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Search Conversion (検索コンバージョン) ダッシュボードで検索と収益の関係を明らかにする

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 有意義なストアフロント体験において検索が果たす役割について知る。
  • Search Conversion (検索コンバージョン) ダッシュボードについて説明する。
  • 検索コンバージョンの指標を定義する。
  • 検索コンバージョン指標によって、どのようにオンサイト検索戦略のパフォーマンスに関するインサイトが提供されるかを説明する。

Search Conversion ダッシュボードについて知る

オンサイト検索は、e コマース商品戦略の成功にとって不可欠な要素です。Cloud Kicks のシニアマーチャンダイザーである Brandon Wilson は、検索戦略をマーチャンダイジングアプローチに統合することで、買い物客が検索を使用する方法を活用できることを知っています。また、Cloud Kicks の検索戦略で、買い物客の検索を確実に注文や収益に返還されるようにしたいと考えています。

Cloud Kicks の検索戦略によって検索が注文にどの程度変換されているかを追跡するために、Brandon は B2C Commerce の Search Conversion ダッシュボードを使用しています。このダッシュボードでは、検索コンバージョン指標が 2 つのレポートで提供されます。

  • Summary (概要) テーブル (1)
    • 検索コンバージョン指標の概要
  • Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン) テーブル (2)
    • 結果が返された検索フレーズのコンバージョン指標
    • 結果が返されなかった検索フレーズのコンバージョン指標

過去 2 週間の結果が表示されている Search Conversion ダッシュボード。

検索コンバージョンの概要の指標

[Search Conversion (検索コンバージョン)] タブの概要指標では、サイト訪問ごとの検索コンバージョンを確認できます。[Summary (概要)] テーブルには、検索指標ごとに、すべての訪問、検索と結果ありの訪問、検索あり/結果なしの訪問、検索なしの訪問のデータが表示されます。 

次の表で、[Search Conversion (検索コンバージョン)] の [Summary (概要)] テーブルについて説明します。すべての指標は、ダッシュボードで設定された期間を対象にして計算されます。

指標 説明
Visits (訪問)

All Visits (すべての訪問): 期間中のサイト訪問の合計数。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 1 回以上の検索で結果が返されたサイト訪問の数。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): すべての検索で結果が返されなかった訪問の数。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問の数。

メモ

メモ: 一意の検索ありのサイト訪問では、その訪問に起因する複数の結果が返される複数の検索が行われることがあります。このような場合、その訪問は検索結果が返された 1 回の訪問とみなされます。注文後に検索された新しい検索語は、新しい検索訪問とみなされます。

[Visits (訪問)] の概要指標を使用して、買い物客がサイト内で検索を使用する頻度や検索結果が返されるようにする上での検索戦略の効果を評価します。たとえば、検索数が多くても結果が返されないという傾向が続いている場合、最新の関連する検索語が含まれるように検索ライブラリを更新する必要があることを示しています。

Order Conversion (注文コンバージョン)

All Visits (すべての訪問): すべての訪問の注文コンバージョン率。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 検索結果が返された訪問の注文コンバージョン率。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 検索で結果が返されなかった訪問の注文コンバージョン率。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問の注文コンバージョン率。

注文コンバージョン率指標を使用して、コンバージョン率とコンバージョン目標を比較することで、検索戦略の注文コンバージョンに対する影響を評価します。各指標について、検索戦略の成功に沿ったコンバージョン率を決定します。たとえば、効果的な戦略では、各指標のコンバージョン率が目標を達成または上回ります。指標の検索コンバージョン率が想定を下回っている場合は、検索設定の変更が必要であることを示します。

メモ

メモ: コンバージョン率のみを指標として考えると、判断を誤る可能性があります。たとえば、コンバージョン率が高くても検索数が少ない場合は、結論を出すのに十分なデータサンプルが得られないことがあります。コンバージョン率から結論を導き出すには、結果と他の概要指標 (注文数や注文ごとの商品数など) の相互関係を比較することがベストプラクティスです。

# Orders (注文数)

All Visits (すべての訪問): すべての訪問で行われた注文の合計数。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 検索結果が返された訪問で行われた注文の数。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 検索結果が返されなかった訪問で行われた注文の数。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問での注文の数。

