Omniscript の基本を学習する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Omnistudio の Omniscript とは何か、使用する理由は何かを説明する。
- 管理パッケージ用 Omnistudio の Omniscript の主要な機能を説明する。
Omniscript の概要
各業種のお客様には実行すべき作業がありますが、それらはバックエンドの観点から見ると複雑な作業です。
たとえば、お客様が次の作業を行いたい場合を検討してみましょう。
- Salesforce に保存されている取引先責任者情報を表示して更新する。
- レガシーデータベースに保存されているサービスプランを表示する。
- 請求システムに保存されている請求書を表示して、特定の支払方法を選択する。
バックエンドで多くの複雑なコーディングを行わずに、お客様がこれらの作業を簡単かつ効率的に実行するにはどうすればよいでしょうか? 簡単です。管理パッケージ用 Omnistudio の Omniscript を使用します。
Omniscript があれば、お客様がビジネスプロセスを完了しやすくなります。また、ビジネスがスムーズなカスタマーエクスペリエンスを実現するうえでも役立ちます。これは常に好ましいことです。
この画像に、お客様が保険契約を選択する際、Omniscript で数種のステップを誘導されることが示されています。
お客様は、最初に住宅の詳細を入力し、次に標準的な補償パッケージを選択します。その後、パッケージのカスタマイズを選択するようを求められます。続いて、補償範囲の提案が表示されます。提案を承諾すると、トランザクションを完了し、補償を開始できます。
以下に、Omniscript が役立つその他の例を紹介します。
- カスタマーサービス担当が新しいお客様を追加し、サービスを実施するための詳細 (ネットワーク設定要件など) の詳細を取得する。
- お客様が販売プロセスのステップ (新しい保険プランの選択など) を実行する。
- 保険の担当者が保険契約を更新する。
- お客様がセルフサービスのインタラクション (サービス停止のトラブルシューティングなど) を実行する。
- お客様がさまざまなサービス用のフォーム (政府給付金、保険契約、ヘルスケア補償など) に記入する。
Omniscript では、ユーザーが使いやすく、かつバックグラウンドで処理される複雑な機能を持つ対話型ビジネスプロセスを設定できます。また、Omniscript には分岐機能も組み込まれているため、ユーザーが行った選択に基づいて異なるページや項目グループを表示できます。お客様にとって、これは動的でパーソナライズされた操作が可能になるということです。
すばらしいと思いませんか? このモジュールでは、管理パッケージ用 Omnistudio の Omniscript の機能について詳しく説明します。
主要な機能
ローコード/ノーコードで Omniscript をすばやく作成する
Omniscript は、コードではなくクリックで作成できる宣言型のスクリプトツールです。Omniscript Designer (このモジュールで後述) を使用して、項目をドラッグして Omniscript を作成します。続いて、組み込みのトラブルシューティングツールを使用して、作業内容の問題を確認して修正できます。
つまり、Omniscript はすばやく作成して簡単にメンテナンスできるため、時間を大幅に節約することができます。
Omniscript をあらゆるデバイスとあらゆるチャネルで使用する
Omniscript を利用できるのは、営業担当やサービス担当が使用する Omnistudio Interaction Console だけではありません。モバイルデバイスや消費者ポータルなど、お客様が使用する任意のデバイスやチャネルにもリリースできます。
モバイルデバイスやオンラインで Omniscript は次のように表示されます。
設定を変更せずに同じ Omniscript を複数のチャネルで表示できるため、この点でも時間を節約できます。
Omniscript にはモジュール形式のアーキテクチャが採用されている
Omniscript の外観 (フロントエンド) は機能 (バックエンド) から切り離されています。
Omniscript では JSON メタデータ構造 (1)、スタイルシート (2)、データ (3) が互いに分離されています。
このモジュール形式のアーキテクチャにより、短期間でユーザーエクスペリエンスのプロトタイプを作成して構築することが可能になります。また、あらゆる場所のデータの使用や JSON メタデータの再利用が促進され、ブランドの標準を適用しやすくなります。
複数のデータソースからデータを表示する
Omniscript には、Salesforce からの内部データと Web サイトやサードパーティレガシーシステムからの外部データの両方を表示できます。
Omniscript の Actions 要素は、API、Omnistudio Integration Procedure、その他のツールを使用して、あらゆる場所のデータにアクセスします。Salesforce やサードパーティなど複数のソースのデータを統合し、そのデータを操作して、再びソースに送信するという一連の作業をすべて Omniscript 内から実行できます。データは標準の JSON 形式で取得されます。
この例では、最初の Integration Procedure で Salesforce から Omniscript 用のデータを取り込みます (1)。2 番目の Integration Procedure で、Salesforce データと API キーを外部サイトに送信し、外部の気象データを Omniscript に返します (2)。
お客様に合わせて Omniscript のブランド設定を変更する
Omniscript では、そのスタイルと外観の両方を 2 通りの方法で管理できます。
1 つ目は、カスタムの Lightning スタイルシートを使用して、ガイド付きインタラクションを水平モードまたは垂直モードのどちらで表示するかや、ブランド設定またはその他の表示したい部分を指定する方法です。
2 つ目は、Newport Design System (NDS) を使用する方法です。NDS には、カスタム可能なグローバルスタイルの完全なセットが用意されており、カスケードスタイルシート (CSS) フレームワークが採用されています。NDS では、デザイナーや Web 開発者が 1 か所ですべての Omnistudio コンポーネントのスタイルを簡単に変更したり、今後すべてのページに使用できるように最適化されたカスタム CSS を生成したりすることができます。また、NDS は Omnistudio 以外のページや Salesforce 以外のページでも使用できます。
Omniscript を使用して署名付きドキュメントを管理する
Omniscript でドキュメントの作成や変更も実行できます。
まず、MS Word、PDF、HTML などのテンプレートから対話型ドキュメントを作成します。次に、任意のデータソース (Salesforce オブジェクト、または売上見積、注文フォーム、契約のようなユーザー入力など) からのデータを結合します。Omniscript で、こうしたドキュメントを Salesforce レコードに添付したり、メールで受信者に送信したり、DocuSign に委任して電子署名を取得したりすることができます。DocuSign から受信した署名済みドキュメントは、自動的に契約の最新バージョンに添付されます。
Omniscript はより魅力的で有意義なカスタマーエクスペリエンスを作り出すのに役立ちます。次は、Omniscript ガイド付きインタラクションがこれらのエクスペリエンスにおいて果たす役割について、もう少し掘り下げて紹介しましょう。