BPMN を使用して MuleSoft RPA プロセスを設計する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- BPMN を定義する。
- MuleSoft RPA で使用する BPMN の要素を挙げる。
- BPMN を使用して RPA プロセスを設計する方法を説明する。
始める前に
このモジュールは「MuleSoft RPA ライフサイクル」に基づいて作成されているため、先に進む前に先行のモジュールを受講することをお勧めします。先行のモジュールで、RPA (ロボティックプロセスオートメーション) のプロセス候補の開発を提案、評価、承認する方法を学習しました。
このモジュールでは、BPMN の概要と、MuleSoft RPA Manager の BPMN エディターで BPMN を使用して MuleSoft RPA ビジネスプロセスを設計する方法を解説します。また、MuleSoft RPA Recorder と関連するエディターを Windows システムで実行し、ユーザーインタラクションを自動的に捕捉する方法も説明します。
MuleSoft RPA では、RPA プロセスの設計や構築に標準のモデリング言語表記を使用します。この単元では、人間の手作業に取って代わる自動化プロセスを構築するために MuleSoft RPA で使用する言語の要素について学習します。
BPMN の概要と RPA Manager での使用法
MuleSoft RPA プロセスは、その設計や構築に Business Process Model and Notation (BPMN) 言語を使用します。BPMN はビジネスプロセスのワークフローダイアグラムを作成する標準的な手法です。
BPMN の最大のメリットは、使いやすく、マシンで実行可能なプログラムに容易に変換されることです。BPMN を使用してビジネスプロセスを設計するときは、記号を使ってプロセスを組み立てていきます。
下の図は、ビジネスプロセスを表す BPMN ダイアグラムの一例です。

このダイアグラムは、記号の連結によってフローが構成され、さまざまなタスクが結び付いてユーザーの一般的なワークフローが実行されることを示しています。
下の表は、MuleSoft RPA で使用する BPMN の記号の一覧です。
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BPMN の記号 |
RPA の要素 |
説明 |
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つながり |
2 つのフロー要素を結び付けます。矢印はフローの方向を示します。接続に表示ラベルを設定できます。
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Start Event (開始イベント) |
フローの始点を表します。RPA プロセスフローには開始イベントを 1 つのみ設定できます。このイベントのドキュメントで、フローをいつ、どのようにトリガーするかを指定できます。
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Stop Event (終了イベント) |
フローの終点を表します。RPA プロセスフローには複数の終了イベントを設定できます。
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Timer Boundary Event (タイマー境界イベント) |
一定時間を経過するとフロー要素をスキップする条件を表します。
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Bot Task (ボットタスク) |
RPA ボットで実行されるコードを表します。このタスクのドキュメントでコードを指定します。 |
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User Task (ユーザータスク) |
フローを一時停止してユーザー入力を待機します。 |
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Exclusive Gateway (排他的ゲートウェイ) |
フローの 2 つ以上の経路から、条件に基づいて 1 つを選択する地点を表します。
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Intermediate Event (中間イベント) |
複雑なフローを個別のフローに分割し、名前を付けたリンクで結び付ける手段です。あるフローにスロー種別の中間イベントを設定して終了し、その中間イベントを別のフローのキャッチ種別のインバウンド中間イベントに関連付けます。この処理により、複雑な BPMN ダイアグラムが整理されます。
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次の例は、MuleSoft RPA の RPA プロセスで BPMN 記号をどのように使用するかを示しています。円形の記号はイベントを指定します。たとえば、フローの始点の開始イベントなどです。開始イベントのドキュメントには、フローをトリガーするイベントの種別や、イベントのソースの設定に関する詳細などが記録されます。
どのフローも対応する終了イベントで終了します。フローは各活動を進行して終了イベントに到達します。終了イベントの設定ドキュメントには、フローの実行に使用したリソースのクリーンアップ方法などが指定されます。時計アイコンが付いたタイマー境界イベントも設定されています。このイベントは、条件に基づいて何かを待機するために停止する時点を指定します。
残りの記号はさまざまな活動を表します。長方形の活動を「タスク」といいます。人物アイコンが付いたタスクはユーザータスク活動で、人が手作業でフローを操作することを表します。

ボットタスク活動には 2 つの歯車のアイコンが付いています。この記号は、人間による Windows システムの操作を RPA ボットが模倣または自動化するための詳細な指示を表します。

MuleSoft RPA を使用する状況下では、BPMN の記号に基づいて実際の実行プログラムが生成されるため、すべての記号を「要素」といいます。要素を設定して、RPA プロセスプログラムの実行方法を指定します。
RPA フロー内で外部システムと通信するには、ボットタスクのワークフロー実装内に特別な要素を使用します。たとえば、メールの送信、Excel スプレッドシートやファイルシステムからの読み取りまたは書き込み、外部アプリケーションへの REST 要求の実行などを行う特別な要素を使用します。
他にも記号がありますが使用頻度が低いため、このモジュールでは取り上げません。
MuleSoft RPA で BPMN を使用する方法
BPMN の優れた点は、ダイアグラムが構造化された XML で表されることです。この構造は、Mule アプリケーションのフローを表示して変更する方法と同様です。
次のコードは、上の図で示した BPMN ダイアグラムの XML 表現の一部です。

構造化された XML は、コンピューターが容易に読み込んで解釈することができます。MuleSoft RPA Manager で作成した BPMN ダイアグラムを MuleSoft RPA Builder にインポートし、それを基に実際の RPA プロセス実装のスケルトンを生成できます。BPMN ダイアグラムを土台に RPA プロセスのコーディングと構築にすぐ取りかかることができます。BPMN ダイアグラムがあれば、一般的なビジネス業務を遂行する場合の活動のフローを把握して、人間による Windows のキーボードやマウスの操作などを自動的にシミュレーションすることができます。
さらに、ビジュアル要素にドキュメントをアノテーションとして追加できます。MuleSoft RPA には MuleSoft RPA Recorder と MuleSoft RPA Recorder エディターが付属し、Windows システムでのユーザーのアクションを自動的に追跡します。追跡したマウスクリックやキーボード操作はドキュメントにテキスト形式で保存され、BPMN ダイアグラムの 1 つ以上のボットタスク活動で使用できます。このため、RPA プロセス設計の的確な要件を読みやすいテキスト形式ですぐに確認できます。また、実装の根幹的な詳細を追加する前に、BPMN ダイアグラムを反復的に修正できます。
この単元では、BPMN の概要と MuleSoft RPA での使用法を学習しました。次の単元では、MuleSoft RPA Manager で RPA プロセスを選び取り、その編集を開始する方法について説明します。






