フローを管理、テストする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 接続を管理する。
- アクションステップを管理する。
- フローをテストする。
接続を管理する
接続の管理では、次の作業を実行できます。
- 接続を変更する。
- 接続の名前を変更する。
- 接続を削除する。
接続を変更する
単元 1 では、テスト用のシステムとデータを使用してフローを設計、テストするのがベストプラクティスであるということを学びました。テストが完了した後に、本番用のシステムとデータを使用してフローを実行します。この推奨事項に従う場合、接続を変更する方法を知っておく必要があります。
たとえば、いくつかのステップが NTO Sandbox 組織に接続されているフローがあるとします。フロー全体が想定どおりに機能することを確認した後に、NTO の本番組織に切り替えたいと考えています。
次のステップに従って、NTO Sandbox 組織への接続から NTO 本番組織への接続に変更します。
- NTO Sandbox 組織を使用するフローの最初のステップで、省略記号アイコンをクリックして [Change Connection (接続を変更)] をクリックします。
- [Connection (接続)] 選択リストをクリックし、[Add new Salesforce connection (新しい Salesforce 接続を追加)] をクリックします。
- この接続に
NTO production org
(NTO 本番組織) と名前を付け、[This is a sandbox organization (これは Sandbox 組織です)] チェックボックスはオフのままにして、[Create (作成)] をクリックします。 - NTO 本番組織のユーザー名とパスワードを入力して、[Log In (ログイン)] をクリックします。
- [Allow (許可)] をクリックし、MuleSoft Composer に権限を付与します。MuleSoft Composer で接続が自動的にテストされます。エラーメッセージが表示されなければ、正常に接続されています。
- NTO 本番組織への接続を使用する必要がある残りの各フローステップで、省略記号アイコンをクリックして [Change Connection (接続を変更)] を選択します。
- [Connection (接続)] 選択リストをクリックし、[NTO production org] を選択し、[Change (変更)] をクリックして、[Confirm (確認)] をクリックします。
接続の名前を変更する
既存の接続の名前がビジネスニーズに合わない場合、変更できます。
たとえば、既存の接続が Salesforce 組織への接続であるとします。次の手順に従って、既存の Salesforce 接続の名前を変更します。
- フローの最後に移動します。
- プラスアイコンをクリックしてステップを追加します。
- [Salesforce] をクリックします。
- 設定アイコンをクリックします。
- 名前を変更する接続の横にある鉛筆アイコンをクリックします。
- 接続に新しい名前を付けて、[Rename (名前を変更)] をクリックします。
- 新しいステップを追加せずに、X アイコンをクリックして [Manage Salesforce connection (Salesforce の接続を管理)] ダイアログボックスを終了します。
既存の接続の名前を変更したら、このフローと他のすべてのフロー内の、この接続を使用するすべてのステップに、変更後の名前が自動的に表示されます。
接続を削除する
不要になった既存の接続は削除できます。次の点に留意してください。
接続の状況 |
削除を試せる場合 |
---|---|
無効なフローで使用されている |
その接続を使用するフローが MuleSoft Composer にリストされている場合は、削除可能。 |
無効なフローと有効なフローの両方で使用されている |
|
たとえば、既存の接続が Salesforce 組織への接続であるとします。次の手順に従って、既存の Salesforce 接続を削除します。
- フローの最後に移動します。
- プラスアイコンをクリックしてステップを追加します。
- [Salesforce] をクリックします。
- 設定アイコンをクリックします。
- 削除する接続の横にあるゴミ箱アイコンをクリックします。接続を削除するとその接続を使用するすべてのフロー (有効なフローを含む) に影響することを警告するメッセージが表示されます。
-
[削除] をクリックします。
- 新しいステップを追加せずに、X アイコンをクリックして [Manage Salesforce connection (Salesforce の接続を管理)] ダイアログボックスを終了します。
このフローの他のいずれかのステップまたは他のフローのいずれかのステップで使用されている接続を削除したら、その各ステップに移動して別の接続に変更する必要があります。
