションタブの標準ではありません。追加するには、左上隅にあるアプリケーションランチャーをクリックし、「Pardot キャンペーン」と入力してタブを検索します。Pardot 管理者は、上部にあるデフォルトの主タブをカスタマイズしてこのタブを含めることができます。または、個々のユーザが直接自分のタブをカスタマイズできます。
では、Pardot トラッキングコードにどのようにアクセスするかを見てみましょう。
[Pardot キャンペーン] タブをクリックします。
- [Web サイトトラッキング] キャンペーンを選択します。
- [トラッキングコードを表示] をクリックして、Web サイトの一意の Pardot トラッキングコードにアクセスします。
- コードをコピーします。
Web ページの HTML で、終了 body タグ (</body>) の前にキャンペーンのトラッキングコードを貼り付けます。
カスタムリダイレクト
最後に、Pardot のカスタムリダイレクトでは、自社の Web サイトやサードパーティのサイト上の任意のリンクを追跡し、Pardot の外部でホストされているファイル (ソーシャルメディアページ上のリンクやサードパーティサイト上のバナーなど) にアクセスできます。リンクのクリックは、プロスペクトのレコードでアクティビティとして表示されます。カスタムリダイレクトに完了アクションを追加してクリック時のアクションを自動化することもできます。また、特定のリンクをクリックしたすべてのプロスペクトのリストも表示できます。Google Analytics パラメータを使用している場合、作成中にそれらをリンクに組み込むことができます。
ページアクションは完了アクションであり、プロスペクトのページビューによってトリガーされます。ページアクションは、Pardot のトラッキングコードを含むページに適用できます。
カスタムリダイレクトレポートでリダイレクトのパフォーマンスの概要を取得できます。ビジターまたはプロスペクトがカスタムリダイレクトをクリックすると、[カスタムリダイレクトの統計情報] テーブルにクリックが記録されます。テーブルは、タグ、キャンペーン、日付範囲で絞り込むことができます。
Pardot ではどのような方法でビジターのアクティビティを追跡し、ビジターをプロスペクトに変換するのかを理解することは、Pardot の最も重要な概念の 1 つです。次の単元では、プロスペクトを Pardot キャンペーンに追加する方法をご紹介します。