Net Zero Cloud を使用するための組織の準備
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Net Zero Cloud 権限セットライセンスについて説明する。
- 組織でプロファイルを作成する。
- 組織で Net Zero Cloud を有効にする。
ネットゼロへの道
アウトドアやレクリエーションの用具と衣料品の販売で知られる急成長中の架空小売企業 Northern Trail Outfitters (NTO) は、気候変動に取り組んでいます。カーボンフットプリント削減へのコミットメントの一環として、NTO は Net Zero Cloud を使用して自社のサプライチェーン全体を通して温室効果ガスの排出量を追跡、分析、報告するつもりです。
「Net Zero Cloud の基本」では、NTO のネットゼロジャーニーを開始した最高サステナビリティ責任者 Sam Rajan を紹介しました。
Net Zero Cloud を設定するために、Sam は NTO の Salesforce システム管理者 Safiya Rees に協力を求めます。このモジュールでは、Safiya が NTO の Salesforce 組織で Net Zero Cloud を稼働させる手順を一緒に見ていきます。
Net Zero Cloud を使用するために Salesforce 組織を準備する
このモジュールでは、受講者が Salesforce システム管理者で、Net Zero Cloud をインストールして設定する適切な権限を有しているものと想定しています。Salesforce システム管理者でなくても大丈夫です。このまま読み進み、本番組織でシステム管理者がこれらの手順をどのように実行するのか確認します。Trailhead Playground でこれらの手順を実行しないでください。Trailhead Playground では Net Zero Cloud を使用できません。
Safiya はまず組織の [私のドメイン] の設定から始めます。[私のドメイン] では組織に固有のカスタムサブドメインを作成できます。また、[私のドメイン] はカスタム Lightning コンポーネントやシングルサインオンを設定する場合にも必要です。すべての組織にデフォルトで [私のドメイン] が作成されます。組織の [私のドメイン] の名前が気に入らない場合や変更が必要な場合は、変更できます。[設定] から、[クイック検索] ボックスで [私のドメイン] を検索して選択します。詳細は、「リソース」セクションのリンクを参照してください。
次に、Safiya は組織に必要な Net Zero Cloud 権限セットライセンスがあることを確認します。権限セットライセンスは、ユーザーライセンスに含まれていない機能へのアクセス権をユーザーに付与します。Net Zero Cloud 管理者として、Safiya はアプリケーションを設定できるように権限セットライセンスを自分に割り当てます。
- [設定] から、[組織情報] を検索して選択します。
- [権限セットライセンス] をクリックします。
- Net Zero Cloud 権限セットライセンスと、少なくとも 1 つの Analytics 権限セットライセンスがあることを確認します。
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Net Zero Cloud
Net Zero Cloud 機能、標準オブジェクト、Net Zero Cloud オブジェクトへのアクセス権を付与します。
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Net Zero Analytics Base3 Apps
Net Zero Cloud Starter ライセンスで使用できます。Net Zero Analytics アプリケーションに無制限でアクセスできます。
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Zero Analytics Base5 アプリケーション
Net Zero Cloud Growth ライセンスで使用できます。Net Zero Analytics アプリケーションに無制限でアクセスできます。
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CRM Analytics for Net Zero Cloud
CRM Analytics for Net Zero Cloud アドオンで使用できます。Net Zero Cloud での CRM Analytics アプリケーションとダッシュボードの作成やカスタマイズなど、CRM Analytics の完全なプラットフォーム機能を使用できるようにします。
メモ: Analytics 権限セットライセンスの違いに関する詳細は、Net Zero Cloud に関するドキュメントを参照してください。
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Net Zero Cloud
Safiya は Tableau Analytics をまだ設定しませんが、そのときが来たらすぐに取り掛かれるように、CRM Analytics for Net Zero Cloud 権限セットライセンスを自分に割り当てておきます。(Safiya は「Net Zero Cloud Analytics の設定」モジュールで Net Zero Analytics を設定します。「リソース」セクションにリンクが記載されています。)
- [設定] から、[ユーザー] を検索して選択します。
- システム管理者ユーザーの名前をクリックし、[権限セットライセンスの割り当て] 関連リストをクリックして、[割り当ての編集] をクリックします。
- 矢印を使用して [Net Zero Cloud] と [CRM Analytics for Net Zero Cloud] を [有効化された権限セット] ボックスに追加し、変更内容を保存します。
これで Safiya はユーザープロファイルを設定する準備が整いました。
Net Zero Cloud のプロファイルを作成する