上記の指標を使用して、検索結果カテゴリごとの注文数を確認します。注文数が多いときに、平均注文金額が想定を下回っている場合は注意が必要です。たとえば、結果が返された検索から行われた注文数が多くても、その注文の多くが少額商品のプロモーションと連動している場合は、その注文から生じた収益は売上目標に達しません。

Avg. Merchandise Total per Order (注文ごとの平均商品合計額)

All Visits (すべての訪問): すべての訪問からの注文の平均商品金額。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 検索結果が返された訪問に起因する注文の平均商品金額。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 検索結果が返された訪問に起因する注文の平均商品金額。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問に起因する注文の平均商品金額。


上記の指標を使用して、検索カテゴリごとの注文金額を確認します。

Avg Merchandise Total Per Visit (訪問ごとの平均商品合計額)

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 検索結果が返された訪問ごとの平均商品金額。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 検索結果が返されなかった訪問ごとの平均商品金額。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問ごとの平均商品金額。

上記の指標を使用し、商品金額に関して、期間中に買い物客が検索結果にどのように反応したかを評価します。売上目標を満たす結果であるかどうかを確認します。たとえば、サイトの履歴データから、商品やプロモーションを検索した買い物客は注文をする可能性が高いことがわかります。この場合、検索結果が返された訪問の方が、他の種別の訪問よりも商品の平均金額が高くなると想定することができます。

Avg Items per Order (注文ごとの平均品目数)

All Visits (すべての訪問): すべての訪問の注文ごとの平均品目数。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 結果が返された検索に起因する注文ごとの平均品目数。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 結果が返されなかった検索に起因する注文ごとの平均品目数。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問ごとの平均品目数。

上記の指標の結果を使用して、オンサイト検索が注文に追加される品目数にどのように影響しているかを確認します。たとえば、商品が関連商品や付属品と一緒に表示されるように検索結果を設定し、注文ごとの平均品目数が想定を上回ったとします。この場合、検索結果が追加購入に影響を与えていると結論づけることができます。

Avg Visit Duration (平均訪問時間)

All Visits (すべての訪問): 訪問の平均所要時間。

With Unique Searches and Results (一意の検索と結果あり): 検索結果が返された訪問の平均所要時間。

With Unique searches and No Results (一意の検索あり/結果なし): 検索結果が返されなかった訪問の平均所要時間。

Without Searches (検索なし): 検索が行われなかった訪問の平均所要時間。

上記の指標を使用して、訪問種別ごとに訪問の所要時間を比較します。所要時間を評価し、想定値が満たされているかどうかを確認します。たとえば、結果が返される検索訪問では、他の商品やサービスに買い物客を誘導することで訪問期間が長くなると考えられます。 

検索フレーズのコンバージョンの指標

Search Conversion ダッシュボードには、概要コンバージョンテーブルに加えて、検索フレーズのコンバージョンテーブルも表示されます。このテーブルには、期間中に買い物客が使用したすべての検索フレーズがリストされます。このテーブルは、結果が返された検索フレーズ (デフォルト) または結果が返されなかった検索フレーズを表示するように設定することができます。ドロップダウンを使用して、結果が返された検索フレーズまたは結果が返されなかった検索フレーズを選択します。

次の表で、検索フレーズのパフォーマンス評価に役立つ、利用可能な指標について説明します。

指標 説明
# Searches (検索数) この指標を使用して、すべての訪問でフレーズが検索された回数を確認します。合計には、検索結果に適用された、それ以降の調整が含まれます。
# Visits (訪問回数)

フレーズが 1 回以上検索されたサイト訪問の数。

訪問数を使用して、訪問回数を同じフレーズの検索数と比較します。大きな差がある場合は、返された検索結果が効果的でないことを示します。

結果が返されなかったフレーズが表示される場合も、同じ比較を行います。大きな差がある場合、買い物客が検索結果を必要として、何度もその語を検索していることを示しています。そのフレーズを適切な検索辞書に追加することを検討してください。

# Orders (注文数)

検索フレーズに起因する検索で行われた注文の数。

注文数を使用して、検索フレーズの使用と関連している注文数を確認します。注文数は収益ではありませんが、注文と注文ごとの平均商品合計金額を相互に比較することができます。

