対象となる見込み支援者の特定

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • NPSP を使用して対象となる見込み支援者を特定する方法を要約する。
  • NPSP でレベルを定義する。
  • 支援者調査を NPSP に統合する選択肢を知る。

移行管理の概要

非営利団体の活動資金集めでは、「移行管理」とは、支援者のエンゲージメントをさらに深いレベルに移行させるために組織が実行するアクションを指します。  このプロセスは、非営利団体ごとに異なるように見えますが、一般に特定、評価、育成、支援依頼、管理のフェーズに整理されます。「移行」とは、見込み支援者をそれらのフェーズに進めることで、組織の活動目的への有意義なエンゲージメントを促進するすべての活動です。

エンゲージメントの「移行」を表す画像。

架空の非営利団体 No More Homelessness (NMH) を見てみましょう。この団体は、非営利の社会福祉サービス組織で、大人のホームレス向けの支援プログラムを運営しています。NMH は、年間予算の大部分を個人から得ており、移行管理は大口支援者エンゲージメント戦略の基幹です。

NMH の開発ディレクターである Aniyah Thompson は、見込み支援者の特定、支援の可能性またはエンゲージメントレベルに基づくセグメント化、見込み支援者の育成の促進、改善を促進するための結果の分析に移行管理を使用しています。NPSP には、このプロセスをさらに効率的に管理するためのいくつかのツールが用意されています。

対象となる見込み支援者の特定、スコアリング、セグメント化

NPSP で見込み支援者の特定、スコアリング、セグメント化を行う方法はいくつかありますが、移行管理を実装する最初のステップは、見込み支援者のグルーピングと、組織にとって最も重要な条件、評価、関連プロセスを定義することです。

何十人もの現在の支援者に話を聞き、現在のデータから成功パターンを特定した後に、NMH の開発チームは、一連の支援者ペルソナを定義しました。NMH の理事である Robert Bullard を使用して、簡略化された例を次に示します。デモグラフィック情報、目標、コミュニケーション設定、一般的なオブジェクションがすべて表示されています。

プロファイルの例。デモグラフィック情報、目標、コミュニケーション設定などが表示されています。

NMH は、作成した支援者ペルソナを使用して、それぞれの種類の支援者に対するアクションプランをまとめました。チームはこれらのアクションプランを Salesforce コンサルティングパートナーと共有し、パートナーは、レベルやエンゲージメント計画などの主要な特性を使用し、ニーズに合わせて NPSP をカスタマイズしました。

NPSP レベル

NPSP レベルは、支援総額やボランティア時間などの条件に基づいて賛助者のコミットメントやエンゲージメントのレベルを追跡する簡単な方法です。NPSP には多数の積み上げ集計項目があることを覚えていますか? 積み上げによって集計情報が得られ、その多くはさまざまなレベルを定義するために使用できます。また、カスタマイズ可能な積み上げ集計項目や数式項目を使用して、より複雑な条件によってレベルを定義することもできます。

NPSP では、エンゲージメント計画にもレベルを使用できるため、非営利団体は、誰が何をどのようにどのような頻度で賛助者に伝え、エンゲージメントの向上に向けて賛助者を動かし続けるかをまとめることができます。エンゲージメント計画については、後で詳しく説明します。

NMH 組織は、NPSP で次のように貢献レベルを定義しました。

支援者レベル

数式条件

エンゲージメント計画

見込み支援者
支援合計 < 0
ロータッチ
ボランティア
昨年のボランティア時間 > 0
ミディアムタッチ
年 1 回の支援者
昨年の支援合計 = 1
ミディアムタッチ
繰り返し支援者
昨年の支援合計 > 1
ミディアムタッチ
大口支援者
前回の支援 > $1000
ハイタッチ
離脱支援者
支援合計 > $0、昨年の支援合計 = 0
ミディアムタッチ

これらは、NMH 組織の取引先責任者レコードでどのように表示されるのでしょうか? 見てみましょう (ただし、この項目をどこに表示するかはシステム管理者が決定するため、取引先責任者レコードの異なるセクションに項目が表示される可能性もあります)。NMH は、[Giving Level (貢献レベル)] を各取引先責任者の [Donor Research and Scoring (支援者調査とスコアリング)] セクションの項目として含めました。

取引先責任者レコードの詳細に [Giving Level (貢献レベル)] 項目が含まれています。

取引先または取引先責任者のソース項目が変更されると、夜間処理によってレベルが自動的に再計算されます。関連する処理のため、レベルはすぐに適用されません。NPSP で実行される夜間バッチ処理の一環としてレベルが更新されます。そのため、取引先責任者に支援を追加しても、その取引先責任者のレベルはリアルタイムで変更されません。ただし、待てない場合は、システム管理者がいつでも手動でレベルを強制的に更新できます。

カスタム項目とカスタムアプリケーション

レベルに加えて (またはレベルの代わりに)、組織は取引先責任者レコードまたは商談レコードに移行管理のカスタムセクションを追加することもできます。このセクションのカスタム項目には、支援の傾向スコアや状況項目などの支援者調査項目を含めることができます。No More Homelessness は、コンサルティングパートナーと協力して、取引先責任者レコードに [Propensity to Give Score (支援の傾向スコア)]、[Total Assets (資産総額)]、[Estimated Annual Charitable Giving (推定年間慈善支援)] などのカスタム項目を作成しました。

取引先責任者の詳細。カスタム項目が表示されています。

NPSP は高度なカスタマイズが可能なため、組織にカスタム移行管理プロセスが実装されている場合があります。組織にカスタム項目、独自のスコアリング数式、その他の種類の集計を導入するメリットがあると考えられる場合は、システム管理者やコンサルティングパートナーに確認してください。

AppExchange からのウェルスインテリジェンスアプリケーションの統合

NPSP で見込み支援者と支援者の特定と評価を行うもう 1 つの選択肢は、Salesforce AppExchange からサードパーティのウェルス見込み調査アプリケーションを統合することです。多くの非営利団体がすでにこれらのアプリケーションを使用して裕福な支援者や見込み支援者に関するインサイトを発見しています。これらのアプリケーションには、NPSP と統合できるものもあり、ウェルスデータとスコアリングを取引先責任者レコードや取引先レコードに取り込むことができます。これらのアプリケーションでは、必要な項目と数式が標準で提供されるため、自分でそれらを構築する必要がありません。この場合も、支援者調査および評価プロセスにサードパーティアプリケーションが使用されているかどうかをシステム管理者に確認してください。

NPSP での見込み支援者の特定、スコアリング、セグメント化にどの方法を選択する場合でも、次のステップは育成活動を計画し、追跡することです。これについては次の単元で説明します。

リソース