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Net Zero Cloud のその他の機能を調べる

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 会社が科学的根拠に基づく目標と炭素排出量予測を管理するために Net Zero Cloud がどう役立つかを説明する。
  • 会社でサプライヤーのサステナビリティパフォーマンスを追跡する際に Net Zero Cloud がどう役立つかを説明する。
  • 企業が Net Zero Cloud を使用して、どのようにカーボンクレジットを管理し、カーボンオフセットプロジェクトに割り当てることができるかについて説明する。
  • Net Zero Cloud で使用可能な標準の CRM Analytics ダッシュボードを挙げる。

目標を設定して予測を行う

Net Zero Cloud のカーボンアカウンティングプロセスを理解した Northern Trail Outfitters (NTO) の最高サステナビリティ責任者 Sam Rajan は、他のソリューション機能について調べることにしました。

最初に、科学的根拠に基づく目標を調べます。この目標は、企業に 1.5°C 目標に向けて排出量を削減するための明確に定義されたパスを提供します。つまり、気候変動の最悪の影響を避けるために何が必要かを科学的根拠に基づいて確認できます。科学的根拠に基づく目標を設定するために、Sam は NTO の目標を作成する意志を表明するコミットメントレターを Science Based Targets イニシアチブ (SBTi) に提出し、SBTi の条件に準拠した特定の排出量削減目標計画を作成します。

Sam は科学的根拠に基づく目標機能を使用してこの 1.5°C のコミットメント達成へのパスを作成および管理したり、会社レベルのネットゼロ達成へのパスにコミットしたりできます。会社レベルのパスの場合はコミットメントの達成に必要な複数の排出削減目標を設定します。そのためには、NTO の基準年度温室効果ガス (GHG) インベントリを計算し、そのベースラインを参照ポイントとして使用して年次目標を策定する必要があります。

NTO の排出削減コミットメント。

この例では、Sam は 2020 年を基準年度とし、その後の 10 年間で NTO のスコープ 1、2、3 の排出量を 50% 削減するという目標を作成します。さらに、NTO はその事業で再生可能エネルギーを 100% 使用することを目標にします。これに従えば、NTO は排出量を 2030 年までに半減させ、2050 年までにネットゼロ排出を達成しやすくなります。

次に Sam は、現在の排出量だけでなく、今後 10 ~ 15 年の排出量のトレンドにも焦点を当てることで、NTO が将来の計画を立てるのに Net Zero Cloud がどのように役立つかを調べます。長期的な目標を達成するために今アクションを起こすのに役立つ、効果的で正確な排出量予測を生成できることがわかり感激します。

また、全社レベルの GHG 排出量予測と、特定のビジネス活動 (出張、すべての固定資産で購入された電気など) の GHG 排出量予測を生成します。ビジネス活動種別を使用してカーボンインベントリを計算し、活動種別ごとの目標を設定し、炭素排出量を予測し、カーボンオフセットを管理します。

排出量予測の前年比。

Net Zero Cloud には定義済みの予測基準、ディメンション、数式、入力を含むデフォルトの予測セットが付属しています。計算ロジックはビジネス要件に従ってカスタマイズできます。Net Zero Cloud では、CSV ファイルからの予測データのインポートもサポートされています。Sam は既存のデータを基に科学的根拠に基づく目標を使用して NTO でのネットゼロの取り組みを進めているため、CSV インポート機能を使用すれば時間を節約できます。

サプライヤーとエンゲージする

スコープ 3 排出量を把握すると、NTO が今後の規制に備えて計画を立てるのに役立ち、会社の調達判断や商品設計の指針にもなります。より正確なスコープ 3 カーボンフットプリントを作成するために、NTO はサプライヤーからの排出量を追跡する必要があります。そのために、Sam はまず NTO のスコープ 3 ハブを使用して調達エントリからスコープ 3 排出量を計算します。これにより、最大の影響を及ぼすサプライヤーのスタックランクがわかります。

Salesforce の External Engagement Management アドオンの機能を利用してサプライヤーと連携し、サプライヤーから GHG 排出量データを収集します。サプライヤーデータモデルのサプライヤースコアカードを使用して、Sam はサプライヤーのサステナビリティ評価指標とコミットメントを大規模に追跡できます。これにはサプライヤーの報告成熟度、報告された炭素データ、サプライヤー自体の科学的根拠に基づく目標が含まれます。

排出量データをアップロードするサプライヤーとの連携。

この情報は Sam が NTO の合計カーボンフットプリントのうち、サプライチェーン内から発生した排出量はどのくらいかを評価するのに役立ちます。Sam は特定のサプライヤーと協力して排出量を削減し、より適切な購入判断をし、再生可能エネルギーとカーボンクレジットを購入して NTO のネットゼロを達成するために必要なデータを手に入れました。

カーボンクレジットの管理と割り当て

Sam は NTO の炭素排出量を削減するためにいくつかの対策を主導してきました。NTO は排出量を削減するためにできる限りのことをしていますが、短期的には避けられない排出量もあるため、Sam はその排出量をカーボンクレジットで補うことを計画しています。彼はカーボンプロジェクトの詳細を調べ、NTO のカーボンクレジットを購入するワンストップショップとして Salesforce Net Zero Marketplace を使用します。カーボンプロジェクトへの投資がいかに簡単かを「リソース」セクションにある Net Zero Marketplace で確認してください。

