OmniStudio 開発者ツールを知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• 開発者がメタデータの移行に使用するツールを挙げる。
• OmniStudio メタデータ移行ツールの利点を挙げる。
• インポート/エクスポート機能を使用して OmniStudio コンポーネントを移行する。

OmniStudio メタデータ移行ツールについて

「OmniStudio アーキテクチャ」モジュールでは、OmniStudio デジタルエンゲージメントスイートのレイヤー、特徴と、お客様向けガイド付きユーザーエクスペリエンスを作成するために使用できるコンポーネントと機能について学習しました。このモジュールでは、開発者が環境間で OmniStudio コンポーネントの変更を管理および移行するために使用するツールについて学習します。具体的には次のものです。

• IDX Workbench
• IDX Build Tool

IDX Workbench は、OmniStudio DataPack と Salesforce メタデータをある環境から別の環境へ (ある組織から別の組織、組織から Git リポジトリなど) 移行するために開発者が使用するデスクトップアプリケーションです。 

IDX Build Tool はコマンドラインツールで、IDX Workbench でできるすべてのことを UI なしで実行できます。Jenkins のような環境で自動化を行っている開発者は、UI ベースのアプリケーションよりも設定しやすいコマンドラインツールの方が便利な場合があります。

それでは、メタデータの移行にこれらのツールを使用する利点を見ていきましょう。 

• より高速な移行: OmniStudio 開発者ツールを使用すると、1 回のクリックでいくつかの移行ステップを即座に実行できます。移行を自動化することで、時間と労力を節約でき、より良い結果が得られます。また、面倒な手作業や人為的ミスを減らすこともできます。
• データの依存関係の保持: このツールではオブジェクトリレーションが保持されるため、移行時に依存関係が確実に処理されます。たとえば、Omnistudio Data Mapper を必要とする OmniScript を移行すると、OmniScript と一緒に Data Mapper も移行されます。
• 設定の簡略化: 反復とカスタマイズが可能なシステムを使うことで、簡単に DataPack を編集して複数の環境間で移行プロセスを再実行できます。これは多段階に渡るデプロイプロセスで役立ちます。たとえば、専用の開発組織でアプリケーションを開発してから、IDX Workbench を使用してアプリケーションを QA 組織にデプロイできます。本番環境で使用する準備が整ったら、アプリケーションを QA 組織から本番組織にデプロイして、本番稼働を開始します。
• データ検証のサポート: 違いを視覚化し、デプロイを検証して、移行が成功したことを確認します。ソースとターゲットの間でオブジェクトを比較して、メタデータが正しく更新されたのか、もう一度移行する必要があるのかを確認することもできます。

便利そうですね。このモジュールでは、この 2 つのツールについてさらに詳しく学習します。

OmniStudio DataPack

OmniStudio では、メタデータの移行は DataPack を使用して行われます。では、DataPack とは何でしょうか?

DataPack は、ある環境から別の環境へデータを移行するために必要なコンポーネントと関連機能のコレクションです。DataPack はメタデータを JSON 形式で保持するファイルです。通常、デプロイメントをする時にアプリケーションのコンポーネントと機能を開発環境から本番環境に移すために使用します。

シンプルな移行を実行するには、OmniStudio を DataPack としてエクスポートできます。たとえば、[Export (エクスポート)] オプションを使用して、OmniStudio FlexCard と特定の Integration Procedure を本番組織にエクスポートします。

エクスポートした FlexCard とその関連 Integration Procedure は DataPack に JSON ファイルとして保存されます。この JSON ファイルを使用して、必要に応じて他の組織にコンポーネントを移行します。

反対に、次に示すように [Import (インポート)] オプションを使用して、ターゲット組織のデザイナータブから OmniStudio コンポーネントをインポートすることもできます。 

手動で作成された DataPack は、少数の似たようなオブジェクトを移行するのには適していますが、大規模で複雑な移行には高機能なツール、つまり IDX Build Tool と IDX Workbench が必要になります。これらの強力なツールを使用して、膨大な量のメタデータを高速かつ簡単に移行できます。

手前味噌ですが、OmniStudio メタデータ移行ツールは非常に便利です。このモジュールの残りの部分では、各ツールをさらに詳しく見ていきます。次の単元では、IDX Workbench を使用してメタデータを設定して移行する方法を学習します。

リソース

• Trailhead: OmniStudio アーキテクチャ
• PDF: Supported DataPack Object Types (サポートされる DataPack オブジェクト種別)