Anypoint Platform の使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- MuleSoft の Anypoint Platform が API 開発ライフサイクルをどのようにサポートするかを説明する。
- Anypoint Exchange の重要性を説明する。
- Anypoint Platform の主なツールとその用途を特定する。
Anypoint Platform と開発ライフサイクル
Anypoint Platform は次のコンポーネントに分割できます。
コンポーネント |
説明 |
---|---|
Anypoint Design Center |
あらゆるシステムのための API を設計し、インテグレーションを構築し、コネクタを作成します。 |
Anypoint Management Center |
初回リリースから継続的な運用まで、API、インテグレーション、Anypoint Platform のあらゆる側面を管理します。 |
Anypoint Exchange |
中央リポジトリに非公開アセットを保存したり、公開共有されているリソースにアクセスしたりします。 |
Mule |
基盤となる実行エンジン。軽量で高性能な汎用プロセッサ。 |
ランタイムサービス |
データの一時保存やメッセージキューなどのプラットフォームの補助機能をサポートします。 |
開発者の皆さんは、何らかの形式のアプリケーション開発ライフサイクルに馴染みがあるでしょう。API 主導の接続の理念に基づく Anypoint Platform も同様の開発ライフサイクルに従い、そこには設計、開発とテスト、リリース、運用、エンゲージの各フェーズがあります。
次は、開発ライフサイクルに関連するツールについて説明します。始めに少し種明かしをすると、すべては Anypoint Exchange で始まり、Anypoint Exchange で終わります。
エンゲージ: 不要な再開発を避ける
たとえば、あなたが Salesforce Platform のベテランアーキテクトで、ビジネス要件に対するソリューションをクリックだけでは実現できないと判断したとします。開発者チームに依頼して Lightning コンポーネントや Apex トリガを作成する前にするのは、AppExchange で、ソリューションがすでに存在していないかどうかを確認することです。
Salesforce のための AppExchange と同じように、MuleSoft には Anypoint Exchange があります。そこには、コネクタ、テンプレート、例、API の公開リポジトリがあります。
オープンソースの精神に基づき、開発者が設計パターンやベストプラクティスを共有する場所になっており、再利用可能な API 定義のフラグメントから本格的な例まで、あらゆるものが含まれています。たとえば、企業で承認された組織の API を保護するための標準デザインパターンがあります。 特定の機能をアウトソーシングできるサードパーティ API もあります。社内開発は無意味で無駄が多いからです。また、この公開 Exchange から入手できる API の 1 つに、新型コロナウイルスのパンデミックとの戦いを支援するアプリケーションを作成している組織向けの COVID Data Tracking API (COVID データ追跡 API) があります。
設計、開発、テスト
独自の API を設計、開発、テストを行う準備ができたら、Anypoint Design Center を使用します。Anypoint Design Center には、API デザイナ、Studio、フローデザイナなどのツールが含まれています。これらのツールを使用して、Integration Trailblazer は次の操作を実行できます。
- Web ベースのグラフィカル環境で API を設計、文書化、テストする。
- オープン API 仕様を使用して、API 実装のスキャフォールディングを行ったり、自動的にドキュメントを生成したり、API をシミュレーションしたりする。
- ブラウザまたはデスクトップのローコード環境でインテグレーションを構築またはプロトタイピングし、API を実装する。たとえば、Integration Trailblazer が、ビジネスに効果がありそうな理論的インテグレーションをテストするためにローコードアプローチを取る場合などです。
- ドラッグアンドドロップインターフェースを使用するか、コードを記述することによって、データ変換を作成する。
- 継続的インテグレーション/継続的配信 (CI/CD) 環境で、インテグレーションを手動でテストするか、ローカルでテストを自動化する。
再利用できる既存のアセットが Anypoint Exchange にある場合もあります。また、時間と労力を節約するために、Mulesoft から事前作成済みのコンポーネントやコネクタも提供されています。以前は何週間もかかって構築していたものが、今では数時間で構築できます。さらに、これらはすべて慎重に整理された API 主導の再利用可能アーキテクチャの一環となっています。
リリースと運用
テストにすべて合格したら、次は、コードを本番に取り入れます。Anypoint Management Center に移動しましょう。ここでは、次の操作を実行できます。
- クラウドまたはオンプレミスで、API とインテグレーションをリリース、管理、監視する。
- OAuth や SAML などのシングルサインオンテクノロジを使用して、個人やチーム全体にアクセスのプロビジョニングを行う。
- プロキシやバージョンを管理したり、事前作成済みポリシーやカスタムポリシーを適用したり、アラートを設定したりする。
- 事前作成されたダッシュボードやカスタムダッシュボードを使用して、API 使用状況、地域ごとのトランザクション、パフォーマンスなどの主要な総計値を追跡する。
- 1 つの統合されたインターフェースで、問題を特定し、連動関係を対応付け、診断を監視し、ログを管理する。
エンゲージ: 成果物を再利用のために提供する
このジャーニーは、始まった場所と同じく Anypoint Exchange で終わります。ここでは、コネクタ、テンプレート、例、API 定義、API フラグメントを非公開の共有領域に保存できます。そうすることで、チーム内の他のメンバーがその成果物を利用し、作業の重複を避けることができます。
まとめ
API 主導開発とアプリケーションネットワークで新しく革新的なカスタマーエクスペリエンスの作成を促進することの重要性を学習できました。Cloud Kicks がどのように Integration Trailblazer のマインドセットをビジネスに取り入れたかも垣間見ることができました。さらに、そのために必要なツールを MuleSoft の Anypoint Platform が提供していることもわかりました。復習が目的でも、ジャーニーを始めたばかりでも、あなたはこれで優れたインテグレーションの作成に 1 歩近づきました。