Net Zero Cloud を使用すれば、Sam は NTO のカーボンクレジットを簡単に管理できます。組み込みワークフローを使用して、カーボンクレジットとその配分を簡単に管理、追跡し、割り当てられたカーボンクレジットが正味排出量に与える影響を視覚化できます。

2021 年のカーボンクレジット割り当ておよび排出。

Sam は、次の四半期の初めに NTO カーボンクレジットをマーケットプレイスで購入する承認を得ました。クレジットを割り当てたときに合計排出量グラフの棒が短くなるのを楽しみにしています。

CRM Analytics でインサイトを得る

Net Zero Cloud には標準で CRM Analytics が統合されており、いくつかの定義済みダッシュボードでエネルギー使用状況と炭素排出量の概要を把握できます。役員はこのポイント & クリック操作のダッシュボードを使用してすばやくデータを視覚化し、排出量と全体的な環境影響評価指標について重要なインサイトを得ることができます。

Climate Action Dashboard (気候行動ダッシュボード)。

次の表で標準ダッシュボードについて説明します。

ダッシュボード

説明

Audit

このダッシュボードには、会社のリソース消費、排出量、排出係数、再生可能エネルギーの使用に関する比較グラフが表示されます。また、前後関係がわかるように報告年と比較年の 2 年分のデータの年次概要が表示されます。サステナビリティデータの前年比較やレビューに役立ち、外部監査人にレコードを視覚化して提供できます。ダッシュボード検索条件には、ビジネス地域、資産、資産種別が含まれます。

Building Energy Intensity

このダッシュボードで、オフィスビル間のエネルギー消費量と炭素排出量を比較できます。

Business Travel Impact

このダッシュボードには、会社全体の出張に関するデータが表示されます。出張には、空路移動、陸上移動、ホテル宿泊、レンタカーが含まれます。ダッシュボード検索条件には、ビジネス地域、ベンダー、報告日が含まれます。

Climate Action

このダッシュボードには、組織の全体的なカーボンフットプリントに関するデータが表示されます。ステークホルダーは会社全体の炭素排出パターンを視覚化できます。合計カーボンフットプリントの資産種別、報告日、地域などのカテゴリ別内訳が表示されます。このページには、エネルギー使用量、炭素原単位、再生可能エネルギーの詳細が表示されます。

Carbon Credit Allocation

このダッシュボードで、カーボンクレジット割り当ての前年比の進捗状況、プロジェクト全体の割り当ての配分、関連するコストの推移に関するインサイトを取得できます。

Predicted Air Travel Emissions

このダッシュボードでは、将来の出張関連の排出量とその削減方法に関する推奨事項に関するインサイトが提供されます。たとえば、飛行機から鉄道に切り替えると、排出量が特定の割合で削減されます。

Predicted Carbon Emissions and Fuel Consumption by Stationary Assets

このダッシュボードで、将来の特定の年の固定資産ごとの予測炭素排出量と燃料消費量、炭素排出量の前年からの増加率を参照できます。この予測データは、ビジネス地域、燃料種別、固定資産種別で絞り込むこともできます。

Scope 3

このダッシュボードには、スコープ 3 排出量計算についての情報がスコープ 3 カテゴリとサプライヤー別の内訳で表示されます。

Supplier

このダッシュボードでサプライヤーの排出量とサステナビリティへの取り組みに関するインサイトを得ることができます。このデータに基づくインサイトを活用して、排出量削減とサプライヤーのサステナビリティスコアを向上させる対策を提案できます。

Waste Management

このダッシュボードには、会社の廃棄物処理と廃棄物フットプリントに関するデータが表示されます。

Water Management

このダッシュボードでは、水消費量、取水量、排水量の経年変化、および水リスクや水ストレスなどの水に関する KPI の配分を異なる地域や固定資産で確認できるため、水管理のための効果的な対策を講じることができます。

ESG

このダッシュボードでカーボン削減プロジェクトと、その他の ESG (環境、ソーシャル、ガバナンス) 影響改善プロジェクトを計画し、ポートフォリオ全体で追跡します。サプライヤーの標準的な ESG スコアや主要なダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン (DEI) 指標などのデータを視覚化し、それに基づいて行動することができます。

各ダッシュボードには豊富な情報が含まれています。一目で簡単に確認できる大まかなトレンドが明らかになるものもあれば、サンプルデータ分析をスクロールしたり、マウスポインターを置いたり、クリックしたりするとより深いインサイトが表示されるものもあります。

先に進みましょう

このように、NTO のネットゼロ達成ジャーニーは快調で、以前より迅速に進んでいます。企業は NTO のように Net Zero Cloud を使用して環境への影響をすばやく測定し、発見事項を役員や監査人など主要なステークホルダーに報告し、環境への影響を前年と比較しながら追跡できます。Net Zero Cloud の機能と Net Zero Marketplace についての詳細は、「リソース」セクションを参照してください。

リソース

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