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その他の機能改善点を確認

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • OmniOut で Node.js バージョンを更新することでセキュリティとパフォーマンスがどのように強化されるかを説明する。
  • Node.js を更新することによるセキュリティとパフォーマンスの利点を認識する。
  • 必要なツールのバージョンと、Omnistudio リリース環境を更新する利点を特定する。
  • 拡張された Apex クラスの権限チェックが組織のセキュリティをどのように向上させるかを説明する。
  • AngularJS ベースの Omniscript が非推奨となった理由を説明する。
  • OmniOut によって開発者が Salesforce 外部で Omniscript や Flexcard をリリースできるようになるしくみを説明する。
  • 刷新された Omniscript の移動アクション要素がステップ間のナビゲーション精度を高めるしくみを説明する。

過去 1 年間に Salesforce が導入した重要な機能拡張の一部を引き続き確認する。

OmniOut で Node.js サポートを更新して組織を保護する

エンタープライズアプリケーションスタックにおいて、セキュリティとパフォーマンスは極めて重要です。そのため Salesforce は、OmniOut で 18.20.4 から 22.11.0 までの Node.js バージョンをサポートするようになりました。これによって次の点が強化されています。

  • セキュリティ: 古い Node.js バージョンに存在する脆弱性を回避します。
  • パフォーマンス: 最新の Node.js エンジンによるパフォーマンスの向上を利用できます。
  • 将来の互換性: プラットフォームの進化に伴い、OmniOut スクリプトやビルドツールが引き続き機能することを保証します。

この更新は、OmniOut を利用して異なる環境間で Omnistudio コンポーネントのパッケージ化やリリースを行っている組織にとって特に重要です。今回の更新は、Omnistudio が有効化されている Lightning Experience、Experience Cloud サイト、そして Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition に適用され、管理パッケージランタイムまたは標準ランタイムのどちらを使用している場合でも利用できます。

すでに OmniOut を使用しているお客様は、npm install コマンドを使用して npm パッケージをアップグレードできます。OmniOut を初めて使用する場合は、次の手順に従って開始してください。

最新のビルドツールと Node.js バージョンで Omnistudio コンポーネントを安全にリリースする

Omnistudio コンポーネントをリリースするには、ビルドツールを 1.17.11 より新しいバージョンに、Node.js を 18 より新しいバージョンにアップグレードしてください。今回の更新では、Puppeteer のバージョンも 5.3.1 から 21.11.0 にアップグレードされます。

これらのアップグレードにより、リリースパイプラインが最新化され、Omnistudio のツールが現在の Web 開発標準に沿ったものとなり、セキュリティ、リリースの信頼性、表示やリリースの速度が向上します。

この変更は、Omnistudio が有効になっている Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition の Lightning Experience、Experience Cloud サイト、およびすべてのバージョンに適用されます。管理パッケージランタイムまたは標準ランタイムのどちらを使用している開発者にも関連しています。

権限セットおよび権限セットグループに対する Apex クラスチェックを有効化する

Apex 呼び出しでのアクセスコントロールは、組織全体のセキュリティを維持するために不可欠です。Salesforce は、ユーザープロファイル経由で割り当てられた Apex クラスに加えて、権限セットや権限セットグループ経由で割り当てられた Apex クラスも権限チェックの対象に含めるように改善しました。これにより、Apex クラスがリモートで呼び出された場合でも、より確実かつ包括的に Apex 権限が適用されるようになります。

メモ

一括処理の実装では、権限チェックの強化により SOQL クエリ制限エラーが発生する可能性があります。これを回避するには、PerformAdvancedCheck フラグの無効化を検討してください。この設定により、チェックの対象がユーザープロファイル経由で割り当てられた Apex クラスのみに制限されます。

この更新は、Omnistudio が有効化されている Lightning Experience、Experience Cloud サイト、そして Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition に適用されます。管理パッケージランタイムまたは標準ランタイムのどちらを使用しているお客様も利用できます。

PerformAdvancedCheck フラグと ApexClassCheck フラグの両方が有効化されている場合、Apex クラス権限チェッカーは、ユーザーのプロファイル経由で割り当てられた Apex クラスに加えて、権限セットおよび権限セットグループ経由で割り当てられた Apex クラスも評価します。PerformAdvancedCheck が有効化されていない場合は、ユーザープロファイルに割り当てられた Apex クラスのみを評価します。

PerformAdvancedCheck フラグを有効化するには、次の手順を実行します。

  1. [Setup (設定)] で [Omni Interaction Configuration (Omni Interaction 設定)] を検索して選択します。
  2. [New Omni Interaction Configuration (新規 Omni Interaction 設定)] をクリックします。
  3. 名前と表示ラベルに PerformAdvancedCheck 入力します。
  4. 値を OmniComponentErrorLog に設定します。
  5. [Save (保存)] をクリックします。

Apex クラス権限の高度なチェックを有効化することで、より厳格かつ柔軟なセキュリティモデルを組織全体に適用できます。アクセスチェックに権限セットおよび権限セットグループを含めることで、Salesforce の最新のセキュリティ運用に準拠すると共に、リモート Apex 実行時のリスクを最小限に抑えることができます。

