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組織で NPSP 状態チェックを実行する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • NPSP 状態チェックや Salesforce Optimizer ツールを使用した組織のメンテナンスについて説明する。
  • NPSP 状態チェックを実行する。
  • Salesforce Optimizer を実行する。

Salesforce 組織のメンテナンス

Salesforce 組織は生き物です。ユーザーがデータを追加したり、システム管理者がプロセスや機能を合理化していく中で、組織は絶えず成長し変化しています。 

そして、あらゆる生き物と同様に、注意を払い、ケアする必要があります。

このモジュールでは、組織の状態チェック、次回のメジャーリリースへの準備、Sandbox を使用したトレーニングや変更、Nonprofit Success Pack (NPSP) コミュニティへの貢献などの実施方法を見ていきます。

では始めましょう。

NPSP 状態チェックを実行する

皆さんの健康診断と同様に、Salesforce 組織にも定期検査を行うメリットがあります。

NPSP には、組織をスキャンしてデータや設定の矛盾やエラーを検出し、問題と思われる箇所の説明を報告する、状態チェックというツールが存在します。

大規模なデータのインポートや更新の実施後、それ以外にも四半期に 1 度以上の頻度で状態チェックを実行することをお勧めします。

では、No More Homelessness (NMH) という架空の非営利団体の Salesforce システム管理者である Gorav Patel が、四半期に一度組織に状態チェックを実行し、NMH のレコードデータの問題を検出するところを見ていきましょう。 

  1. アプリケーションランチャー (アプリケーションランチャーアイコン) で [NPSP 設定] を見つけて、そのタブを選択します。この読み込みに数秒かかることがあります。
  2. [NPSP 設定] ページで、[システムツール][状態チェック] の順にクリックします。
  3. 必要に応じて、[レコードデータの状態チェックを無効化] チェックボックスをオンにできます。この場合は、レコードが無視され、NPSP 設定のみがチェックされます。Gorav はレコードデータに問題がないか確認したいと考えているため、このチェックボックスをオフのままにします。
  4. [状態チェックを実行] をクリックします。

    [NPSP 設定]、[状態チェック]、[状態チェックの実行] ボタンが強調表示されている [NPSP 設定] ページ
  5. 状態チェックはリアルタイムで実行され、同じページに結果が返されます。状態チェックレポートにエラーが示された場合は、エラーを修正するための推奨アクションも表示されます。

    エラーを示す状態チェックの結果

状態チェックで検出されるエラーとその対処法

Gorav はエラーリストを確認し、その修正に取りかかります。エラーの 1 つは、主商談取引先責任者の役割が複数設定されている商談が 2 つあり、この結果商談積み上げ集計 (支援合計など) が正しく計算されない可能性があるというものです。

メモ

エラーの理解や修正にサポートが必要な場合は、Trailblazer Communityの「Nonprofit Success Pack」グループで質問することをお勧めします。「リソース」にこのグループへのリンクが掲載されています。

では、Gorav がエラーを修正するために、NPSP 状態チェックレポートで問題のあるレコードを見つけるところから見ていきましょう。 

  1. [レポート] タブをクリックします。
  2. 左側のメニューで、[すべてのフォルダー] をクリックし、レポートリストの [NPSP Health Check] をクリックします。
  3. Opportunities with Primary Contact Roles レポートをクリックします。このレポートはデフォルトで、完了予定日が過去 90 日間の商談に限定されているため、日付検索条件を調整する必要がある場合があります。

    Opportunities with Primary Contact Roles レポートが強調表示されている NPSP Health Check のフォルダーリスト
  4. [商談 ID] 列のメニュードロップダウン (メニュードロップダウンボタン) をクリックします。そして、[並び替え...][主合計] の順にクリックすると、この列を基準に並び替えが実行され、取引先責任者の役割が 2 つ以上設定されている商談がテーブルの上部に表示されます。

    Opportunities with Primary Contact Roles レポート
  5. それぞれの商談にアクセスするには、[詳細行] を選択してレポートの下部に表示し、列に表示された商談名をクリックします。
  6. [取引先責任者の役割] 関連リストに移動します。[主] とマークされているすべての役割のリストが表示されます。
  7. 余分な役割を 1 つずつ編集または削除して、[主] とマークされている取引先責任者の役割が 1 つだけになるようにします。

修正する商談が多数ある場合は、[NPSP 設定] の [一括データ処理] にある [重複主 OCR の削除] ユーティリティを使用することも考えられますが、ここでは Gorav が商談を手動で数分のうちに修正します。 

リストの他の問題も修正して、状態チェックをもう一度実行します。今回はエラーがありませんでした。 

状態チェックを実行してエラーを修正することは有用ですが、必ずエラーの根本原因を突き止めるようにします。場合によっては、データインテグレーションによってエラーが生じているため、修正が必要になることがあります。また、ユーザーがデータを誤って入力していることが判明した場合には、追加トレーニングが必要と思われます。

