メッセージングとオートメーション製品について
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- メッセージング製品の主要な機能を確認する。
- 各製品を顧客がどう使用できるのかを説明する。
大規模な Marketing Cloud Engagement メッセージング
このモジュールでは、Marketing Cloud Engagement を構成する製品について説明します。「Marketing Cloud Engagement の基礎」モジュールをまだ終了していない場合は、そちらから開始することをお勧めします。このモジュールでは、Marketing Cloud Engagement の機能について基本的な理解があることを前提としています。
各製品の概要
Marketing Cloud Engagement は、メッセージングとオートメーション、データと広告、ソーシャルメディア、測定と分析という 4 つの主要なバケットに分類される数種の製品で構成される 1 つのプラットフォームです。各製品とそのさまざまな組み合わせが、デジタルマーケティングの目標達成を後押しします。各製品の詳細を確認する前に、まずそれぞれの大まかな違いを見てみましょう。
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Marketing Cloud Engagement メッセージングとオートメーション: Email Studio、Mobile Studio、Journey Builder、Marketing Cloud Personalization などのソリューションがあります。これらの製品は、さまざまなマーケティングチャネルにわたる大規模なコミュニケーションを、作成、構築、リリース、管理するのに役立ち、それによって顧客とのコミュニケーション方法をマップできます。
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Marketing Cloud Engagement データと広告: Advertising Studio、Data Cloud for Marketing などのソリューションがあります。これらの製品は、カスタムオーディエンスを作成したり、任意のソースからデータを組み合わせ、よりパーソナライズして対象を絞り込んだマーケティングを実施したりするのに役立ち、顧客との信頼やロイヤルティの構築も促進します。
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Marketing Cloud Engagement 測定と分析: Marketing Cloud Intelligence、Google アナリティクス 360 などのソリューションがあります。これらの製品のクロスプラットフォームのレポート作成やインサイトを使用して、あらゆるマーケティング活動の中で何が機能し、何が機能していないかを把握できます。
この最初の単元では、Marketing Cloud Engagement メッセージングとオートメーションソリューションについて詳しく説明します。さっそく、Marketing Cloud Engagement メッセージングツールの機能を見てみましょう。
Email Studio
多くの消費者は 1 日 100 通のメールを受け取り、そのうち開くことにしたメールを読むために費やす時間は約 11 秒です。受信トレイで注目とエンゲージメントを勝ち取る競争はかつてないほど激しさを増しています。消費者はパーソナライズされたエクスペリエンスを求め、適切なタイミングで適切なメッセージを送ってくるブランドを選択します。
ですから、一度に数百人の顧客にメールを送信する中小企業でも、数百万人の顧客にメールを送信する大企業でも、Email Studio があれば、メッセージをパーソナライズして、相当な規模の顧客と 1 対 1 のエンゲージメントを促進することができます。Email Studio では、プロモーションメッセージと Transactional メッセージのどちらも、すべて 1 か所でセグメント化して作成、送信、追跡することができます。
Email Studio では、次のことができます。
- AI を駆使してセグメントを作成し、エンゲージメントに基づいて購読者の対象を定める。
- モバイル用に最適化されたメールテンプレートを作成する。
- 動的コンテンツや AI を駆使したレコメンデーションを利用して、メッセージをパーソナライズする。
- 同じプラットフォームでプロモーションメッセージと Transactional メッセージを統合する。
- 顧客とのすべてのインタラクションを計測し、自動化する。
Email Studio のユースケース
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大規模なパーソナライズ: 個々の顧客の独自のデータポイントや以前のエンゲージメントを基に調整したプロモーションメールメッセージを週に 1 回送信する。数千人あるいは数百万人分もの名や好きな商品、AI を駆使したコンテンツや商品レコメンデーションがすべて自動的にまとめられるところを想像してみてください。
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驚かせ喜ばせる: 購読者の誕生日に 20 % 割引クーポンをプレゼントする「誕生日」メールを作成して送信する。
