メールマーケティングの使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- メールマーケティングとマーケティングオートメーションの違いを説明する。
- Account Engagement のパーミッションポリシーについて説明する。
はじめに
マーケターであれば、マーケティングコンテンツの配信とカスタマージャーニーのあらゆるステップでパーソナライズされるエクスペリエンスについて多くのことを聞いているでしょう。現在、マルチチャネルのコンテンツ配信が重視されていますが、メールは依然として顧客に優れたエクスペリエンスを配信する主要な手段であり、マーケティング戦略に不可欠な要素です。Marketing Cloud 2017 年 State of Marketing (マーケティングの現状) レポートでは、B2C および B2B マーケターにとって、メールマーケティングはこれまでと同様に効果的であるという、当然の調査結果が出ています。
企業やブランドから受け取るメールの種類について考えてみてください。歓迎メール、新商品または機能の発表、イベントへの招待、リソース、ニュースレターをはじめ、実に多くのものがあります。さらに、メールは顧客の行動を把握する手段でもあります。どのメールを開封するか、どのデバイスを使用しているか、どのコンテンツとオファーを調べたかなどを確認できます。
このように、メールはビジネス戦略の中心であり、オーディエンスにリーチする主要な手段でもあります。とはいえ、Marketing Cloud Account Engagement というマーケティングオートメーションプラットフォームの中でのメールマーケティングの位置付けがよくわからない方もいるでしょう。
違いは何か?
「メールマーケティング」と「マーケティングオートメーション」の違いについて混乱しているのはあなただけではありません。熟練したマーケターでさえ、時々、どのマーケティング用語を使えば本当の価値を提供するツールが見つかるのか苦心します。こうした業界用語が、マーケティングオートメーションとメールマーケティングの境界を曖昧にしているように思えますが、実際には、区別はかなり簡単です。
まず、定義から始めましょう。
- メールマーケティングは、一括メールの送信、返信のトラッキング、それらに関するレポートに役立つツールです。
- マーケティングオートメーションは、複数のオンラインチャネル (メール、ソーシャルメディア、Web サイトなど) でより効果的なマーケティングを可能にし、反復作業を自動化するソリューションです。
簡単に言うと、メールマーケティングがツールであるのに対し、マーケティングオートメーションは包括的な戦略です。
メールマーケティングでは、メールの送信のみを制御します。マーケティングオートメーションでは、メールを含むあらゆるチャネルでの見込み客や顧客とのインタラクションプロセスを自動化できます。このモジュールでは、Account Engagement を使用したメールの作成と送信のみを取り上げます。
パーミッションマーケティング
信頼は、Salesforce にとって最も重要な価値の 1 つであり、Salesforce はお客様とお客様の顧客に対するその責任を真摯に受け止めています。信頼を維持するために、Account Engagement ではパーミッションメールマーケティングのみをサポートしています。Salesforce のプラットフォームを使用したスパムや迷惑メールの送信に対しては厳しい態度で臨んでいます。スパムとは、受信者が要求していない未承諾の商用メール、ジャンクメール、一括メールです。簡単に言うと、スパムの正反対がパーミッションメールで、要求され、待たれている、個人的な関連性のあるメールです。
Account Engagement のパーミッションマーケティングポリシーでは、Account Engagement のお客様にとってパーミッションメールがどういうものかを定めています。最も重要なのは、スパムメールを送信してはならないこと、また、購入または借用したリストを使用して明示的な許可なく受信者にメールを送信してはならないことです。代わりに、「オプトイン」登録者リストを作成して管理します。こうしたリストは、Account Engagement のリード生成ツールを使用して時間をかけ徐々に構築できます。オプトインプロセスを管理しやすいように、Account Engagement を介して送信するすべてのメールには登録解除またはオプトアウトオプションが必ず追加されます。
すべてのメール送信で CAN-SPAM ガイドラインを順守
Account Engagement 独自のパーミッションマーケティングポリシーに加え、送信するメールは CAN-SPAM ガイドラインにも従う必要があります。CAN-SPAM ガイドラインの順守方法については、「メールマーケティング戦略」モジュールの「法令順守ガイドラインの徹底」単元を参照してください。
一部の要件を説明しましょう。
- 虚偽的または誤解を招くヘッダー情報を使用しない。ヘッダー情報で送信者を明確にする。
- 虚偽的な件名を使用しない。メールのコンテンツとはかけ離れた件名行で受信者を欺き、メールを開封させてはいけません。たとえば、件名行に無料で Trailblazer パーカーが当たると記載した場合、メールの本文には受信者の応募方法に関する情報が含まれている必要があります。
- メッセージが広告であることを明らかにする。メールのコンテンツが広告または勧誘である旨を明示します。
- 受信者に送信者の所在地を伝える。メールの任意の場所に必ず所在地の住所を記載します。記載する場所は、メールの上部でも下部でも中央でも構いません。記載されていることが重要です。会社が実在することを示します。
- 受信者に今後のメール受信をオプトアウトする方法を伝える。登録者がワンクリックで登録解除できる、わかりやすい方法を設定します。メールの末尾にリンクとして設定することをお勧めしますが、どの場所でも登録者が見つけやすくします。
こうした CAN-SPAM ガイドラインが重要なのは、それが法律であるからだけでなく、ガイドラインに従うことで、メール受信者の時間と注意に配慮する、信頼できる誠実な企業として認められるからです。
リソース
- Marketing Cloud Account Engagement Permission Based Marketing Policy (Marketing Cloud Account Engagement のパーミッションマーケティングポリシー)
- Fourth Annual State of Marketing (第 4 回年次マーケティングの現状) レポート (2017 年)
- 5 Steps to Successfully Integrate Email into Your Inbound Marketing Channels (インバウンドマーケティングチャネルへのメール統合を成功させる 5 ステップ)