リードの評価と営業担当への転送
学習の目的:
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 受信したリードの優先順位付けの重要性を説明する。
- マーケティングによるリードの効果的なスコアリングを支援する方法を説明する。
- リードを迅速かつ効果的に評価する方法を説明する。
大幅な時間の節約
会社は多数のリードを受信しますが、営業担当の人数は限られているため、営業担当の時間に適切な優先順位を付けることが重要です。すでに購入の意志が固まっているリードと、興味はないが eBook をダウンロードするためだけにフォームに入力したリードがある場合、営業担当はどちらのリードをフォローアップすべきでしょうか? (この質問には答えなくてもかまいません。)実際には、リードの程度はさまざまで、見込みがあって営業担当による商談の成立が容易なリードもあれば、見込みがなくて成立が可能性なリードもあります。営業担当がそれらを区別できるように支援する必要があります。それにはマーケティングとの連携が必要です。
営業リーダーがマーケティングチームと協力して、営業担当の成功のための準備を整えます。これもまた、従来はマーケティングが単独で行っていた業務ですが、営業とマーケティングが協力すれば、魅力的なリードを生成するドリームチームを結成できるのです。
最良のものを選択
「Account Engagement でのリードのスコアリングとグレーディング」単元では、Salesforce が受信リードのスコアリングにどう役立つのかを説明しました。その単元をまだ学習していない方のために、要点をご説明します。特定の要素は、リードの成立の可能性を予測するために非常に適しています。Salesforce にこれらの要素を与えると、営業担当ができるだけ早く連絡すべき最良のリードがどれか、今すぐ除外できるリードがどれかを判断できます。
では、どの要素が最良の予測変数となるのでしょうか? Salesforce Einstein を使用すれば、その質問に答えることができます。または Account Engagement を使用することもできます。Account Engagement では、クリック、訪問、フォーム送信など、オンライン活動に対するデフォルトのスコアリングシステムが提供されます。Sales Cloud ライセンスにすでに含まれている機能のみを使用する場合は、多少手間はかかりますが、レポートをいくつか実行し、現在までに組織で見られた差異の要因を調べることができます。
通常、主要な要素は次の 2 つのカテゴリに分類されます。
見込み客の統計 (企業統計データともいう)
- 業種
- 企業規模 (従業員数または収益)
- 取引先責任者の役職 (つまり、購入権限があるかどうか)
見込み客のアクション
- Web サイトを訪問した
- Web セミナーに参加した
- デモを要求した
次に、これの各項目にポイントを付与します。たとえば、製品のデモを要求した人には Web サイトを訪問しただけの人よりも多くのポイントを付与したり、購入権限を持っている可能性が高い役職を持つ人にはそうでない人よりも多くのポイントを付与したりできます。理想は、企業統計データの評価が高く (つまり、見込み客として適切である)、アクションのスコアも高い (つまり、見込み客が積極的である) ことです。そのようなリードであれば、いつでも営業に渡すことができます。
簡単に言えば「より多くのポイント = より良いリード = 営業に渡す」ということです。
従来は、どの項目により多くのポイントを付与するのか、どれだけのポイントレベルになればリードを営業に渡すのかをマーケティングが決定していました。それには妥当な理由があります。マーケティング担当者は、データ処理に長けていることが多く、それを活用して理想的な顧客のプロファイルを構築できるためです。ただし、これは営業リーダーにとっても関与するチャンスです。顧客と (場合によっては長年) 直接関わってきた営業リーダーは、そのプロファイルを強力にする追加の知識を持っていることでしょう。このチャンスを利用して、マーケティング部門と連携し、最良のリードだけを選別する仕組みを構築しましょう。
リードの評価
リードのスコアリングによって、明らかに適していないリードや商談にならないリードを除外し、見込みのあるリードを営業担当に渡すことができます。ただし、営業担当が商談を成立させるには時間がかかります。販売サイクルによっては数週間、または数か月もかかる場合があります。そこで、営業担当が労力を費やす前に踏んでおくべきステップがもう 1 つあります。それがリードの評価です。リードを評価することによって、営業担当は、理論上適切に見えるリードが、実際にも見込みがあることを確認できます。営業担当は成立の可能性がある商談のみに時間と労力を費やすことができるのです。
リードの評価は、営業担当の時間を節約するためのものですから、そのプロセス自体に時間がかからないようにする必要があります。リード評価を Sales Cloud に組み込んで簡略化してしまえば、迅速かつ徹底的にリードを評価できるようになります。それはつまりどういうことでしょうか? リードを評価するために営業担当が知る必要がある情報を考慮して、それを入力する場所を Sales Cloud に作成します。
たとえば、営業担当の話している相手が実際に予算を持っているかどうかを確認する必要がある場合は、Sales Cloud に顧客の予算を入力する場所を作成します。また、リードが購入の決定権をもっているかどうかを確認する必要がある場合は、それを入力する場所を作成します。さらに、営業担当が商談を進行させるには、それらの項目を必ず入力しなければならないようにもできます。
営業担当によるリード情報の入力を必須にすることで、次のことを実現できます。
- 営業担当が、収集する情報を忘れないようにできる。
- 情報を追跡する場所ができ、後で必要になったときに参照できる。
- 営業マネージャーがパイプラインを確認するときにその情報を参照できる。
マーケティングチームと連携することによって、営業とマーケティングの両者が目指す良質で安定したリードを獲得する方法を学習しました。これで、営業担当は、適切ではないリードに時間を浪費するのではなく、取引開始の可能性が高いリードに時間を割くことができます。次は、素晴らしいリードが商談になった後、それを管理方法について説明します。
リソース
- Salesforce Einstein についてさらに詳しく
- Quotable 記事: The Why and What of Sales and Marketing Alignment (営業とマーケティングの意思統一の理由と概要)