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効率的かつ効果的: 設計を効率化してワークフローを構築する。事前作成済みのテンプレートをカスタマイズして、チームがコンテンツを簡単にドラッグアンドドロップできるカスタムコンテンツブロックを作成します。
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社内コミュニケーションの改善: Email Studio を使用して、イベントや組織内の変更を従業員に一斉通知する。
Mobile Studio
誰かがモバイルデバイスを使用して何かを検索するということは、ブランドにとってその人とつながるチャンスが生まれるということです。オンラインでビジネスを検索するモバイル顧客の約 70% は 1 時間以内に行動を起こします。企業がこうした顧客とつながる最適な手段はどのようなものでしょうか? 顧客のニーズに応じたスムーズなモバイルジャーニーを作成することです。
Mobile Studio は、速やかかつ適切な顧客エンゲージメントを促進する Salesforce Marketing Cloud Engagement のモバイルマーケティングソリューションです。マーケターは、1 つのプラットフォームでメール、広告、プッシュ、SMS メッセージングをパーソナライズして、顧客インタラクション全般のエンゲージメントを管理できます。
Mobile Studio の特長は、次のようなモバイルメッセージングツールです。
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MobileConnect: テキストメッセージ (SMS や MMS) を作成して送信する。
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MobilePush: モバイルアプリケーションから自動化、インタラクティブ化、スケジュール化されたプッシュメッセージを作成して送信する。
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GroupConnect またはチャットアプリケーションメッセージング: ブランドが豊富な顧客データを使用して、グループメッセージングアプリケーション (LINE) で 1 対 1 の会話を開始できる。
Mobile Studio では、次のことができます。
- アカウントアラートや予定のリマインダーなど、適時性が重要となるメッセージを配信する。
- ロケーションベースのプッシュマーケティングで、外出中の顧客をターゲットにする。
- モバイルアプリケーションのエンゲージメントを促進して、顧客をリピーターにする。
- カスタマーサクセスプラットフォームに保存されているパーソナライズされたデータを使用して、顧客を 1 つのビューにまとめる。
- Journey Builder を開いたまま、Content Builder でモバイルメッセージを作成または編集する。
モバイルのユースケース
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顧客エンゲージメント: モバイルデバイスで既存の顧客へのクロスセル、アップセル、インセンティブの提供、情報提供を目的とするキャンペーンを設計して実施し、最適化します。たとえば、送信メッセージ、テキスト返信、マルチメディアメッセージ (MMS) のカスタムテンプレートを使用して、モバイルテキストキャンペーンを構築して自動化できます。購読者の所在地やデモグラフィック、個人の好みに基づいて各メッセージをパーソナライズします。
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顧客獲得: モバイルアプリケーション、モバイル Web サイト、メッセージングを介して新規顧客を獲得するキャンペーンを設計して実施し、最適化します。メールオプトインキャンペーンや SMS 情報の獲得などもこれに該当します。
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顧客維持: 顧客へのモバイルアプリケーションや Web サイトの使用の奨励、休眠顧客への再エンゲージ、ロイヤルティプログラムへの登録の推進を目的とするキャンペーンを設計して実施し、最適化します。たとえば、販売やイベントに関するプッシュ通知を作成してジオフェンスを設定し、顧客が対象とする区画に出入りしたときにクーポンやアラートを自動的に送信することができます。あるいは、特定の場所に Bluetooth ビーコンデバイスを設置して、その近辺に的を絞ったメッセージを配信することもできます。
- 配送通知や予定のリマインダー、不正アラートなど、適時性が重要となる Transactional メッセージを配信することも、顧客の獲得、エンゲージ、保持に役立ちます。
Journey Builder
カスタマージャーニーは遠くまで出かけるドライブ旅行のようなものです。景色が移り変わり、途中で何度か休憩します。その日のうちに目的地まで運転しようとは思っていません。同様に、カスタマージャーニーもいくつかの行程に分割する必要があります。ジャーニーのうち影響が最大となる地点を顧客の出発点として選択します。ビジネスでジャーニーを最も必要とする部分に重点的に取り組み、そこから拡げていきます。
以下は、ビジネス目標を見極めるうえで役立つ質問のリストです。
- 新規顧客にオンボードを行っているか?
