データを検証してエラーを処理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ユーザーの間違いを防ぐことがなぜ重要なのか説明する。
- Set Values 要素で間違いを防ぐ。
- Set Errors 要素でデータを完全にする。
ユーザーの間違いを防ぐ 2 種類の要素
これまでの単元では、データベースの取引先の主取引先責任者情報を編集しなければならないエンドユーザーを、誘導してサポートするインタラクションを作成しました。ユーザーの視点を念頭に置きつつ、OmniScript を作成してきました。一方で、データベースの整合性を維持するようにインタラクションを構築することも必要不可欠です。
そのためには、OmniScript への入力時に、ユーザーが犯す可能性のある間違いについても考慮します。さらに、それらの間違いを防げるように、設定した方がよいエラーチェックの種類を考えます。間違いを防ぐことはエンドユーザーの役に立ちますが、それ以上に、データの整合性を維持できるという点があります。
必須項目を設定したとき、すでにいくつかの簡単なデータ検証を設定しました。これにより項目が空の場合、OmniScript はユーザーが先に進むことを許可しません。Set Values 要素は、ユーザーがアクションを実施していない場合に先に進めないようにします。また、Set Errors 要素は、間違いがあった場合にユーザーを前のステップに戻します。
これら 2 つの便利な要素を詳しく確認しましょう。
Set Values 要素を設定して間違いを防ぐ方法
Set Values 要素は、OmniScript でさまざまなことに利用できます。次のようなことです。
- 差し込み項目を使用してデータ JSON にアクセスして名前を変更する。
- 要素に値を供給する。
- 値を連結する (2 つの値を 1 つの結合した値にまとめる)。
- 応答またはパラメーターからデータ JSON に送信する値を定義する。
- OmniScript 関数とサポートされている数式演算子によって決定される値を作成する。
Set Values 要素と関数を使用して、エンドユーザーの間違いを防ぐ方法を説明しましょう。
OmniScript では、3 つの分岐の重要な項目が null (空) の場合に JSON に「Not OK (OK でない)」と表示し、少なくとも分岐のいずれかにデータがある場合に「OK」と表示する IF 関数を用いて、Set Values 要素を使用することにします。
これでユーザー入力で null が生成された場合 (ユーザーが主取引先責任者データを変更しない場合)、JSON で間違いを識別できました。いいですね。では間違いを直すには、どのようにしてエンドユーザーをリダイレクトするのでしょうか? ここで Set Errors 要素の出番です。
Set Errors 要素で完全なデータにする
Set Errors 要素は、完了していないステップにエンドユーザーを戻し、修正を手助けすることができます。これによりデータが完全なものになります。UI における必須項目と関数によるメッセージは、進行中のステップにしか効果がありません。一方で Set Errors 要素は、その先のステップのために機能します。これが完全なデータの確保に役立つということは、再度言及する価値があるでしょう。
では別の例を考えます。携帯電話サービスにサインアップするユーザーをサポートする 4 つのステップのインタラクションを作成したとします。ステップ 1 で、ユーザーは主連絡先データを入力します。ステップ 4 でユーザーは、データ使用量が 80% に到達したときにテキストメッセージを受け取るというチェックボックスを選択します。もしチェックボックスを選択したのにステップ 1 で携帯電話番号が入力されていなかった場合、どうなるでしょうか? Set Errors 要素によってユーザーはステップ 1 に戻り、携帯電話番号の項目を入力できるようになります。
話を主取引先責任者の OmniScript に戻します。ここには 1 つの Step 要素しかありません。各分岐の重要な項目が null の場合、どうしますか? また、そもそも主取引先責任者がいなかった場合は? Set Errors 要素を使用すれば、ユーザーの画面でエラーを強調表示し、修正を促せます。では、その方法を見ていきましょう。
まず、Set Errors 要素が動作するには、3 種類のプロパティが必要です。
プロパティ |
説明 |
---|---|
Element Error Map (要素エラーマップ) |
エラーメッセージを表示する要素がどれかをシステムに伝えます。 |
Value (値) 項目 |
表示する説明テキストを定義します。 |
Conditional View |
要素を起動するときを定義します。 |
OmniScript で、次の Set Errors プロパティを設定します。
-
Element Error Map (要素エラーマップ): [Radio Buttons (ラジオボタン)] 要素。
-
Value (値) 項目: 主取引先責任者を変更するか、新しい主取引先責任者を作成する必要があることをエンドユーザーに伝えます。
-
Conditional View (条件付きビュー): 主取引先責任者がいないときに説明テキストを表示するように Conditional View (条件付きビュー) を設定します。
これらを設定すれば完了です。
ユーザーの間違いを防げる気がしませんか? 次の単元では、OmniScript で外部データを表示する方法について学習します。