プロファイルは、ユーザーがオブジェクトやデータにアクセスする方法や、アプリケーション内で実行可能な操作を定義します。システム管理者はユーザーを作成し、ロールに基づいてプロファイルを割り当てます。Net Zero Cloud のロールには、次の 2 つのプロファイルを作成することをお勧めします。後で、対応する権限セットを各ユーザーに割り当てて、Net Zero Cloud に固有の権限を付与することができます。
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Net Zero マネージャー
編集アクセス権を持つ社内チームのメンバー。マネージャーはレコードの作成と更新、CRM Analytics ダッシュボードの変更ができます。
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Net Zero 監査人
参照のみアクセス権を持つ社内チームのメンバーまたは外部監査人。監査人は、検証プロセス中に Net Zero Cloud チームとコラボレーションできます。また、オブジェクトやレポートのデータを確認したり、CRM Analytics ダッシュボードを表示したりすることもできます。
メモ: プロファイルを設定するときに、拡張プロファイルユーザーインターフェースか、元のプロファイルユーザーインターフェースで作業することができます。Safiya は拡張プロファイルユーザーインターフェースを選びます。プロファイルユーザーインターフェースを切り替えるには、[設定] から [ユーザー管理設定] を検索して選択し、[拡張プロファイルユーザーインターフェース] を有効にします。
監査人とマネージャーのプロファイルを作成する
- [設定] から、[プロファイル] を検索して選択します。
- [新規プロファイル] をクリックします。
- [プロファイルのコピー] ページの [既存のプロファイル] で [標準ユーザー] を選択します。
- プロファイル名 (「Net Zero マネージャー」など) を入力して変更内容を保存します。
- この手順を繰り返し、Net Zero 監査人のプロファイルも作成します。
Net Zero Cloud を有効にする
次に、組織で Net Zero Cloud を有効にします。
- [設定] から、「Net Zero」を検索して [Net Zero 設定の有効化] を選択します。
- Net Zero Cloud を有効にします。
アプリケーションアクセスを有効にする
次に、Net Zero のすべてのプロファイルに Net Zero アプリケーションのアクセス権があることを確認します。
- [設定] から、[アプリケーションマネージャー] を検索して選択します。
- Net Zero のアクションメニューをクリックし、[編集] を選択します。
- [ユーザープロファイル] を選択し、マネージャーと監査人の新しいプロファイルとシステム管理者プロファイルを [選択済みプロファイル] に追加します。
- 変更内容を保存します。
デフォルトのアプリケーションを設定する
Net Zero をすべてのプロファイルのデフォルトアプリケーションとして設定します。
- [設定] から、[プロファイル] を検索して選択します。
- マネージャープロファイルを選択し、[割り当てられたアプリケーション] をクリックして、[編集] をクリックします。
- [Net Zero] をデフォルトのアプリケーションとして選択します。
- 変更内容を保存します。
- この手順を監査人とシステム管理者のプロファイルでも繰り返します。
ページレイアウトの割り当てを確認する
Safiya にはプロファイルで完了しなければならない作業がもう 1 つあります。ページレイアウトの確認です。
ページレイアウトは、オブジェクトレコードページのボタン、項目、関連リストの構成を制御します。また、どの項目が参照可能、必須、参照のみであるかもページレイアウトによって決まります。Net Zero Cloud オブジェクトにレコードタイプが 1 つしかない場合は、ページレイアウトが割り当てられていますので、何もする必要はありません。ほとんどの Net Zero Cloud オブジェクトがこれに該当します。後で Safiya がオブジェクトのレコードタイプを作成するときに、レコードタイプごとに異なるページレイアウトを割り当てるのですが、ちょっと先走り過ぎたようです。
Safiya は次の手順でプロファイルのページレイアウトの割り当てを確認します。
- [設定] から、[プロファイル] を検索して選択し、マネージャープロファイルを選択します。
- [設定の検索] ボックスに、Net Zero Cloud オブジェクトの名前を入力し、リストからそのオブジェクトを選択します。たとえば、[スコープ 3 カーボンフットプリント] を見つけて選択します。
- [編集] をクリックします。
- ページレイアウトの割り当てを確認します。
- ドロップダウンから別のオブジェクトを選択し、ページレイアウトの割り当てを確認します。
- 監査人とシステム管理者のプロファイルでも繰り返します。
Safiya は必要な手順をすべて完了しました。Net Zero Cloud ユーザーを作成し、Net Zero Cloud を有効にし、ユーザーが効率的に作業できるように Net Zero アプリケーションをカスタマイズしました。次は、ユーザーを追加し、Net Zero Cloud をさらに設定していきます。
リソース
- Trailhead: Net Zero Cloud の基本
- Trailhead: システム管理者初級
- Trailhead: Net Zero Cloud Analytics の設定
- Salesforce ヘルプ: Net Zero Cloud の設定および管理
- Salesforce ヘルプ: Net Zero Analytics ライセンスの理解
- Salesforce ヘルプ: ユーザーライセンス
- Salesforce ヘルプ: 私のドメイン
- Trailhead: [私のドメイン] を使用したログインプロセスのカスタマイズ
- Trailhead: Net Zero Cloud を使用した資産のカーボンアカウンティング
- Trailhead: Net Zero Cloud を使用したスコープ 3 のカーボンアカウンティング