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メンタルヘルスによる日常生活への影響を検証する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 心の健康と体の健康がつながっていることを自覚する。
  • さまざまなライフステージにメンタルヘルスがどのように関わってくる可能性があるか認識する。
  • メンタルヘルスが仕事のパフォーマンスや満足度に及ぼす影響について理解する。

メンタルヘルスの波及効果

メンタルヘルスは私たちの日常生活に影響を及ぼし、私たちの生き方、働き方、社会との関わり方にも関係してきます。そのため、慢性的なストレス (長期にわたって持続的にストレスを感じることと定義される) が私たちの心身に害を及ぼす可能性があります。プレッシャーのかかる仕事から、孤独感や人種差別まで、あらゆることによって「身体が疲弊し、肉体的あるいは精神的な疾患にかかるおそれがあります。」 

心の健康と体の健康には明確な関わりがあります。深刻な精神疾患を抱えている人は身体的な慢性疾患に陥るリスクが高く、その逆も同様です。   

Mayo Clinic によると、長期にわたって強いストレスにさらされれば、糖尿病、慢性疼痛、がんなどの疾患にかかる可能性があります。このつながりは逆方向にも作用し、がんなどの慢性的な疾患がメンタルヘルスに影響を及ぼすことがあります。  

  • 深刻な病状を抱える人々の約 3 分の 1 がうつ症状を経験している。
  • 精神的な疾患を抱える人々は、一般の人々よりも睡眠障害を患う可能性が約 4 倍高い。
  • うつと心臓疾患を併発している人々は、心身ともに健康な人々よりも死亡する確率が約 5 倍高い

心と体が密接につながっていることは明らかです。心身ともに整った状態が健康ということになります。では、ライフステージを通してメンタルヘルスがどのように変化するのか見てみましょう。 

さまざまなライフステージのメンタルヘルス

それぞれのライフステージにさまざまな形でメンタルヘルスが関わることがあります。たとえば、離婚、新居、失職、パートナーとの死別などのライフイベントによって精神的に脆くなり、ウェルビーイングが脅かされる可能性があります。

以下の Salesforce B-Well のクリップで、執筆家で、Thrive の CEO でもある Arianna Huffington が、時間をかけて少しずつ「軌道修正」するという考え方について語っています。

感情の抱き方は人それぞれ異なるため、「正しい」反応方法というものはなく、ライフイベントによる影響が他者よりも大きい人もいます。

現在、辛い時期を過ごしているのであれば、現時点のライフステージの出来事がメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしている可能性があるか考えてみます。たとえば、離婚協議中で、極度のストレスや不安に苛まれているかもしれません。あるいは、出産後のホルモン変化によって産後うつになっているのかもしれません。人生の大きな変化は、たとえ好ましいものであっても、うまく適応できないことがあります。 

メンタルヘルスによる仕事のパフォーマンスへの影響

どの業界で仕事をしているかに関係なく、私たちは皆、急速に変化するストレスフルな世の中を生きています。自分たちのメンタルヘルスを優先しなければ、自分自身やチームを酷使したあげく、燃え尽きてしまうことになりかねません。

こうした極度の疲労は新しい概念ではありません。実際、世界保健機関 (WHO) は 2019 年に、職場での慢性的なストレスに起因するこの状態を燃え尽き症候群と正式に再分類しています。また、Gallup によると、やる気を失った従業員により、その会社は年給の 18% 相当のコストを喪失するということです。

疲労を感じたり、仕事に対する意欲を失ったり、普段より生産性が落ちていると感じたりしたときは、燃え尽き症候群の可能性があります。 

ここで重要な点は、そうした兆候をやり過ごさず、認識して対処できるようにすることです。以下の Salesforce B-Well のクリップでは、Flourish の共同創立者である Naveed Ahmad が、自らの価値やアイデンティティを、仕事や他のことに見出すのではなく、人間としての自分自身に見出すことの重要性を説き、それこそが何よりも効果的なセルフケアであると述べています。 

燃え尽き症候群の 6 つの兆候など、Naveed の知見についての詳細は、「リソース」セクションに記載の「B-Well Together」セッションの全文をご覧ください。

以下は、燃え尽き症候群に対処するためのステップです。

  • 燃え尽きてしまったと感じていることを上司に伝える。上司を頼ることで、上司を信頼しており、一緒に解決策を見つけたいという意向を伝えることができます。
  • 境界を設定する。あなたにとって譲れないことは何ですか? 自分の内面に目を向け、自分にとって本当に大切なことは何か、実際に何をすべきなのかを思案します。
  • スケジュールや生活に主体性をもたせる。断っても構わないことを自覚します。
  • 自分が何に価値を置いているのかを確認し、セルフケアの時間を確保する。自分にとって一番大切なことは何かと考え、その価値観に基づく活動に取り組み、自分自身をケアします。たとえ 1 日 30 分でもカレンダーに自分の時間を確保して自分のために費やします。あなたの時間も大切であるためです! 昼休みはコンピューターやスマートフォンから離れるなど、簡単なことから始めます。休憩を挟むことで、その日の後半に向けてエネルギーを補給することができます。
  • スクリーンから離れる。リモートワークの弊害の 1 つが、画面の前で過ごす時間が長くなることです。通話の最中に画面を表示する必要がなければ、散歩をしながら話したり、音声ミーティングにすることを同僚に提案したりします。
  • 休みを取るときは、完全にオフにします。休暇中はメールをチェックしたり、電話に出たりしないことを躊躇う必要はありません。上司と協力して業務を代行してもらう同僚を決め、不在時の計画を立て、休暇中に進行していたプロジェクトに新たな気分で戻れるようにします。
  • 専門家や担当者に相談する。職場にコーチング、ウェルネスプログラム、従業員支援プログラム (EAP)、医療保険/処方薬保険など、メンタルヘルス関連のプログラムが用意されていないか確認します。また、お住まいの国の健康保険でメンタルヘルスサービスを利用できる場合があります。不安やうつ病の診断がなくても、カウンセリングを受けることができます。また、積極的に精神力を鍛えることもできます。

メンタルヘルスの悪化によって仕事に燃え尽きてしまうだけでなく、離職、欠勤、生産性の低下、品質不良、売上の損失、納期の遅延などにつながることもあります。誰にでも充電時間は必要です。従業員に必要なゆとりやサポートが与えられていなければ (あるいは従業員が利用していなければ)、何らかのひずみが生じます。 

まとめ

メンタルヘルスも人生と同様にジャーニーであり、山もあれば谷もあります。私たちにとって重要なことは、常に感情に注意を払い、行動を起こす時期であることを知らせる感情のパターンを認識し、軌道修正して気分を回復させられるようにすることです。 

仕事で能力を発揮するためには、メンタルヘルスを優先する必要があります。健全なワークライフバランスを維持し、レジリエンスを培い、セルフケアを実践することは、この目標を達成するためのアプローチの一環です。次の単元では、私たちの生活にセルフケアを取り入れることについて詳しく説明します。 

リソース

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