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プロセスの設定

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。
  • 部門横断型のモバイル開発チームを編成する。
  • モバイル開発に最適な手法を識別する。
  • モバイル設計のベストプラクティスを要約する。
  • 組織のモバイル開発計画に影響を与える要素を挙げる。

ルートを計画する

ジャーニーの目的地を設定し、コンパスは確実にその目的地を指しています。ただし、候補となる道が数多くある場合、どうすれば地図上のその特定地点に向けて正しく進めるのでしょうか? ルートを計画するのです!

モバイル戦略を作成したら、その戦略を実行する必要があります。そこで、思い描いていた素晴らしいモバイルソリューションを実現するために必要な人材、プロセス、ツール、テクノロジーを、組織で検討したか確認しましょう。この単元では、モバイル戦略の次の構成要素である「設計と開発」を取り上げます。

モバイルの設計および開発プロセスの図

部門横断型のチームを編成する

古いことわざを借りるならば、「モバイルアプリケーション開発には村全体の協力が必要」です。つまり、各メンバーが開発プロセスのさまざまな部分に責任を持つ部門横断型プロジェクトチームが組織には必要です。プロジェクトチームは一般に次のような構成になります。

チームメンバー 担当する作業
プロダクトオーナー アプリケーションの戦略的要件を管理し、各リリースにどの機能を含めるかを決定する
プロジェクトの責任者 チームの作業を調整し、プロジェクトの期日を守るために全員が正しい方向に進むようにする
ユーザーエクスペリエンスエキスパート モバイルユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するために必要な調査と設計を行う
IT 部門の責任者 全体的なテクノロジー実装および開発計画に関する意思決定を下す
開発者 モバイルアプリケーションを作成する
品質保証エキスパート アプリケーションをテストし、ソフトウェアのバグを追跡する

会社の規模に応じて、上記の例よりメンバーが増減することがあります。いずれにしても、必要な専門領域の代表者が参加します。

モバイル設計のベストプラクティスに従う

アプリケーションをダウンロードし、ユーザーエクスペリエンスの質が低くてイライラしたため、そのアプリケーションを放棄してもっとよいものに変えたことがありますか? もしあるなら、設計がモバイルプロジェクトの成功に大きな影響を与えることがわかるでしょう。

アプリケーションがユーザーに気に入られるためには、モバイル設計に投資し、開発プロセスに反映します。ここでは、ユーザーエクスペリエンスの 3 つの主要な要素である調査、設計、テストについて簡単に概要を説明します。

モバイルユーザーエクスペリエンスの 3 要素

調査

組織が開発するアプリケーションごとに調査を行います。対象ユーザーは? 実行するタスクは? 最も頻繁に実行するタスクは? このような質問に答えることで、チームは一般的な使用事例をいくつか考え出すことができ、ユーザーが実際に必要とする機能を実現できます。適切な調査の実行方法についての詳細は、「ユーザーエクスペリエンス調査の基本」モジュールを参照してください。

設計

モバイルデバイス用の設計は、デスクトップ用の設計とはまったく異なります。モバイル設計の原則とガイドラインを十分に理解している設計者が開発チームに参加することが非常に重要です。

操作性テスト

設計および開発プロセスの間、プロジェクトチームは、ユーザーとそのアプリケーション操作方法について想定をします。その想定を検証する唯一の方法はテストです。テストはできるだけ早く行います。チームが必要に応じてアプリケーションの設計を調整できるように、フィードバックを得ることが重要です。

ヒント

ヒント

モバイルユーザーエクスペリエンスについての詳細は、「リソース」セクションの役に立つリンクを参照してください。

開発計画を作成する

当然、モバイルアプリケーションを作成するときには、数多くの開発要素を考慮する必要があります。組織が開発プロセスの開始前に計画を作成していないと、先々困難に見舞われるでしょう。

モバイルアプリケーションの開発に必要なプロセス、インフラストラクチャ、およびツールの実装は、複雑で戦略的な作業です。そしてもちろん、万能のソリューションはありません。そこで IT リーダーは次のようなハイレベルの質問に答える必要があります。

  • インフラストラクチャの評価: モバイル開発をサポートする API および Web サービスを作成するためのインフラストラクチャがありますか? バックエンドシステムをモバイルアプリケーションに統合しますか? 統合が難しいデータサイロやレガシーシステムはありますか?
  • モバイルに関する専門知識の評価: 社内にモバイル開発者はいますか? モバイルイニシアチブをサポートするのに十分な開発者がいますか? 社内にモバイルの専門知識がない場合、外部のコンサルタント、ベンダー、代理店を雇う予算はどの程度ですか?
  • テクノロジーオプションの考慮: アプリケーションの作成に HTML、ネイティブ iOS または Android プログラミング言語、両方のハイブリッドのどれを使用しますか? どのモバイルオペレーティングシステムをサポートしますか? どのモバイルアプリケーション開発プラットフォームを使用しますか?
  • セキュリティの検討: 最低限のデータセキュリティ標準を制定しましたか? モバイルプロジェクトに影響を及ぼす特定の規制の順守が業界で義務付けられていますか? 社内アプリケーションを作成する場合、従業員のデバイスをどのように管理し、保護しますか?
  • アプリケーションのメンテナンス: アプリケーションの更新をリリースする頻度はどの程度ですか? リリースをどのように管理しますか? アプリケーションを作成するためにコンサルタントを雇う場合、アプリケーションの機能強化ではどのように協力しますか?

組織がモバイルアプリケーションを開発して提供するためのしくみ作りが最初からうまくいくと期待しないでください。開発計画は、モビリティの経験を積みながら進化させていきます。

アジャイルプロセスを採用する

適切な人材、ツール、テクノロジーが揃ったので、ここではプロセスを取り上げます。モバイルプロジェクトをスケジュールどおりに提供し、ユーザーのニーズとビジネス要件を満たすためにチームが従う手法について考えましょう。

まだソフトウェアプロジェクトに直接参加したことがなくても、おそらくアジャイル開発という言葉は聞いたことがあるでしょう。「アジャイル」は、短い開発サイクル、頻繁なソフトウェアリリース、漸進的かつ継続的な改善という同じ基本原則に基づくいくつかの異なるソフトウェア開発手法の総称にすぎません。

アジャイル開発のサイクルという性質を示す図

アジャイルプロセスは、特にモバイルアプリケーションプロジェクトに適しています。プロジェクトチームがアジャイルプロセスを採用するとなぜ効果があるのでしょうか? それには次のような理由があります。

  • ユーザーのニーズ、行動、期待は急激に変化している
  • ビジネス目標は常に進化している
  • モバイル市場は本質的にペースが速い
  • モバイル OS の更新とアップグレードが頻繁に行われる
  • 新しいツールとフレームワークを堂々と試せる
  • モバイルアプリケーションの寿命は短い
  • 以前のリリースから得た教訓を適用する機会がある

アジャイル手法についての詳細は、「リソース」セクションのリンクを参照してください。

ついにモバイル戦略を実行するために何が必要かを基本的に理解できました。なかなかの成果ですね。しかも、Salesforce が支援できます。ジャーニーの実行フェーズで Salesforce と提携すると、モバイル戦略を (迅速に) 実行するのに必要なツールを使用できます。次の単元では、Salesforce のカスタマーサクセスプラットフォームがモバイル変革への進行をどう加速できるかを学習します。

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