- ニュースレターへのサインアップを求めるか?
- 新規顧客にエンゲージし、リピーターになる、または追加購入するよう促すか?
- モバイルアプリケーションの採用率を高めようとしているか?
Salesforce のお客様は、各自の顧客の成果に注力しているときに最大の成功を収めています。成功への定石として、すぐに成果を上げられそうな顧客グループを特定します。以下は、Salesforce のお客様が大きな成功を収めたことが確認されている領域です。
獲得とオンボーディング
- 新規購読者の歓迎
- 初めての購入とお礼
- 友人の紹介
エンゲージメント
- 次回の購入への影響
- モバイルアプリケーションのダウンロード
- プロファイルの記入またはロイヤルティプログラムの登録
- 顧客アンケートの記入
ロイヤルティと維持
- 誕生日/アニバーサリーのメッセージ
- 休眠顧客の復活
- 放棄されたカートのリマインダー
Journey Builder ではドラッグアンドドロップツールを使用して顧客のジャーニーを構築できます。これらのツールを使用して、メール、プッシュ通知、広告を購読者にいつどのように送信するかのフローを作成します。顧客が報奨プログラムに登録した時点の判断分岐をジャーニーに追加すれば、新しい報奨メンバーには自動的にクーポンを送信することができます。他方、1 か月経っても顧客が報酬プログラムに登録しなかった場合は、顧客にリマインダーメールを自動的に送信して再エンゲージします。
Marketing Cloud Personalization
商品レコメンデーションからプロアクティブなサービスまで、顧客は企業がパーソナライズされた方法でエンゲージすることを望んでいます。さらに、適切なコンテキストにおけるパーソナライズされたインタラクションを求めています。リアルタイムのインタラクション管理は、ビジネス全体に顧客エンゲージメントの再考を促し、デジタルインタラクション、オフライン場面、アシスト付きエンゲージメントなど、顧客とのあらゆるインタラクションを通して大規模なパーソナライズを実施できます。
Marketing Cloud Personalization を使用して次のことができます。
- 所有する各チャネルからインサイトを取得して、顧客のインタラクションをリアルタイムに管理する。
- オンラインのデジタルインタラクションをオフライン場面と結び付けて、あらゆる場所のエンゲージメントを連携させる。
- 機械学習を活用して、顧客がサイトでエンゲージしているときや次のメールを開いたときに特に関連性の高いコンテンツ/商品/オファーをリアルタイムで決定して優先順位付けした上で表示する。
Marketing Cloud Personalization のユースケース
- 顧客ライフサイクルを進行する個々のユーザーを簡単にターゲットにして管理する。
- オンラインやオフラインのチャネルに、ユーザーが最後に実行したアクションを伝える。
- 匿名の行動を監視し、CRM のユーザープロファイルと結び付く「認識」(識別/コンバージョン) の瞬間をとらえて、匿名プロファイルに関連付ける。
- 匿名の Web サイト訪問者と既知の顧客の両方について詳細な行動情報を収集することで、ユーザーのプロファイルを充実させ、そのユーザーの本当の関心や意図を判断する。
- ジャーニーのコンテキストを使用して、オファーを提供する他のシステム (メールキャンペーンなど) に情報を提供する。必要に応じて個人をセグメント内外に移動させることができるため、顧客がすべてのインタラクションで一貫したメッセージを受け取ることができます。
リソース
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Trailhead: Email Studio でのターゲットを絞ったメールの作成と送信
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Trailhead: Journey Builder を使用したキャンペーンの管理
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Trailhead: Marketing Cloud Personalization の基本