状態と条件を追加する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- データを表示する条件付きの状態を作成する。
- Flexcard のバージョン管理について説明する。
複数の Flexcard 状態を使用してデータを表示する
すべての Flexcard は状態が設定されて生成されます。新しい状態を作成するには、キャンバスに State 要素を追加するか、既存の状態をコピーします。これまで見てきたように、Flexcard の状態によって、Flexcard 上でユーザーに表示されるコンテンツとユーザーが行う操作をコントロールできます。
最もシンプルなケースでは、Flexcard に次の状態があります。
- 表示するデータがある場合の Active 状態
- データがなくアクションが制限されている場合の Blank 状態または Open 状態
Flexcard に追加できる状態の数に制限はありません。ただし、どの状態を表示するかを決定するうえで、キャンバス上の状態の順序が重要になります。
Flexcard に異なるデータを表示する必要がある状況を考えてみましょう。たとえば、保険の契約情報を表示するだけでなく、保険料の支払期日が過ぎている場合にはメッセージを表示する Flexcard を作成するにはどうしたらいいでしょうか。これを実現するには、Flexcard で新しい状態を作成して条件を設定します。この条件によって、Flexcard にデータを表示するかどうか、いつ、どのように表示するかを決定することができます。
この 1 つの Flexcard には 3 つの異なる状態が作成されています。最初の状態には有効なプランに関する情報が表示されています。2 つ目の状態はプランの支払期日が過ぎている場合に表示されます。3 つ目の状態は有効なプランがない場合に表示されます。この状態にはプランを追加するためのアクションが含まれています。この 3 つ目の空白の状態を作成するには、State 要素の [Properties (プロパティ)] パネルで [Blank Card State (Blank カード状態)] チェックボックスを選択します。
状態の順序と条件によって、表示されるデータが決まります。上から順番に調べていき、最初に条件が true になった状態が表示されます。この例では、最後の状態が最初の true であるため、最後の状態が表示されます。ベストプラクティスとして、true の状態は 1 つのレコードにつき 1 つのみにすることをお勧めします。
前の単元で説明した Weather カードを思い出してください。それを例にしてみましょう。大雪などの悪天候時に、取引先にアラートを表示したいとします。
2 つの状態を作成します。1 つは天気と天気予報を表示する状態で、もう 1 つは悪天候時にアラートを表示する状態です。ある気象状況を満たした場合に気象アラートが表示されるようにしたいので、その状態を 1 番目に、現在の天気の状態を 2 番目に配置します。アラートの条件が満たされていない場合は、2 番目の状態が表示されます。
状態をコピーして表示条件を設定する
これは郵便番号に基づいて取引先の現在の天気を表示する Weather Flexcard です。
状態名はデフォルトの Active (1) という名前です。この状態をコピー (2) して、設定された条件が満たされた場合に表示する新しい状態を作成します。
開始点の Weather Flexcard を構成する要素を見てみましょう。
一番上に [Active State (Active 状態)] があります。この状態をコピーすると以下の要素がすべてコピーされます。
状態のコピーを作成すると、その状態を表示するタイミングを決定する条件を設定するオプションが即座に表示されます。この例では、[Data Field (データ項目)] の [Condition (条件)] (1) が [Value (値)] の [Heavy Snow
] (大雪) (3) と等しい (2) 場合に Alert 状態が表示されます。
それでは、Weather Flexcard の Active 状態のコピーを参照して、その外観の変化を確認してみましょう。
この状態の名前は Alert で、その横にはこの状態が表示される必須条件が記載されています (1)。[Weather Alert (気象アラート)] 画像 (2) が、Active 状態に表示される明るい雰囲気の天気の画像に置き換えられます。また、同じ項目に気象データ (3) が表示されていますが、スタイルが異なっています。最後に、ボタン (4) が追加されており、クリックすると気象情報の Web サイトに誘導されるようになっています。
これは、キャンバス上での Alert 状態の要素の配置です。Active 状態と Alert 状態では、Block、Image、Text、Action という同じ要素が使用されています。スタイル設定によって、それぞれの見た目を変更できます。
Alert 状態内の追加のアクションである、天気サイトボタン用の Navigate Action に注目してください。Navigate Action を使用すると、Flexcard から外部 Web ページへ、または Lightning Experience および Lightning コミュニティ内のページへユーザーが誘導されます。これは、[Target (移動先)] ドロップダウンメニューのページ参照によって決まります。
この例では、[Action Type (アクション種別)] が [Navigate] (1) であり、[URL] 項目 (3) で指定された [Web Page (Web ページ)] (2) にユーザーを誘導しています。
Flexcard のバージョンを管理する
これまで、Flexcard と要素のコピーについて学習し、バージョン管理についても触れました。ここでは、バージョン管理を深く掘り下げ、いつ、何のためにバージョン管理を行うのかについて詳細に説明します。また、バージョン管理とコピー作成の違いについても詳しく見ていきましょう。
バージョン管理とは、既存の Flexcard を維持したまま、Flexcard に変更を行う手段です。
Flexcard の名前と作成者は変わりませんが、編集する新しいバージョンでは [Current Version (現在のバージョン)] 番号 (1) が増加します。Flexcard のバージョン管理を行う場合は、Flexcard キャンバスのヘッダーにある [New Version (新しいバージョン)] (2) を選択します。
一度に有効にできる Flexcard バージョンは 1 つのみです。新しいバージョンを有効にすると、使用されている場所の古いバージョンが置き換えられます。
では、どのような場合に Flexcard のバージョン管理を行い、どのような場合は Flexcard のコピーを作成するのでしょうか。次の表はその判断に役立ちます。
Flexcard のバージョンを管理する |
Flexcard のコピーを作成する |
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Flexcard の魅力はまだまだあります。次の単元では、Flexcard を有効にして公開する準備を整えましょう。