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非代替性トークンについて学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 非代替性トークン (NFT) 定義して説明する。
  • 非代替性トークンの目的と機能を理解する。

NFT とは?

NFT とは、Non-Fungible Token (非代替性トークン) の略です。非代替性とは、一意の存在であるため、他のものと交換できないことを意味します。たとえば、モナリザと星月夜は同じではありません。どちらも唯一無二の特性を持つため、非代替性に該当します。一方、代替性のあるものは相互に交換することができます。たとえば、1 ドルと 1 ドルは互いに等しい価値があります。 

では、NFT とは一体何なのでしょうか? NFT とは、ブロックチェーン上に存在し、一意のアイテムの所有権を表すトークンです。NFT は、アート、音楽、イベントチケット、動画などのデジタルオブジェクトまたは物理オブジェクトを表すデジタルアセットです。これまでのように単にオブジェクトを表すだけでなく、スマートコントラクトで裏付けられているため、二次販売や譲渡可能な価値といった一意のプロパティを持つことができます。

非代替性トークンのしくみ

  • NFT は、取引を記録する公開分散台帳であるブロックチェーン上に存在します。
  • NFT はブロックチェーンに依存しないため、さまざまなブロックチェーン上に構築できます。
  • NFT は、有形と無形の両方のアイテムを表すことができるデジタルオブジェクトから作成 (「鋳造」) されます。
  • NFT の所有者になれるのは一度に 1 人だけです。NFT 固有のデータによって、作成者と所有者の確認が容易になり、所有者間でのトークン譲渡が可能になります。
  • 作成者は、NFT の使用、ロイヤルティ、法的側面を定義するスマートコントラクトを記述します。

これで、NFT のしくみと定義についての理解が少し深まりました。このまま読み進めて、NFT の機能と目的について見ていきましょう。 

NFT の機能と目的

デジタルファイルは一瞬でコピーされたり、配布されたりするため、その所有者を追跡することは一筋縄ではいきません。誰もが同一のコピーを持っている場合、元の所有者を特定することは非常に困難となります。デジタルアセットを表す NFT には、ファイルの一意のフィンガープリント、トークン名、シンボルなどの情報が含まれています。また、このトークンはブロックチェーンに保存され記録されます。 

NFT は鋳造されると、その販売、取引、所有が可能になります。NFT は公開分散台帳上にあるため、誰もが取引データを追跡し、現在と過去の所有権を確認できます。 

NFT の差別化要因となっているのはスマートコントラクトです。スマートコントラクトを使用すると、契約をアセットに結びつけることができます。また、さまざまなタスクを実行するようにスマートコントラクトを記述することもできます。たとえば、あらゆる販売に対して作成者に一定の割合が支払われるようにする、ロイヤルティ分割が常にリアルタイムで行われるようにする、NFT が販売可能になるまでに必要な保持期間を設定するなどのタスクを記述できます。このように、中間の手作業がプロセスから省かれ、作成者のために新しい市場力学が生み出されるため、これは大きな一歩となります。 

スマートコントラクトには他にも多くのこと (チャリティに充てる割合など) を記述でき、鋳造されると、完全な透明性を維持するためにブロックチェーン上で一般公開されます。スマートコントラクトは、著作権や複製権を対象とした法的契約に代わるものではなく、作成者が概要を説明する補強的なしくみです。 

NFT の使用を介して、希少なデジタル商品や物理的な商品を中心にまったく新しいエクスペリエンスが構築され、これにより、所有者はさまざまなものを手に入れることができます。NFT を購入すると、コミュニティの一員となります。つまり、コミュニティがすべてということです。NFT はメンバーシップの証明、非公開コミュニティへのアクセスの許可、所有権の証明として使用できます。また、NFT で所有者に特別なコンテンツへのアクセスを付与することもできます。 

NFT を購入することにより、NFT 保有者は世界中の所有者、コレクター、トレーダー、ゲーマーなど、一意の NFT プロジェクトを通じて一堂に会した人々の輪の中に入ることができます。また、NFT によって新しいタイプのコミュニティに参加する機会も提供されます。このコミュニティでは、各メンバーは単なる 1 メンバーではなく、共同運営者になります。今や、コミュニティの成功はメンバーに委ねられるようになり、NFT によって実現される新しい強力な原動力をメンバーが生み出すようになっています。

あらゆるデジタルなものが NFT になり得るとすれば、複数のユースケースが考えられます。企業の中には、すでにこのアイデアを活用して、スニーカーが本物であるかどうかを確認するための NFT システムを立ち上げたり、ファンがベストプレーを所有できるように歴史的なスポーツの瞬間を集めたビデオクリップの NFT を作成したりしている企業もあります。

NFT を利用すると、NFT の所有権がなければ容易に手に入れることができないものにアクセスできるようになり、新しいタイプのデジタルエクスペリエンスへの扉が開かれます。たとえば、NFT を所有することで、美術館で NFT の芸術作品を直接展示する機会をいち早く得ることができます。所有者は元の NFT を変形させる独自の特性を獲得し、より希少価値の高いものにすることができます。また、NFT はライブコンサートの VIP 席に入るためのチケットとして使用することもできます。さらに、NFT にはデジタルツインがあり、NFT を購入すると NFT 上の衣類のレプリカが NFT 保有者のみに送信されます。NFT を所有するとデジタル自慢ができると言う人もいますが、それだけには留まりません。 

NFT ジャーニーを計画する

NFT の所有者になって自慢することに興味があるなら、遠慮することはありません。リサーチして、ワクワクするプロジェクトを見つけ、コミュニティとつながり、プロファイル写真 (PFP) で新しいデジタル ID を披露してください。 

この新しい仮想世界を深く知る上で、信頼性と安全性に関する指針や NFT、Web3、暗号通貨、ブロックチェーンに関する詳細を確認するには、「Web3: これからのインターネット」を参照してください。Web3 の概要、Web3 を実現するテクノロジーの詳細な説明、この領域で作業するための Salesforce の価値主導アプローチが紹介されています。

以下の用語集を確認して、Web3 の詳しい学習を始めましょう。皆さんと一緒に新しい道を切り開いていくことを楽しみにしています。

Web 3.0 用語集

用語  定義 

Web3 (Web 3.0)

次世代のインターネット。ユーザーは各自のデータとデジタル ID の両方を参照、更新、所有できるようになります。 

ブロックチェーン

公開分散台帳内の情報を含むブロックのチェーン。

暗号通貨 

クリプトとも呼ばれる暗号通貨は、中央機関に依存しないコンピューターネットワークを通じて交換媒体として機能するように設計されたデジタル通貨です。 

ウォレット 

暗号通貨取引用の公開鍵または非公開鍵を保存するデバイス、プログラム、またはサービス。 

リソース

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