パス、リストビュー、Kanban を使用して支援依頼プロセスを視覚化する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- パスと Kanban の両方の視覚化の利点を説明する。
- リストビューでレコードのフェーズまたは状況を追跡する。
- Kanban ビューでレコードを更新し、検索条件を使用し、グラフを表示する。
商談の進捗状況の追跡
移行管理とは、見込み支援者や支援者に支援を依頼できると思われる状態にしていくことです。
これまで、エンゲージメント計画についてと、見込み支援者のエンゲージを深める移行に関する活動について説明しました。ですが、依頼についてはどうでしょうか?
支援依頼と支援を管理するプロセスは、NPSP で商談オブジェクトを使用して追跡されます。この単元では、資金調達担当者が支援依頼プロセスを効率的に管理できるように設計された 2 つの Salesforce 機能であるパスと Kanban ビューについて、およびリストビューのスマートな使用方法について詳しく説明します。
支援依頼プロセスをパスで追跡する
パスを見れば、支援者や助成金提供団体が支援依頼プロセスのどこにいるかを一目で確認できます。パスは、商談のフェーズとプロセス (Salesforce ではセールスプロセスと呼ばれます) の視覚表現です。
パスを使用することで、商談に関する取り組みにおいて、自分が今どこにいて、これからどこに向かうのかを視覚化できます。組織独自のプロセスに合わせてカスタマイズできるため、実際のパスはこの単元で紹介した例とは異なる可能性があります。さらに、パスはどの商談レコードタイプを選択したかによって異なり、それぞれに応じてカスタマイズすることが可能です。
NPSP には、作業を始めるのに役立つデフォルトパスがいくつか用意されています。たとえば、商談で [助成金] レコードタイプを選択すると、パスのフェーズには、[Prospecting (見込み客の探査)] (進行中)、[LOI Submitted (LOI 提出済み)] (進行中)、[Application Submitted (申請書提出済み)] (進行中)、[Withdrawn (取り下げ)] (不成立)、[Awarded (獲得)] (成立) が含まれます。
NMH の開発ディレクターである Aniyah が、大口支援者レコードタイプである商談に取り組んでいる最中のパスの例を見てみましょう。
この例では、次のようなパスの機能がいくつか示されています。
- 重要な項目 (1) には、各フェーズで最も必要とされる情報が表示され、重要なデータが中央部分に配置されています。システム管理者は、ここに表示される内容をカスタマイズできます。
- 成功へのガイダンス (2) を参照することで、フェーズの重要な活動を見落とすことがなくなります。これもシステム管理者がカスタマイズして、資金調達チームやボランティア向けに固有のガイダンスを提供できます。
- パスを使用してレコードの状況を直接更新するには、[フェーズを完了としてマーク] (3) をクリックしてレコードをパスの次のステップに進めます。
スキップして別のフェーズに進む必要がある場合、または完了したと思っていたフェーズに戻る必要がある場合は、パスの移動先のフェーズをクリックし、[現在のフェーズとしてマーク] をクリックします。
リストビューを使用して有効な支援者と見込み支援者を管理する
パスは 1 つの支援依頼を管理するのに適していますが、資金調達を行うほとんどの人は、同時に複数の商談を処理しています。
すべての進行中の商談を 1 か所で確認するには、まずリストビューから始めます。リストビューでは、自分にとって最も重要なレコードの並び替え、セグメント化、優先度付け、分析を行えます。
リストビューには、[商談] タブのようなオブジェクトのホームページからアクセスします。ここから始めましょう。
[商談] をクリックして、[商談] リストビューページに移動します。
このページには複数の種類のリストビューがあります。別のビューを選択するには、リストビュー名の横にあるメニュー矢印 () をクリックして、[最近参照したデータ] や [今月クローズ] などの標準リストビューとカスタムリストビューにアクセスします。
特定のリストビューをデフォルトに設定する場合は、固定アイコン () をクリックします。
ページ上部のリストビューツールを使用すると、リストに表示される内容をさまざまな方法でカスタマイズできます。
- 検索項目 (1): テキストを入力して、リストビューを検索します。
- リストビューコントロール (2): クリックすると、リストビューの作成、名前の変更、コピー、共有を行うことができます。リストに表示する項目を選択し、適用した検索条件を編集することもできます。
- 表示ビュー (3): クリックすると、標準テーブルビューから分割ビューや Kanban ビューに変更できます (詳細は後述)。選択したビューに合わせてアイコンが変化します。
- 更新 (4): クリックすると、ブラウザーページを再読み込みするよりも迅速にビューを更新できます。
- リストを編集 (5): クリックすると、リストビューからレコードの項目を更新できます。リストの最初の編集可能な項目に移動します。変更された項目は、変更の保存を促すために黄色で強調表示されます。
- グラフ (6): クリックすると、リストビューの視覚化を作成して、割合やトレンドなどの役に立つ情報を表示できます。
- 検索条件 (7): クリックすると、検索条件を追加、変更、または削除して、リストビューに表示されるレコードの絞り込みや拡大を行うことができます。
では、Aniyah が上記のツールをどのように活用しているのかを見てみましょう。
リストビューを作成する
Aniyah は自分の進行中の大口支援依頼をすべて表示しようとしています。そのため、該当する商談をすばやく見つけて管理できるようにカスタムリストビューを設定します。