従来の Omniscript を AngularJS から LWC に移行する

Salesforce は AngularJS ベースの Omniscript のサポートを正式に終了しました。互換性とパフォーマンスを維持するため、従来のすべての Omniscript を Lightning Web コンポーネント (LWC) フレームワークに移行する必要があります。設計者やお客様は、古いフレームワークへの依存を避けるため、Omniscript を更新してください。

この変更は、管理パッケージランタイムを使用しているお客様に影響します。現在進行中のプラットフォームの更新では、従来のデザイナーは完全に廃止される可能性が高いと言えます。

この廃止は、Salesforce 全体が古いフレームワークから移行する流れを反映しています。AngularJS は Google による保守がすでに終了しており、セキュリティやパフォーマンスの面でリスクとなります。一方、LWC は読み込み速度の向上、保守性の改善、最新の Salesforce 開発ツールとのシームレスな統合を実現します。LWC に移行することで、Omniscript のサポートだけでなく、実装の有効性が将来にわたって保証され、ユーザーと開発者の全体的なエクスペリエンスが向上します。

この変更は、Omnistudio が有効になっている Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition の Lightning Experience、Experience Cloud サイト、およびすべてのバージョンに適用されます。

OmniOut を使用して Omniscript と Flexcard をあらゆる場所にリリースする

標準ランタイムを使用しているお客様も OmniOut を利用できるようになりました。

OmniOut は、複雑な統合を必要とせずに Salesforce プラットフォーム外 (サードパーティの Web サイトやスタンドアロン Web アプリケーションなど) で Omniscript や Flexcard を実行できるようにすることで、Omnistudio のパワーを拡張します。OmniOut により、標準コンポーネントを再利用可能な Lightning Web コンポーネント (LWC) に変換して、お客様が独自に開発した CMS を介してリリースできるようになります。

その結果、Omnistudio 開発者は、デジタルエクスペリエンスをより広いユーザー層に拡大し、統合の負荷を軽減して、最新の Web リリースプラクティスを実践できます。この柔軟性により、Salesforce を利用したインタラクションを、Salesforce がホストされていない環境であっても自由に提供できるようになります。

この機能は、Omnistudio が有効化されている Lightning Experience、Experience Cloud サイト、およびすべてのエディションで、標準ランタイムと標準デザイナーを使用しているお客様が利用できます。OmniOut を使用するには、管理パッケージをインストールして Node.js ベースの開発環境 (Node 18~22 対応) を設定する必要があります。

OmniOut の利用を開始するには、次の手順を実行します。

  1. OmniOut をダウンロード: Salesforce から静的リソースを取得して Visual Studio Code で開きます。
  2. 連動関係をインストール: npm install を実行して OmniOut プロジェクトを設定します。
  3. コンポーネントを追加: Omniscript または Flexcard の LWC をダウンロードして、OmniOut プロジェクトに追加します。
  4. API アクセスを設定: Salesforce で接続アプリケーションを作成して、安全な API 通信を有効化します。
  5. ローカルでテスト: アプリケーションを開発モードで実行して、コンポーネントをプレビューおよびデバッグします。
  6. アプリケーションをリリース: コンパイル済みアプリケーション (dist フォルダー) をビルドして CMS またはホスティングサービスにアップロードします。
  7. アプリケーションを接続: 必要に応じてアプリケーションの接続を設定します。
メモ

別のステップとして、OmniOut コンテンツをリリースする前に CMS を設定しておく必要があります。

Omnistudio のその他の改善点: 移動アクション要素の動作変更

Salesforce は、操作性と制御性の向上を目的として Omnistudio の改善を続けています。その一環として、Omniscript における移動アクション要素の動作が変更され、ステップ間の移動をより正確に制御できるようになりました。

たとえば、10 ステップある Omniscript で、ステップ 1 とステップ 2 の間に移動アクションを挿入して、以下のプロパティを設定します。

  • [Page Reference Type (ページ参照種別)][Current Page (現在のページ)] に設定
  • パラメーター (例: c__step=Step7) を使用して [Target (対象)] を Omniscript の特定のステップに設定

実行時にステップ 1 で [Next (次へ)] ボタンをクリックすると、ステップ 7 に移動します。変更前は、ステップ 1 で[Next (次へ)] をクリックするとステップ 8 に移動していました。

この強化された移動アクション要素により、Omniscript で柔軟かつ順不同のナビゲーションパスの設定が可能となり、ユーザーのニーズに動的に対応するユーザー中心のスマートなフローを作成できます。

この更新は、Omnistudio が有効化されている Lightning Experience、Experience Cloud サイト、そして Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition に適用されます。また、標準ランタイムを使用しているお客様も利用できます。

まとめ

これで、過去 1 年間にリリースされた Omnistudio デベロッパーの主な新機能について学びました。ここで、上記のトピックの理解度を確認し、認定 Omnistudio デベロッパー資格を更新するためにテストを受けていただきます。

リソース

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