Merch Total (商品合計額)






Avg Merch Total Per Visit (訪問ごとの平均商品合計額)




Avg Merch Total per Order (注文ごとの平均商品合計額)

各商品指標を確認することで、検索フレーズの結果がどのように顧客の注文に影響して、検索を収益に変換するという目標に役立つのかを把握できます。 

検索フレーズに起因する注文の商品金額。

検索フレーズの使用に起因する合計商品金額を確認し、検索フレーズの結果を評価するために使用します。


フレーズが 1 回以上検索された検索訪問での平均商品金額。

検索フレーズの結果が訪問時の注文商品金額にどのように影響するかを評価するために使用します。たとえば、検索フレーズが使用されて注文が完了した場合などです。 


検索フレーズに起因する注文ごとの平均商品金額。

買い物客にさらに商品を注文するように促す上で、検索フレーズの結果がどの程度効果的であるかを注文レベルで評価するために使用します。

Items per Order (注文あたりの品目数)

検索フレーズに起因する注文の平均品目数。

この指標を使用して、検索フレーズの結果に対する買い物客の反応を評価します。たとえば、結果が返された検索フレーズによって、買い物客が複数の商品を簡単にカートに入れることができるページに誘導されている場合です。この場合、この指標では、検索フレーズに対する注文ごとに複数の品目があることを示していると考えられます。

Order Conversion Rate (注文コンバージョン率)

検索フレーズが検索された訪問の注文コンバージョン率。

検索フレーズの結果によって、どの程度買い物客が注文を完了するように促されているかを確認するために使用します。他の指標と相互に比較して、コンバージョン率と商品金額の関連性を確認します。

指標を評価する

Brandon は、検索コンバージョンのデータを参照し、Top Search ダッシュボードで確認した適切な検索が検索コンバージョンにどのように反映されるかを確かめようとしています。ダッシュボードを起動するには、On-Site Search ダッシュボードから開始して、[Search Conversion (検索コンバージョン)] タブをクリックします。過去 2 週間のパフォーマンスを確認するために、ダッシュボードの日付範囲を過去 2 週間分が表示されるように設定します。 

検索コンバージョンの概要テーブル

[Summary (概要)] テーブルでは、Brandon は検索を注文に変換するために検索戦略がどの程度効果的であるかをすばやく確認できます。Brandon が [Summary (概要)] テーブルを確認すると、次の指標が目に付きました。  

  • 結果が返された検索の注文コンバージョンは 10.2% です。これは先月の数値より 5% 改善しており、新しい検索戦略が機能していることを示す確かな指標となります (1)。
  • 検索で結果が返された訪問の列では、テーブルにリストされている他の種別の訪問よりも、注文ごとの平均商品金額が高く、また注文ごとの平均品目数が多いことがわかります。Brandon は、この改善について、Cloud Kicks のオンサイト検索戦略および AI 駆動のパーソナライズされた検索候補を買い物客にリアルタイムで提供する Einstein Search Recommendations の成果だと考えています (2)。

過去 2 週間の結果が表示されている Search Conversion ダッシュボードの [Summary (概要)] テーブル。

Brandon は、ここのところ On-Site Search ダッシュボードで検索パフォーマンスを追跡しています。また、こういった基準がすべての訪問や検索なしの訪問の基準を下回った場合、Cloud Kicks の検索戦略を修正する必要があることも承知しています。現在、数値はすばらしく、この数値が示すパフォーマンスは満足のいくものです。

検索フレーズのコンバージョンテーブル 

次に、Brandon は [Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブルを確認します。デフォルトのデータビューには、結果が返された検索フレーズが訪問数の多い順でリストされています (1)。列の並べ替えオプションで、データの表示を変更することができます。また、テーブルのドロップダウンを使用して、結果が返された検索フレーズから結果が返されなかった検索フレーズに表示を変更することもできます (2)。

