開発に向けて MuleSoft RPA プロセスを準備する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- RPA プロセスのバックログを管理する。
- 承認済み RPA プロセスプロジェクトの開発、テスト、リリース、管理を行うためのチームを編成する。
RPA プロセスバックログを管理する
RPA プロセスの作成が承認されたら、承認プロセス中に指定された個人またはチーム、つまりセンターオブエクセレンスチームまたはプロジェクトマネージャーにその RPA プロセスが渡されます。次に、RPA プロセスは指定された個人またはチームのバックログに表示され、自動化プロセスが開始されるのを待機します。
センターオブエクセレンスのプロセスバックログ
センターオブエクセレンスのバックログに送信された候補 RPA プロセスは、指定されたチームのすべてのメンバーの My RPA モジュールの [Team Backlog (チームバックログ)] ビューに表示されます。組織に複数のセンターオブエクセレンスチームがあることがあります。たとえば、サービスチーム向けのサービスセンターオブエクセレンスと財務チーム向けの財務センターオブエクセレンスがあるということが考えられます。
センターオブエクセレンスチームのメンバーは、プロジェクトを取得して自動化プロセスを開始することができます。そうすると、プロジェクトはユーザーの My RPA モジュールの [My Backlog (私のバックログ)] セクションに移動し、そのユーザーがそのプロジェクトのプロジェクトマネージャーであるかのように動作します。
プロジェクトマネージャーのプロセスバックログ
プロジェクトマネージャーに送信された候補 RPA プロセスは、個人のバックログである [My Backlog (私のバックログ)] に直接送信されます。次に、プロジェクトマネージャーは候補 RPA プロセスの自動化を開始するか却下するかを選択できます。
候補 RPA プロセスの自動化を開始する
候補 RPA プロセスの自動化プロセスを開始するには、[My Backlog (私のバックログ)] ビューで次のアイコンをクリックします。
候補 RPA プロセスを却下する
次のアイコンをクリックすることで候補 RPA プロセスを却下できます。
候補 RPA プロセスが却下されると、[Evaluation (評価)] フェーズに戻り、Process Evaluation モジュールのプロセスリストに表示され、状態が [rejected (却下済み)] になります。その後、適切であると見なされる場合には、候補プロセスは再評価されて、同じプロセスマネージャーまたは別のプロセスマネージャーから自動化の承認を受けることができます。
MuleSoft RPA Manager で RPA プロセスを作成する
自動化開始ボタンをクリックすると、[Create Process (プロセスの作成)] ビューが読み込まれます。このページでは、開発に備えてプロジェクトを設定できます。プロジェクト設定は [Process Costs (プロセスコスト)] と [Settings (設定)] の 2 つのタブに分かれています。
プロセスコスト
[Process Costs (プロセスコスト)] セクションでは、そのビジネスプロセスを手動で実行し続けるために必要なすべてのコストと、RPA ソリューションへの移行に関連付けられるコストを指定します。ここでの数値は [Evaluation (評価)] フェーズで表示された数値と似ています。
ただし、作業を手動で実行するのに必要なコストに加えて、プロセスを自動化するために必要なコストもリストできます。これには、初期投資、そのコストの減価償却期間、毎月の運用コストが含まれます。これらはすべてプロジェクトの初期財務分析を生成するのに使用されます。このトピックについては、次の単元で詳細に説明します。このようなコストを指定することはプロジェクトの ROI を決定するために役立ちますが必須ステップではありません。
設定
次の表に示す [Create Process (プロセスの作成)] ビューの [Settings (設定)] セクションでは、アプリケーションの開発に直接関係する情報を入力します。
設定 |
説明 |
---|---|
Process name (プロセス名) |
プロセス名は必須で、一意である必要があります。この名前は RPA プロセスで自動化するビジネスプロセスと明確に関連している必要があります。 標準 RPA 開発ライフサイクルに従うと、RPA プロセスの名前は [Evaluation (評価)] フェーズ中に設定された名前に基づいて自動的に設定されます。 この名前を変更することはできますが、My RPA モジュールの [My Backlog (私のバックログ)] ビューのテーブルには元の名前がそのまま表示されます。 |
