グローバル変数を使用して RPA プロセス間で値を共有する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- グローバル変数について説明する。
- グローバル変数を作成する。
- グローバル変数を管理する。
- グローバル変数の通用範囲を理解する。
始める前に
このモジュールは「MuleSoft RPA Process Testing (MuleSoft RPA プロセスのテスト)」に基づいて作成されているため、続行する前に受講することをお勧めします。RPA プロセスをテストして本番環境にデプロイしたときに想定どおりに機能することを確認する方法を学習します。
このモジュールでは、受講者の組織が MuleSoft RPA ライセンスを購入していると想定しています。ただし、ライセンスがなくても問題ありません。このまま読み進み、手順を実行する方法を学習してください。MuleSoft RPA は Trailhead Playground で使用できないため、記載の手順を Trailhead Playground で実行しないでください。
この単元では、グローバル変数の使用方法を学習します。まずグローバル変数について理解し、モジュールの後半では RPA プロセスのデプロイメントに進みます。
グローバル変数とは?
RPA プロセスをテストするとき、デプロイメント設定でアクティビティパラメーター値を設定します。この値がどのデプロイメントでも同じだったらどうでしょうか? そのような場合はグローバル変数を使用します。グローバル変数を使用すると、再利用可能な値を定義して RPA プロセスデプロイメント間で共有できます。この共有可能な値は異なる RPA プロセスにも使用できるため、時間を節約し、標準化を促進できます。
現実的なシナリオで企業がグローバル変数を使用する例を見てみましょう。ACME は MuleSoft RPA を使用して注文管理、請求処理、財務、マスターデータ管理のプロセスを自動化しています。ACME 用に作成された多くの RPA プロセスで、外部にホストされているファイル共有からファイルを参照しています。セキュリティ上の懸念から絶対パスは毎週変更する必要があります。
このファイル共有パスはすべてのプロセスでアクティビティパラメーターとして定義されていますが、同じ名前にする必要はありません。たとえば、注文管理プロセスでは「fileShare」というアクティビティパラメーターを使用し、請求処理プロセスでは「filePath」というアクティビティパラメーターを使用しています。fileShare と filePath の値は同じ外部パスで、毎週変更されます。時間を節約し、プロセスを標準化するために、ACME ではグローバル変数を使用して値を共有できます。
グローバル変数を作成する
MuleSoft RPA Manager では、Process Automation モジュールの [Global Variables (グローバル変数)] メニューを使用してグローバル変数を表示、作成、管理します。
グローバル変数を作成するときには、[Name (名前)]、[Description (説明)]、[Type (型)]、[Value (値)] を指定する必要があります。グローバル変数が使用されるフェーズ ([Test (テスト)] または [Production (本番)]) も指定する必要があります。
グローバル変数を表示および管理する
[Global Variables (グローバル変数)] メニューには、使用可能なすべての項目がテーブル形式で表示されます。グローバル変数には次の 3 つのアクションを使用できます。
アクションアイコン |
説明 |
---|---|
使用方法 |
グローバル変数が使用されるすべての設定を表示します。 |
編集 |
グローバル変数を編集します。プロセスが実行中でも、すべての項目を編集できます。新しい値は次のプロセス実行時に使用可能になります。 |
削除 |
グローバル変数を削除します。削除できるのは使用されていないグローバル変数のみです。 |
RPA プロセス実行中にグローバル変数値に加えられた変更は、そのプロセスにのみ影響します。その変更が MuleSoft RPA Manager に伝搬されることはありません。この動作により、あるプロセスの変更が他の RPA プロセスに悪影響を及ぼすのを防止します。
グローバル変数のデータ型を定義する
MuleSoft RPA Manager を使用して、開発者はグローバル変数の 5 つのデータ型を定義できます。
グローバル変数のデータ型 |
説明 |
許容値 |
---|---|---|
Integer (整数) |
整数値 |
範囲: -2147483647 ~ 214748647 |
Alphanumeric (英数字) |
文字列 |
長さ制限なし |
Boolean (ブール) |
論理値 |
true または false |
Float (浮動小数点) |
浮動小数点値 |
小数点以下 16 桁の精度 |
Coordinates |
X-Y 座標を表す 2 つの整数値の組み合わせ |
範囲: -2147483647 ~ 214748647 |
ウォークスルー
次のウォークスルー手順に従ってグローバル変数を作成して使用する手順を実行してください。
この単元では、MuleSoft RPA Manager でグローバル変数を作成して管理する方法を学習しました。グローバル変数で使用可能なデータ型とその値の範囲や通用範囲も確認しました。次の単元では、RPA プロセスを本番の MuleSoft RPA Bot にデプロイする方法を学習します。