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NPSP システム管理者としての役割の準備

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce と Nonprofit Success Pack (NPSP) のシステム管理者の責務を説明する。
  • Salesforce と NPSP を設定する場所について説明する。
メモ

非営利団体向け Salesforce には統合プラットフォームソリューションと管理パッケージの両方が含まれます。

このバッジでは、管理パッケージである Nonprofit Success Pack について説明します。

その他の非営利団体向けの Salesforce ソリューションについては、「非営利団体向けの Salesforce の基本」を参照してください。

Nonprofit Success Pack システム管理者とは?

NPSP システム管理者のグループ

非営利団体 (NPO) や非政府組織 (NGO) にはさまざまなミッション、組織構造、資金調達モデル、範囲、規模の各種団体がありますが、どの団体も世界を良くすることに取り組んでいます。

Nonprofit Success Pack (NPSP) はツールと設定のパッケージで、こうした団体がすばやく Salesforce の稼働を開始できるようにします。

NPSP システム管理者の責務は一般に、非営利団体の Salesforce インスタンス (組織) の日常的な設定、サポート、メンテナンス、改善です。ときにはプロジェクトマネージャー、技術者、ビジネスアナリストにもなるシステム管理者は、非営利団体のミッションに合わせて組織の稼働を維持します。

勤務する非営利団体と同様に、システム管理者もそれぞれ異なります。

大規模な非営利団体であれば、おそらくシステム管理者のチームに属して複雑な設定を行います。チームには、コーディング中心の経歴を活かしている人、技術的なプロジェクトマネージャーに近い仕事をしている人、ほとんどの時間をコンサルティングパートナーと協力して実装に投じている人、営利企業で培った Salesforce の知識を非営利団体のミッションに適用している人などがいる場合があります。

小規模な団体では同様の作業を 1 人のシステム管理者が行う場合があります。特にコードではなくクリック操作での設定、組織に合わせたビジネスプロセスの変換、プロジェクトの管理などの作業があります。また、資金調達、プログラムの管理、ガライベントの座席手配、隔週でのオフィスの冷蔵庫掃除などを担当することもあります。いわゆる兼任システム管理者で、熱意ある非営利団体プロフェッショナルが Salesforce を学びつつ、多くのタスクをやりくりしています。

1 日に行わなければならない多くのタスクをやりくりする Salesforce システム管理者

どちらにしても、このモジュールは NPSP と非営利団体でのシステム管理者という役割への理解を深めるのに役立ちます。このモジュールでは Salesforce 管理の全側面は取り上げず (そのためには充実した Trailhead があります!)、システム管理者の役割、NPSP と Salesforce プラットフォームの範囲、ジャーニーでサポートを得る方法を理解できるようにします。

非営利団体のシステム管理者の主要なタスク

正式な役職が何であれ、システム管理者としては次のような主要なタスクを担当します。これは NPSP 固有ではありませんが、特にこのモジュールでシステム管理者ジャーニーを始める場合は重要であるため覚えておいてください。ではシステム管理者の責務を確認していきましょう。

Salesforce 組織を設定する

Salesforce と NPSP を初めて使用する非営利団体の場合、Salesforce で成果を上げられるように準備するのはシステム管理者です。実装の計画を始めるだけでなく、「非営利団体向け Salesforce を使用して成功を目指す」トレイルを参照して、要件収集の方法や団体が Salesforce と NPSP を最大限に活用できるようにガイドする方法について役に立つヒントを確認してください。

計画ができたら、次は設定を行います。Salesforce と NPSP はどちらも宣言型プログラミングで設定できます。つまり、コードを書かずにクリック操作で選択できます。協力するコンサルティングパートナーがいる場合は、団体のニーズを決定するだけにして、作成はパートナーに任せます。

実装後、基本的な管理機能 (ユーザーの設定と無効化、項目やオブジェクトの新規作成、ワークフローの変更、その他の定期タスクなど) を処理します。多くの時間を [NPSP 設定] と Salesforce の [設定] で費やすことになります (この後すぐに説明します)。

ユーザーからの新機能要求の評価や実装も行います。ここでは評価がキーワードです。ユーザーから要求された新規項目を設定できるからといって、設定しなければならないわけではありません。選択肢を検討し、ユーザーが目標を達成できるように代替のソリューションを提案します。必要だとユーザーが考えていることを言われるがままに実行しないでください。これについては、このモジュールで後ほど詳しく説明します。

すべてを最新の状態に維持する

システム管理者には、Salesforce と NPSP の更新と新機能のリリースを適用して最新に保つ責任があります。 

Salesforce と NPSP のどちらも毎年 3 回のメジャーリリース (Winter、Spring、Summer) があります。まず Salesforce プラットフォームの更新がリリースされ、その約 1 か月後に NPSP とその他の非営利団体向けの Salesforce 製品のメジャーリリースが続きます。NPSP のバグ修正も 2 週間ごとに組織にプッシュされます。

