Pardot ビジネスユニット入門
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- データと Pardot ビジネスユニットとの関係を説明する。
- Pardot ビジネスユニットを設定するための適切な機能とライセンスを決定する。
- Salesforce 組織と Pardot ビジネスユニットの関係を説明する。
- ビジネスユニット切り替えの利点を挙げる。
メモ: Pardot ビジネスユニットは、2019 年 2 月 11 日以降に購入またはアップグレードした Pardot Advanced ユーザーが利用できます。
はじめに
Get Cloudy の Pardot 管理者である Leung は、Pardot ビジネスユニットについて聞いたばかりで、もっと知りたいと思っています。Leung が Get Cloudy に Pardot ビジネスユニットを実装する様子を見ていきましょう。
Leung は、会社の Pardot ビジネスユニットの設定を開始する前に、このユニットとデータ間でどのようなやりとりと連携が行われるのかを理解する必要があります。Pardot ビジネスユニットは 1 つの Salesforce 組織と統合されますが、各ユニットは分割されたそれぞれの Pardot データベースとして扱われます。
企業のマーケティング目標は、すでに地理または商品ラインなどのさまざまな条件に基づいて設定されています。Pardot ビジネスユニットを使用すると、会社の各部署がそれぞれのマーケティングニーズに専念できます。プロスペクト、マーケティングアセット、設定はビジネスユニット別に分割されるため、部署ごとに独立してマーケティング活動を進めることができます。これにより、地域のチームやサブブランドがそれぞれのセグメント化されたオーディエンスにリーチできるようになります。
Pardot ビジネスユニットを使用すると、Leung は ブランドオーディエンス、地域、または事業部門を指定し、Get Cloudy のキャンペーンをより適切に調整しながら、企業のパフォーマンス全体を把握することができます。また、Get Cloudy のマーケティング チームも、重複しているアウトリーチ活動をより詳細に表示できるようになります。
Pardot ビジネスユニットとデータ
開始する前に、Leung は Pardot ビジネスユニットと既存のデータがどのように相互に作用するのかを理解する必要があります。Pardot ビジネスユニットは 1 つの Salesforce 組織と統合されますが、各ユニットは独立したそれぞれの Pardot データベースとして扱われます。これにより、横方向に配置されることになり、個々の Pardot アカウント間では積み上げ集計も通信も行われません。ご覧のように、ビジネスユニットに階層関係はありません。
各ビジネスユニットにはそれぞれ次のものがあります。
- Salesforce コネクタ
- プロスペクト
- マーケティングアセット
- セグメンテーションとオートメーション
- 設定
各ビジネスユニットにはそれぞれ独自のデータベースがあるため、B2B Marketing Analytics で各ビジネスユニットのデータセットを組み合わせて、データの全体像を把握する必要があります。
開始する際の考慮事項を見てみましょう。
- ビジネスユニット機能には Pardot Lightning アプリケーション内でのみアクセスできます。
- ビジネスユニットをプロビジョニングすると、Salesforce-Pardot コネクタが自動的に一時停止状態で作成されます。コネクタユーザーには、Pardot と Salesforce の間で同期を実行する Salesforce オブジェクトの「すべてのデータの参照」権限と「すべてのデータの編集」権限が付与されます。
- 初回にコネクタの一時停止を解除する前に、ビジネスユニットごとに同期する対象を制限して、レコードの重複やレポートの偏向を回避してください。
ビジネスユニット切り替えを使用すると、Salesforce 内で Pardot 要素を切り替えることができます。この機能については後で詳しく説明しますが、現時点では以下の点を覚えておいてください。
- 複数のビジネスユニットに属するユーザーは、CRM ユーザー名も同じものにする必要があります。これで、複数のビジネスユニットに存在できます。
- コネクタバージョンを V2 にアップグレードすると、複数のビジネスユニットにユーザーを配置できます。
- 組み込まれた Pardot 要素のみが切り替わり、Salesforce コンテンツは切り替わりません。たとえば、ビジネスユニットを切り替えると、Pardot のプロスペクトは更新されますが、Salesforce のリードリストは更新されません。
スニペット
