MuleSoft RPA Recorder を使用する準備をする

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• RPA プロセス設計のドキュメントに記録するユーザーステップの種別について説明する。
• 各自の Windows マシンで MuleSoft RPA Recorder を実行するための準備について説明する。

RPA プロセス設計は、レベルが異なる 2 種類の情報で構成されます。概要の設計では、アクティビティがどのように結び付いているのかを示します。細部の設計では、特定のアクティビティがどのように実行されるのかの詳細を示します。後続の 2 つの単元で、MuleSoft RPA Recorder でユーザーアクションに関する詳細の収集を自動化し、Windows システムで特定のアクティビティを実行する方法を説明します。

RPA プロセスの実装で自動化するユーザーステップをキャプチャする

前の単元で、RPA プロセスが開始イベントと終了イベント、自動化されたボットタスクアクティビティ、手作業のユーザータスクアクティビティ、ゲートウェイアクティビティで構成されることを学習しました。BPMN 記号で、フローがさまざまなボットタスクやユーザータスクのステップにどのように分割されるのかが示されますが、こうしたタスク、特にボットタスクをどのように実装するかは指定されません。

RPA 開発者にとっては、現在自動化しているタスクをユーザーが手作業でどのように実行していたのかについての詳しい情報があると役立ちます。たとえば、操作する GUI のスクリーンショットや、キーストロークの実際のリテラル値の例といった情報です。さらに、プロセスの実行時ににどのようなマウス操作が行われるのかを記録することも考えられます。

実際のところ、大半の RPA プロセスはマウス操作とマウスクリックの連続で、画面上の視覚的なパターンを見い出して、キーボードに値を入力していきます。RPA プロセス設計にはこうしたすべてのユーザーアクションを指定する特別な構文が用意され、BPMN ダイアグラムが MuleSoft RPA Builder にインポートされたときに自動的に初期実装に変換されます。

MuleSoft RPA Recorder は Windows システムで動作するツールで、ユーザーのアクションを追跡し、RPA プロセスの動作を BPMN 設計ドキュメントにコメントとして記録できます。

これは強力な機能で、一般的な RPA プロセスの多数のユースケースをシンプルかつ簡単に実装できるようになります。

MuleSoft RPA Recorder を各自の Windows システムで実行する準備をする

RPA Recorder では、RPA ボットで自動化されることになるユーザーアクションを記録します。RPA Recorder を使用する前に、各自の Windows システムと RPA ボットを実行する Windows システム間で次の点が一致していることを確認します。

• 画面解像度。
• ClearType (Microsoft® Windows に搭載されているフォントスムージングアルゴリズム) が両方のシステムでオンまたはオフになっている。
• メニューに「影付き」設定がある。
• 予定外のウィンドウの表示など、ワークフローを中断する可能性がある設定をオフにする。たとえば、Windows の更新や他のアプリケーションの更新通知が画面に表示されないようにします。

次のグラフィックは、ClearType が有効な Windows システムと ClearType が無効なシステムでフォントがどのように表示されるかを示しています。

ClearType を使用すると、中間的な色とグレースケール値を使用したゴーストピクセルが生じる傾向があります。こうした表示では画像検索アルゴリズムが混乱し、検索の精度が低下する可能性があります。

各 Windows システムの Windows システム設定で両者が一致していることを確認できます。

以下は、Windows システムの推奨設定です。

• スクリーンセーバーを無効にする。
• すべての電源プロパティをオフにする。
• Windows の自動更新を無効にする。
• ClearType を無効にする。
• メニューの影付き効果を無効にする。
• デスクトップのスケーリングを 100% に設定する。
• Windows のフォントを一致させる。

Windows には視覚効果の一般的なパフォーマンス設定があり、画像検索に関するすべての設定をまとめてオフにできます。すべてのクライアントシステムと、ワークフローの作成に使用するすべてのシステムで、この設定を調整することを強くお勧めします。Windows のスタートメニューから、[設定] を開きます。「パフォーマンス」を検索して、[Windows のデザインとパフォーマンスの調整] をクリックします。

[パフォーマンスオプション] ダイアログボックスで、[視覚効果] タブを選択し、ラジオボタンを [パフォーマンスを優先する] に設定します。この設定によってすべてのオプションがオフになります。[適用] をクリックします。

ウォークスルー

MuleSoft RPA Recorder を実行する Windows コンピューターの準備方法を記載したウォークスルーの説明を参照してください。