アクションステップを管理する
アクションステップの管理では、次の作業を実行できます。
- アクションステップのデータを更新する。
- アクションステップを複製する。
- アクションステップの折りたたみと展開を行う。
- アクションステップを再配置する。
- ステップを削除する。
アクションステップのデータを更新する
長期的にフローを使用していると、フローで使用するシステム内のオブジェクトやデータが変わる場合があります。フローで使用する対象システムからの情報が最新であることが重要です。アクションステップのオブジェクトレベルまたは項目レベルでデータを更新できます。
- オブジェクトレベルでデータを更新するには、各ステップに移動し、更新ボタンをクリックして、[Refresh (更新)] をクリックします。オブジェクト種別のキャッシュがクリアされて、新しいデータが取得されます。
- 項目レベルでデータを更新するには、各ステップに移動し、[Select Fields (項目を選択)] または [Add Fields (項目を追加)] をクリックし、更新アイコンをクリックして、[Refresh (更新)] をクリックします。項目のキャッシュがクリアされて、新しい項目が取得されます。
アクションステップを複製する
システムにアクセスするアクションステップがあり、後に、同じシステムにアクセスする別のステップを追加する必要がある場合、既存のステップを複製し、ニーズに合うように変更する方がステップをゼロから作成するより効率的です。トリガーステップを複製することはできません。
たとえば、フローにおいて、あるアクションステップで Salesforce からいくつかの取引先レコードを取得し、後に別のステップで他の取引先レコードを更新したいとします。その場合は、[Get records (レコードを取得)] ステップを複製し、複製したステップを [Update record (レコードを更新)] ステップに変更します。
アクションステップを複製するには、アクションステップの省略記号ボタンをクリックし、[Duplicate Step (ステップを複製)] をクリックします。
アクションステップの折りたたみと展開を行う
デフォルトでは、フローのステップは、展開された形式で表示されます。フローに複数のステップがある場合、一部またはすべてのステップを折りたたんでフローの全体像を把握しやすくすることができます。
- ステップを折りたたむには、ステップ番号の横にある下矢印をクリックします。
- 折りたたまれたステップを展開するには、ステップ番号の横にある右矢印をクリックします。
- フローのすべてのステップを折りたたむには、[Collapse Steps (ステップを折りたたむ)] をクリックします。
- フローのすべてのステップを展開するには、[Expand Steps (ステップを展開)] をクリックします。
アクションステップを再配置する
インテグレーション問題を解決するために、フローのステップを論理的な順序に再配置することが必要になる場合があります。トリガーステップを再配置することはできません。
アクションステップの再配置はフローのロジックに影響するため、再配置されたフローで実際にインテグレーション問題が解決されることを確認してください。アクションステップを再配置する方法は 2 つあります。
1 つ目は、[Move Step (ステップを移動)] (4 方向矢印) ボタンを使用してアクションステップをフローの目的の場所にドラッグする方法です。
2 つ目は、次の方法です。
- 移動するアクションステップの [Move Step (ステップを移動)] ボタンをクリックします。[Move Step (ステップを移動)] ウィンドウが表示され、フローのアクションステップのリストが示されます。
- 必要に応じて、右矢印を使用して、折りたたまれたステップを展開します。
- [Move Step (ステップを移動)] 選択リストを使用して、[Before (前)] または [After (後)] を選択します。
- フローの関係するステップを選択し、前または後に移動して、[Move (移動)] をクリックします。
ステップを削除する
フローの特定のステップが不要になり、削除することが必要になる場合もあります。トリガーステップと個々のアクションステップを削除できます。ベストプラクティスは、削除を実行する前にフローを保存しておくことです。
次の点に留意してください。
- トリガーステップを削除する場合、MuleSoft Composer では、削除によってフローの残りの部分にどのような影響がもたらされるかを警告するメッセージが表示され、削除を取り消すことができます。
- アクションステップを削除する場合、削除はすぐに反映されます。削除する直前にフローを保存していた場合、フローを終了してすべての変更を破棄することにより削除を元に戻すことができます。
- ステップを削除すると、フローの他の場所で使用されているそのステップからのデータは無効になります。その点を考慮してフローを変更する必要があります。