Salesforce Optimizer を実行する

NPSP 状態チェックのほかに、組織のスナップショットを取得する Salesforce Optimizer を使用すると、潜在的な問題が検出され、ストレージ、項目、ユーザーなどを網羅する 55 以上の総計値の詳細なレポートが作成されます。総計値ごとに、問題領域に対処したり、ユーザーの採用を促進したりするためのブループリントが示されます。このツールは Salesforce 組織を対象とし、NPSP に限定されるものではありません。

新しいアプリケーションをインストールする前や、Salesforce の各リリースの前に、Salesforce Optimizer を実行することをお勧めします。また、四半期に 1 度以上の頻度で Salesforce Optimizer を実行し、機能の改善、カスタマイズのクリーンアップ、複雑さの軽減、機能の採用の促進に関する推奨事項を取得すると役立ちます。

Optimizer の実行方法は次のとおりです。

  1. 設定アイコン (設定ギアアイコン) をクリックして、[設定] を選択します。
  2. [Optimizer] を見つけて選択します。
  3. 初めて Salesforce Optimizer アプリケーションを実行する場合は、[アクセスを許可] をクリックして、条件に同意する必要があります。
  4. Salesforce Optimizer アプリケーションにアクセスできたら、[Optimizer を開く] をクリックします。

    [Optimizer を開く] が強調表示されている、[設定] の Salesforce Optimizer
  5. [Optimizer を実行] をクリックします。
  6. Optimizer の実行に最大 24 時間かかる可能性があるというメッセージが表示されます。そのため、マネージャーには今日やるべきことを成し遂げたと伝え、この後は息抜きの時間に充てるとよいかもしれません。

    [Salesforce Optimizer を実行中…] 画面
  7. ページを更新すると、結果が表示されます。実行中にページから離れていた場合は、アプリケーションランチャー (アプリケーションランチャーアイコン) で [Salesforce Optimizer] を選択します。

ここで結果に目を通し、問題にどのように対処するか計画を立てます。レポートの実行自体は簡単で、重要なのはここからです!

結果を確認すると、[機能] 列に各要素がリストされています。 

Salesforce Optimizer のリストビュー

[機能] はデフォルトで、[ルール適用時のアクションが必要] から [アクション不要] までの状況別に並べられています。各行に、機能の修正または改善に要する推定時間も示されています。[機能] 行の名前をクリックすると詳細ビューが開きます。

Salesforce Optimizer の詳細ビュー

このビューにはたくさんの情報が示されるため、Optimizer によってフラグが付けられることの多い 2 つの問題に絞って説明します。

項目が多すぎる

オブジェクトに何百個もの項目が使用されているのはよくあることです。Salesforce Enterprise Edition では 1 つのオブジェクトに最大 500 のカスタム項目を設定できますが、標準またはカスタムオブジェクトの 1 つのページレイアウトの項目数が 75 を超えているとフラグが設定されます。

ユーザーが詳細ページで膨大な数の項目をスクロールしなければならない場合には、採用率や使用率が低下します。モバイルエクスペリエンスについても考えてみてください。携帯電話で項目のスクロールが何ページにも及べばうんざりします。

レポートの [項目の利用状況] 機能で、項目にデータが入力されているかどうかを確認できます。この情報は、ユーザーが実際にデータベースをどのように使用しているかを理解するうえで極めて有用です。また、ユーザーから頻繁に項目を求められても、必ずしも必要でないことがわかります。

システム管理者が多すぎる

Salesforce Optimizer では、すべてのデータの編集とアプリケーションのカスタマイズの権限を有する全ユーザーがシステム管理者とみなされます。多数のユーザーにスーパーユーザーレベルの権限を付与すれば、自ら混乱を招くことになります。Optimizer では、レポートの [重要な権限の割り当て] 機能に該当するユーザーが列挙されます。広範な権限を大勢に付与すればリスクが高まるため、データ侵害を阻止し、データ品質の低下、さらには不正行為を防ぐために回避する必要があります。

メモ

ユーザー全員が各自のライセンスを所有し、その任務を遂行するために必要な最小限のデータアクセス権が付与されるようにします。この概念を最小権限の原則といいます。詳細は、「リソース」の「Security Recommendations for Salesforce.org Products (Salesforce.org 製品のセキュリティに関する推奨事項)」「10 Reasons Every Salesforce User Needs Their Own License (Salesforce の各ユーザーに独自のライセンスが必要な 10 の理由)」を参照してください。

では、システム管理者は何人いるのが適切なのでしょうか? 団体の規模、複雑度、依頼件数によって異なります。 

システム管理者と言えば、その主な職務の 1 つに最新リリースやイノベーションへの対処が挙げられます。常に最新機能を把握するにはどうすればよいのでしょうか? 次の単元でこの質問にお答えします。

リソース

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