スニペットとは、データ、画像、テキスト、リンク、日付などの再利用可能なコンテンツブロックです。スニペットは、キャンペーン全体でコンテンツを更新するのに最適な方法です。Get Cloudy では、キャンペーン全体でスニペットを使用した結果、生産性が向上しました。各キャンペーンを簡単に更新して、関連するすべてのメールに変更を反映できるようにもなりました。Get Cloudy のマーケティングチームは、キャンペーンの関連付けに関係なく、アセット全体にスニペットを適用することで、さらに改善を図ることができます。これは、法的免責事項やプライバシーポリシーなどのコンテンツに最適です。
Leung は、自分の著作権の日付スニペットを更新したいと考えています。そのためには、次の手順を実行します。
- [関連] タブに移動し、著作権スニペットを選択します。
- [割り当て] 関連リストの新しい列に、スニペットがキャンペーン用なのかビジネス用なのか、スニペットのコンテキストが示されていることがわかります。これで、割り当てが作成されたので、そのビジネスユニット内のあらゆるアセットでスニペットが利用できるようになりました。
キャンペーンとビジネスユニットは 1 対 1 の関係です。各ビジネスユニットを子キャンペーンとして持つ親キャンペーンには、ビジネスユニット間のデータが表示されます。Salesforce の各キャンペーンが接続される Pardot ビジネスユニットは 1 つのみである必要があります。お客様がビジネスユニットにまたがるキャンペーンを必要としている場合は、どのビジネスユニットにも接続されていない親を作成し、各ビジネスユニットの子キャンペーンを設定できます。このようにすると、親キャンペーンのエンゲージメント履歴の総計値を積み上げて集計することができます。
Pardot の複数トラッカードメイン機能は、すべての Pardot ユーザーが利用できます。また、この機能を使用すると、複数の検証済みトラッカードメインを持つアカウントで、このようなトラッカードメインのいずれかを特定のアセットに適用できます。次のアセットタイプは、プライマリトラッカードメイン以外のトラッカードメインを使用するように作成と編集が可能です。
- メールテンプレート
- ランディングページ
- フォーム
- メールプリファレンスセンター
- ファイル
- カスタムリダイレクト
Leung は、複数のビジネスユニットでトラッカードメインを作成できるが、トラッカードメインはいずれかのビジネスユニットでしか検証できないことを知っています。また、Get Cloudy には複数の Pardot ビジネスユニットがあるため、各アカウントで全く同じドメインを使用できないことも理解しています。そのため、ビジネスユニットごとにトラッカードメインを少し変更する必要があります。たとえば、go.getcloudy.com、go2.getcloudy.com、go3.getcloudy.com などのようにします。
上記のアセットタイプを編集する場合は、アセット編集ページの [トラッカードメイン] ドロップダウンを変更して、アセットのトラッカードメインを選択します。トラッカードメインが選択されていない場合、Pardot ではデフォルトでアカウントのプライマリトラッカードメインが選択されます。
ビジネスユニット間の切り替え
Pardot 管理者やマーケティングマネージャーなどの一部のユーザーは、会社のアセット、レコード、設定を管理するためにビジネスユニットを切り替える必要があります。ここで役に立つのが、ビジネスユニット切り替えです。
ビジネスユニットを切り替えるためには、Leung は次のことを満たしている必要があります。
- 2019 年 4 月 25 日以降に購入された Pardot アカウントのユーザーである。
- Pardot Lightning アプリケーションへのアクセス権がある。
- 複数のビジネスユニットにユーザーレコードがある。ビジネスユニットは同じ Salesforce 組織からプロビジョニングされ、その組織に接続されている必要があり、各 Pardot ユーザーレコードは同じ Salesforce ユーザーに接続されている必要がある。
ビジネスユニットを切り替えると、Pardot コンポーネントには現在のビジネスユニットのデータとアセットがのみ表示されます。Pardot コンポーネントを含まないページ (キャンペーンリストビューなど) は、ビジネスユニットを切り替えても影響を受けません。たとえば、[プロスペクト] ページには、現在のビジネスユニットに関連付けられたプロスペクトレコードのみが表示されます。[リード] ページ、[取引先責任者] ページ、[キャンペーン] ページ、[レポート] ページでは、ビジネスユニットの切り替えは Pardot Visualforce ページと、そのページの Lightning アクションとコンポーネントにのみ影響します。
ここまで、Get Cloudy の新しいビジネスユニットを作成する前に、Leung が確認すべき考慮事項について説明しました。また、Pardot ビジネスユニットとデータがどのように連携しているかについても学習しました。次の単元は、新しいビジネスユニットを作成します。