Process owner (プロセス所有者) |
プロセス所有者は、自動化のための RPA プロセスの提案、評価、承認を行った個人を示します。 デフォルトでは、プロセス所有者にはプロジェクトの参照権限はありますが、編集権限はありません。 プロセス所有者は Process Automation モジュールの [Process Management (プロセス管理)] ビュー内でいつでも新しいユーザーに切り替えることができます。 |
プロジェクトマネージャー |
プロジェクトマネージャーは RPA プロセスの開発を監督し、開発プロセス全体で完全な参照権限と編集権限を持ちます。 プロジェクトマネージャーは Process Automation モジュールの [Process Management (プロセス管理)] ビュー内でいつでも変更することができます。 |
Required applications for process (プロセスの必須アプリケーション) |
RPA プロセスを実装する前に、このセクションに RPA ボットが必要とする既知の連動アプリケーションをすべてリストする必要があります。 実行時に使用できない必須アプリケーションがある場合、プロセスは正常に実行できません。 Process Automation モジュールの [Process Applications (プロセスアプリケーション)] ビューを使用してアプリケーションを追加することもできます。次に、RPA Bot Management モジュールの [RPA Bots (RPA ボット)] ビューを使用して適切なボットを変更することで、どの MuleSoft RPA ボットインスタンスがこのアプリケーションへのアクセス権を持つかを指定できます。 |
Process team (プロセスチーム) |
プロジェクトチームにメンバーを追加するには、プロセスチームの [add a member (メンバーを追加)] ドロップダウンメニューを使用してメンバーを検索します。チームに追加した後、各ユーザーを開発の担当フェーズに割り当てることができます。 メモ: [Production (本番)] フェーズでは、RPA 開発ライフサイクルの [Deploy (リリース)] フェーズと [Manage and Monitor (管理と監視)] フェーズの両方がカプセル化されます。特定のフェーズに割り当てられたメンバーのみが開発のそのフェーズでの編集権限を持ち、プロジェクトを次のフェーズに公開する権限をデフォルトで持ちます。ただし、すべてのチームメンバーは常に RPA プロセスに対する参照権限を持っています。さらに、[Advanced Permissions (高度な権限)] オプションを使用して、開発の次のフェーズに RPA プロセスを公開できるユーザーを制限することができます。 |
カテゴリ |
MuleSoft RPA Manager の RPA プロセスは、Process Automation の [Process Management (プロセス管理)] ビューにあるカテゴリを使用して整理する必要があります。プロジェクトを作成するときには既存のカテゴリを指定する必要があります。この設定は必要に応じて後で編集できます。 |
Process board (プロセスボード) |
プロセスボードを使用すると、チームはタスクを簡単に割り当てて、指定されたチームメンバーが実行するタスクを追跡できます。チームメンバーは、My RPA モジュールの [My Process Board (私のプロセスボード)] ビューを使用して、自分が貢献するすべての RPA プロセスから自分に割り当てられたタスクを表示できます。 ヒント: [Create automatic Phase Release Tasks (自動フェーズリリースタスクの作成)] オプションを有効にすると、各フェーズの移行のための [Ready for Release to <Name of the next phase> (<次のフェーズ名> へのリリース準備)] というタスクが自動的に生成されます。 次のフェーズ名> プロセスボードでこのタスクが [complete (完了)] とマークされるまで、プロセスを開発の次のフェーズへ進める [publish (公開)] ボタンはロックされています。 |
この単元では RPA プロセスを取得する方法を学習しました。自動化プロセスを開始または却下する方法も学習しました。さらに、RPA プロセスプロジェクトを開発に向けて完全に設定するために MuleSoft RPA Manager で必要な主要情報についても確認しました。次の単元では、プロジェクトマネージャーがプロジェクトを作成するときに指定した値に基づいて、MuleSoft RPA Manager で自動生成される財務分析について詳しく見ていきます。