Aniyah がリストビューを作成する手順を見てみましょう。
- [商談] タブをクリックします。
- [リストビューコントロール] メニュー () をクリックして、[新規] をクリックします。
- [リスト名] を入力します。Aniyah は
「Open Major Gift Opportunities (進行中の大口支援商談)」
と入力します。 - リスト API 参照名はリスト名から自動的に生成されます。これはデフォルトのままにしておきます。
- [自分のみがこのリストビューを表示できる] を選択します。設定が完了したら、Aniyah は後で共有設定を変更して、グループや担当役員と共有する予定です。
-
[保存] をクリックします。
新しいリストビューには、種別やキャンペーンにかかわらず、Aniyah のすべての商談が表示されています。いくつかの検索条件を設定して、進行中のキャピタルキャンペーン商談のみをセグメント化しましょう。
- すでに開いている [条件] 領域で、[所有者別に絞り込み] をクリックします。
- [すべての商談] を選択します。
- [完了] をクリックします。
- それでは、これを絞り込んでいきましょう。[検索条件を追加] をクリックします。
- [項目] ドロップダウンメニューから、項目、演算子、絞り込む値を選択します。次は、大口支援レコードのみに絞り込みましょう。
- [項目] で [商談レコードタイプ] を選択します。
- [演算子] で、デフォルトの [次の文字列と一致する] を選択します。
- [値] で [Major Gift (大口支援)] を選択します。
- [完了] をクリックします。
- 次は、リストビューを進行中の商談のみに限定する必要があります。もう一度 [検索条件を追加] をクリックします。
- [項目] で [フェーズ] を選択します。
- [演算子] で [次の文字列と一致しない] を選択します。
- [値] で、[不成立]、[商談成立]、[Posted (投稿済み)] を選択します。
- [完了] をクリックします。
- [保存] をクリックします。
これで、リストが進行中の大口支援商談のみに絞り込まれました。リストビュードロップダウンリストに新しいビューが表示され、今後 Aniyah はリストから選択できるようになります。また、[共有設定] を変更すれば、後でチームと共有することも可能です。その前に、Aniyah はもう少しカスタマイズしようとしています。
- [リストビューコントロール] ギアの下で、[表示する項目を選択] をクリックして、リストビューに含まれている情報を追加、移動、並べ替えます。たとえば、[主取引先責任者] と [確度 (%)] の項目をビューに追加します。
- リストビューのヘッダー行で、列ヘッダーをクリックすると、その列が並べ替えられます。矢印は、リストビューでどの列がどの方向に並べ替えられているかを示しています。
リストビューを使用した一括インライン編集
時として Aniyah は、複数のレコードをすばやく更新する必要があることがあります。たとえば、1 日の大半を見込み支援者と話すことに費やした場合は、週に 1 度の NMH 担当役員との状況確認の前に完了予定日とフェーズをいくつか更新する必要があります。
幸いにも、リストビューから直接レコードを一括編集できます。
リストビューからレコードを更新するには、変更する項目で 編集鉛筆アイコン () をクリックして更新します。変更した項目は、[保存] をクリックするまで黄色で強調表示されます。
Kanban ビューでレコードを管理する
kanban とは、日本語の「看板」のことです。Salesforce では、リストビューのレコードをカードの列として表示する方法であり、これにより容易に作業の視覚的な追跡と更新ができます。
Kanban ビューでは、作業すべての全体像を把握でき、商談の並び替え、集計、絞り込み、フェーズの進行を簡単に行うことができます。Kanban ビューのレコードは、リストビューに基づきます。
[表示ビュー] ボタン () をクリックして、Kanban ビュー () を選択すると、リストビューを Kanban ビューに切り替えることができます。
また、Kanban ビューはチーム、担当役員、理事会とミーティングを行うときにも役立ちます。Kanban ビューを使用すれば、誰もが即座に進捗状況を理解できます。
それでは、Aniyah の [Open Major Gift Opportunities (進行中の大口支援商談)] リストビューの Kanban ビューを確認してみましょう。
Kanban を使用して次のフェーズに商談を移行する
デフォルトでは、商談の Kanban ビューはフェーズ項目別に整理されています。各列が 1 つのフェーズを表します。このビューで、商談レコードを次のフェーズに進めてみましょう。
- [ID] 列の任意のレコードをクリックします。
- マウスボタンを押したまま、商談カードを別の列にドラッグします。
- マウスボタンを放します。各フェーズの合計が自動的に更新されます。
まさに移行管理ですよね。
レコードでアクションを実行する
商談レコードを編集する必要がある場合は、それも Kanban ビューで実行できます。
Kanban カードのメニュー下矢印 () をクリックして、[編集] を選択するだけで、リストビューを離れずにポップアップインターフェースで必要な変更を行えます。
商談に ToDo や行動の予定がない場合、Kanban カードには警告記号 () が表示され、支援依頼が停滞しないように活動の設定が必要であることを知らせます。Aniyah には、まだ仕事があるかもしれません。
Kanban ビューでは、その他にも絞り込みやグラフの表示など、さまざまなことを実行できます。Kanban ビューの機能についての詳細は、下の「リソース」を参照してください。
次の単元では、商談を前進させるために同僚とコラボレーションする方法について説明します。