過去 2 週間の結果が返された検索フレーズに関連付けられている指標が強調表示された Search Conversion ダッシュボード。

Brandon は結果が返された検索フレーズの指標を確認すると、次の指標が目に留まりました。

  • 訪問数で並べ替えた場合 (1)、FasterSocks が上位検索フレーズとしてリストされます (2)。Brandon にとってこの結果は想定どおりです。ダッシュボードの日付範囲が Cloud Kicks で FasterSock の BOGO (1 つ買うともう 1 つは無料) プロモーションが実施された日付と一致するためです (3)。
  • Faster Socks の他のコンバージョン指標も印象的で、注文コンバージョン率は 17.3% (4)、注文ごとの品目数は 2.3 です (5)。これらの数値は Cloud Kicks の 2 週間平均を上回っています。

次に、売上や商品数を確認できます。コンバージョン指標を見ると、BOGO プロモーションのおかげで、買い物客が対象商品と定価商品の両方をカートに追加して注文した可能性が高いことがわかります。すばらしいですね。 

訪問数で並べ替えた [Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブルの指標が強調表示されている Search Conversion ダッシュボード。

  • Brandon が検索フレーズを商品合計金額で並べ替えると (1)、Cloud Kicks の最新トレイルランナーシューズの名前である Soft Rock が上位検索フレーズとしてリストされます (2)。この結果に、Brandon は大喜びです。
  • また、Soft Rock の検索のコンバージョン率は 11.89% です (3)。チームは、Soft Rock トレイルランナーの販売促進キャンペーンを実施しています。こういった検索コンバージョンの結果は、商品名が顧客に支持され、Soft Rocks の検索が注文に変換されていることを示しています。

商品合計金額で並べ替えた [Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブルの指標が強調表示されている Search Conversion ダッシュボード。

結果が返されなかった検索フレーズを確認する

また、Brandon は検索フレーズコンバージョンテーブルを使用して、コンバージョン率と結果が返されなかった検索フレーズの使用状況を確認します。 

[Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブルのドロップダウンから、[Without Results (結果なし)] を選択します。結果が返されなかった検索フレーズがテーブルにリストされます。これは、Brandon が検索戦略を評価する上で貴重なビューです。買い物客と関わる機会を逃したことが示され、顧客が Cloud Kicks サイトで探している商品に関するインサイトを得ることができます。 

結果なしのリストで、Brandon が関心を寄せる点を次に示します。

  • Water Shoes (1) という検索フレーズは、[Without Results (結果なし)] (2) で使用されるトップ 10 に入る検索フレーズです。Cloud Kicks はウォーターシューズを販売していませんが、買い物客はこの検索フレーズを使用したときに注文を行っています。Brandon はこの注文に興味を持ちました。この謎は後で、Sales (売上) ダッシュボードと Products (商品) ダッシュボードを詳細に確認すると解き明かすことができます。その間に、商品開発部にウォーターシューズに関するこの興味深い情報を伝え、そのフレーズと一致させることができる商品の在庫を検索します。

結果が返されなかった検索フレーズがリストされている、Search Conversion ダッシュボードの [Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブル。

  • Designer Colors と Retro という検索フレーズも、結果が返されなかった上位検索フレーズとしてリストされています。このようなフレーズは一般的な検索語であるため、Brandon はその汎用性を利用します。そこで、チームにこの検索フレーズに一致する商品を特定し、適切な検索辞書に追加するよう依頼します。

結果が返されなかった検索フレーズがリストされている、Search Conversion ダッシュボードの [Conversion of Search Phrases (検索フレーズのコンバージョン)] テーブル。

Brandon はオンサイト検索の指標に満足しています。結果を確認することで、いくつか修正すべき点があることがわかりましたが、Cloud Kicks の検索戦略によって顧客のストアフロントでの検索環境が改善され、収益の増加に役立っていることも明らかになりました。また、検索戦略を最新の状態に保つことが、ショッピング体験を成功させるために重要な要素であることを理解しており、信頼できる参照情報として On-Site Search ダッシュボードと指標を使用できることを嬉しく思っています。

まとめ

このモジュールでは、Search Conversion ダッシュボードの指標の使用方法を学習しました。ダッシュボードの指標を使用して、検索訪問を注文に変換する上でのオンサイト検索戦略の効果を評価する方法を学びました。また、ダッシュボードの指標を確認して、サイトの検索戦略の改善に使用する方法も学びました。

リソース


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