次の手順に従ってフローのステップを削除します。
- アクションステップを削除するには、ステップの省略記号ボタンをクリックし、[Delete Step (ステップを削除)] をクリックします。
- ステップがトリガーである場合、[Delete Trigger (トリガーを削除)] をクリックして削除を実行します。
- 削除する各ステップにステップ 1 を繰り返します。
フローをテストする
フローのテストでは、次の作業を行います。
- フローをテストする準備を行う。
- フローをテストしてデータが想定どおりに動作することを確認する。
フローをテストする準備を行う。
フローを設計したら、エンドツーエンドでテストしてデータが問題なく同期されるかを確認する必要があります。
ベストプラクティスは、テスト用のシステムとデータを使用してフローをテストすることです。テストが完了した後に、本番用のシステムとデータを使用してフローを実行します。Salesforce の場合、Sandbox 組織を使用してフローをテストし、本番組織を使用してフローを実行します。
また、ベストプラクティスは、フローのあらゆるパスをテストすることです。たとえば、フロー内に If 分岐と Else 分岐を含む If/Else ブロックがある場合、必ず両方の分岐をテストします。
一般に、テストは 10 分以内に完了します。テストが完了した時点、または 10 分を経過した時点でテストは停止します。テストに必要なアプリケーションとデータのすべてを準備してからテストを開始するのがベストプラクティスです。
では、単元 3 で学んだ「Sync Service Cases with Slack Notifications (サービスケースを Slack 通知と同期)」フローをテストする準備をしましょう。前述のとおり、このフローは Service Cloud でケースが新規作成または更新されるたびに開始します。その後、ステップ 1 でフェッチされたケースの状況が「Escalated (エスカレーション済み)」に設定されているかどうかを評価します。
- 「Escalated」の場合、サポートの地域リーダー (@Jane Doe) にダイレクトメッセージを送信する。
- 「Escalated」以外の場合、メッセージを services-cases チャンネルに送信する。
フローをテストする
次の手順に従ってフローをテストします。
- [Sync Service Cases with Slack Notifications (サービスケースを Slack 通知と同期)] フローで、[Test (テスト)] をクリックします。フローが参照のみモードになります。
メモ: テストの実行中に何らかの理由で停止する場合は、[Stop Test (テストを停止)] をクリックします。 - NTO組織の Service Cloud で、[ケース] タブに移動し、[新規] をクリックします。
- 次の値でケースを追加し、[Save (保存)] をクリックします。
- Case Reason (原因):
Installation
(インストール) - Status (状況):
New
(新規) - Priority (優先度):
High
(高) - Case Origin (ケース発生源):
Phone
(電話)
- Case Reason (原因):
- フローに戻り、テストが完了するまで待機します。フローのステップ 1 と Else 分岐のステップ 3 に緑のチェックマークが表示されたら、フローが正常に実行されたことを示します。ケースの状況は新規であるため、If 分岐の条件は false と評価されます。そのため、フローの If 分岐のステップ 2 は実行されませんでした。
- NTO Slack ワークスペースを開き、service-cases チャンネルにケース通知が表示されることを確認します。
- フローの [Test (テスト)] を再度クリックします。
- NTO組織の Service Cloud に戻り、前のテストケースの状況を「Escalated」に変更し、[保存] をクリックします。
- フローに戻り、テストが完了するまで待機します。フローのステップ 1 と If 分岐のステップ 2 に緑のチェックマークが表示されたら、フローが正常に実行されたことを示します。ケースの状況はエスカレーション済みであるため、If 分岐の条件は true と評価されます。そのため、フローの Else 分岐のステップ 3 は実行されませんでした。
- NTO Slack ワークスペースを開き、自分宛のダイレクトメッセージとしてケース通知が表示されることを確認します。
- 別の任意のサービスケースについてステップ 1 ~ 9 を繰り返してテストします。フローは問題なく動作するはずです。
お疲れ様でした。ここでは、接続とアクションステップを管理する方法と、フローをテストして正常に機能することを確認する方法を学びました。次の単元では、本番環境でフローをアクティブ化して監視し、トラブルシューティングする方法を学習します。