毎回、リリースについて事前に十分な時間的余裕を持って警告があるため、お客様は新機能を学習、実装、テストする時間を確保できます。

リリース戦略を作成しておくと、自分やスタッフがすべての変更を把握し、Salesforce への投資を最大限に活用するのに役立ちます。詳細は、「リリース」のリンクから Trailhead の「Nonprofit Success Pack の健全性と最適化」モジュールとリリースに関するガイドドキュメントを参照してください。

セキュリティを確保する

データセキュリティへの責任は非営利団体の全 Salesforce ユーザーが共有するものですが、システム管理者は防御の第一線であり、最後の砦でもあります。システム管理者はユーザーとそのアクセスレベルを管理するだけでなく、重要なセキュリティ機能も有効化します。その 1 つが多要素認証 (MFA) で、ユーザーが知っているもの (パスワードなど) と持っているもの (スマートフォンの認証アプリケーションや他のセキュリティデバイスなど) を組み合わせてユーザーアカウントを保護する機能です。

金庫の近くに立っている 2 人の Salesforce システム管理者。

技術的セキュリティだけでなく、社会的セキュリティも必要です。ユーザーがデータセキュリティの鍵となることがよくあります。

システム管理者はユーザーがデータを表示、作成、編集、削除する権限を管理し、各ユーザーのアクセス (組織全体、または特定のオブジェクト、項目、個別のレコードのみなど) を制御します。データセキュリティでは、最小権限の法則に従うことをお勧めします。つまり、すべてのユーザーに職務の実行に最小限必要なデータアクセス権のみを付与します。たとえば、ボランティアコーディネーターはボランティアの支援履歴を知る必要はないかもしれません。

データセキュリティについての詳細は、Trailhead の「データセキュリティ」モジュールを参照してください。 

ユーザーをトレーニングし採用へと導く

完璧に設定され、専門的に保護され、定期的に更新された Salesforce 組織も使用されなければ意味がありません。システム管理者には、ユーザーをトレーニングしてシステムを最大活用できるようにすると共に、非営利団体全体の Salesforce スキルセットを高める責任があります。これには、同僚の間でシステム管理者になることへの関心が芽生えるようにすることも含まれます。

データをクリーンで完全に保つ

システム管理者には、データガバナンス、つまりデータをクリーンで完全に保つことへの責任があります。ユーザーに適切なデータ入力をトレーニングすると、技術的ツールでデータをクリーニングする必要性を抑えることができます。 

システム管理者がデータフィードやその他のインテグレーションも管理する場合があります。これには、ダイレクトメールベンダーや他のサードパーティなど、外部ソースからのデータのインポートも含まれます。「Nonprofit Success Pack (NPSP) の管理」トレイルを修了したら、「Nonprofit Success Pack (NPSP) を使用してデータをインポートする」トレイルも受講してみてください。

レポートと分析をサポートする

Salesforce にすべてのデータを集めたら、それを最大限に活用します。システム管理者は、ユーザーがレポートとダッシュボードを作成してメンテナンスし、資金調達のパフォーマンスや他の主要なメトリクスから学べるようにします。

2 つの作業場所

NPSP は Salesforce (厳密には Sales Cloud Enterprise Edition、一般に Salesforce と言ったらこれを指します) 上にあるアプリケーションであるため、Salesforce の [Setup (設定)] と [NPSP Settings (NPSP 設定)] という 2 つの場所でシステム管理者として組織を設定し、作業を行います。

Salesforce の [Setup (設定)] に移動するには、ツールバーで 設定 をクリックし、[Setup (設定)] を選択します。ここでユーザー、アプリケーション、オブジェクト、項目などを管理します。

Salesforce の [設定] ページ

[NPSP Settings (NPSP 設定)] を見つけるには、アプリケーションランチャー ([代替テキスト:]) で [NPSP Settings (NPSP 設定)] を検索して選択します。ここでは NPSP 固有の機能、たとえば、世帯の命名規則、取引先責任者のリレーション、商談名、一般会計単位の割り当て、継続支援の設定などを管理します。

[NPSP 設定] ページ

こうした設定はまだそれほど重要ではないかもしれませんが、次の単元では NPSP データモデルの基本について学習し、特定の設定が NPSP 固有か標準の Salesforce かをより深く理解できるようにします。

一呼吸おいたら次へ

よろしいでしょうか。多くのことを一度に学習しました。責任が多いですね。2 つの異なる場所で作業、しかもまだ最初の単元です。

大丈夫、あなたならできます。 

「リソース」セクションで参考になる情報へのリンクを見つけてください。Salesforce システム管理者サイトでは、キャリア開発やすでに仕事をしている他のシステム管理者に関する情報を参照できます。

このモジュールの残りの部分では、NPSP データモデル、Salesforce 組織をカスタマイズする方法の基本、いくつかのベストプラクティス、必要なときにサポートを得る方法について学習します。

それでは始めましょう。

リソース

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